プレコンセプションケア
プレコンセプションケアを知っていますか?
プレコンについて知ろう!
英語でプレ(pre)は「~の前の」、コンセプション(conception)は「受胎」、つまり「妊娠前からの健康管理」を意味します。プレコンセプションケア(プレコン)とは、男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身に着け、健康管理を促すことをいいます。将来子どもを持つ可能性も考えて、性別を問わず、自分たちの生活や健康を考えていこう、というものです。
例えば、女性やカップルがより健康的になること、元気な赤ちゃんを授かるチャンスを増やすことなど、プレコンセプションケアによって、より健康的な生活を送れることを目指します。
今はまだ、結婚や妊娠を考えていなくても、「赤ちゃんが欲しい」そう思ったときに、選択肢を多く持てるよう、現在の健康状態をチェックすることからまず、はじめてみましょう。

出典:国立研究開発法人国立成育医療研究センター「生涯のうちのプレコンセプションケアの位置づけ」(外部リンクが開きます)
知っておきたいプレコン知識
適正体重を(BMI18.5以上25未満)キープ
自身の適正体重を知り、BMI(体格指数)を18.5以上25未満に保つことがプレコンセプションケアでは勧められています。次の計算式により、適正体重をもとめることができます。
BMI(体格指数)=体重(キログラム)÷身長(メートル)÷身長(メートル)
18.5以下は痩せ、25以上は肥満とされ、表1ようなリスクに注意が必要です。
リスク内容 | |
痩せ | 月経不順・貧血・肌荒れ・骨密度や筋力の低下・不妊 |
肥満 | 糖尿病・高血圧・不妊・妊娠糖尿病(妊婦)・妊娠高血圧症候群(妊婦) |
男女問わず、適正体重を保つことがプレコンセプションケアの重要ポイントです。
不妊症
不妊症とは、生殖年齢の男女が避妊せず定期的に性交を行っているにもかかわらず、1年以上妊娠しない状態をいいます。また、1年経っていなくても妊娠しにくい原因があれば、不妊症として治療をはじめます。
不妊症の原因はさまざまで、その割合は男女で半々です。
加えて、卵子・精子も老化するため、不妊の原因が年齢となることもあります。
不育症
妊娠しても、流産や死産を繰り返し、子どもを持つことができない状態を不育症と呼んでいます。一般的には、流産・死産を2回経験した場合には原因を調べることが推奨されます。
喫煙や飲酒
タバコやアルコールは、卵子や精子の質を悪くして不妊の原因になることがあります。
妊娠中の摂取は、流産や子どもの病気のリスクを高めます。
性感染症
性感染症は、無症状なケースも多いため、感染していないか検査を受けることが大切です。
性感染症(クラミジア感染症など)は、気付かずに放置していると不妊の原因になるケースがあります。梅毒は、妊婦が感染すると早産や赤ちゃんの病気に繋がります。パートナーと一緒に治療が必要です。また、知らない間に他の人にうつす可能性があるため、性交渉の際にはコンドームを使用して、感染を防ぎましょう。
茅ヶ崎市保健所「HIV・梅毒の検査について」(外部リンクが開きます)
HPVワクチン
HPVは子宮頸がんの原因となるウイルスです。主に性交渉によって感染し、女性の多くが一生に一度は感染すると言われます。感染してもほとんどの人では、ウイルスが自然に消えますが、一部の人でがんになってしまうことがあり、男性にも、陰茎、肛門、咽頭などのがんを発症させます。
子宮頚がんの予防には、がんの原因となるHPVの感染を防ぐワクチン接種が有効です。
また、20歳になったら2年に1回、必ず子宮がん検診を受けましょう。
風しん
妊娠中に風しんにかかると、胎児が病気を持つリスクが高まります。妊婦と同居する家族は、必要があれば、MRワクチンを接種し、妊娠中の感染を防ぐ環境づくりが重要です。
なぜプレコンが必要なのか
リスクのある妊婦が増加
近年、晩婚化も影響し出産年齢の高齢化が進んでます。また、若い女性の痩せと肥満の増加から、リスクの高い妊婦が増加しています。プレコンセプションケアを行うことで、健やかな妊娠・出産、生まれてくる赤ちゃんの健康に繋がります。
不妊が増加
月経不順の放置、月経痛の我慢などが、将来の不妊の原因になることがあります。妊娠や出産、性に関する正しい知識を身に着けて、不妊のリスクは減らしておくことが望まれます。
正しい健康への知識不足
高齢出産のニュースにふれるなどすると、いつでも子どもは持てる、と思う人もいるかもしれません。しかし、年齢が上がると妊娠・出産に関するリスクが上昇するとともに、妊娠しにくくなることが医学的にも明らかになってきています。
正しい健康への知識を身に着けて、性別問わずすべての人が健康に向き合うことで、人生がより豊かなものになっていくはずです。
プレコンセプションケアを実践しましょう
いまの自分を知ろう!
性別問わず、自分の体調管理や生活習慣をしっかり管理できていないと、将来の妊娠に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、月経トラブルを放置したり、精子の数や運動に影響する病気に気付かず過ごしていたというケースもあります。
将来、子どもを持つことを望まない人にとっても、若いうちから自分できちんと健康管理をすることで、病気を早期に見つけ、生涯充実した生活を送ることができます。
チェックシートを活用してみましょう
まずは、チェックシートを使って健康と向き合い、自分の健康状態を知ることから始めましょう!
現状を知り、チェックが少なければ、できることから始めて、チェックを増やしていくことが大切です。

参考:神奈川県ホームページ(外部リンクが開きます)
毎日の食事を見直してみましょう
栄養バランスを整えた食事を意識することもプレコンの実践です。
栄養不足は、貧血、肌荒れ、骨密度や筋力の低下などを引き起こすほか、月経不順や不妊、2500グラム未満の低出生体重児の原因になります。
また、ビタミンBの一種である葉酸は、胎児の脳や骨髄のもとになる神経管をつくために必要ですが、不足すると将来の胎児の病気に繋がる可能性もあります。
食事についての詳細は、次のページを参考にしてみてください。
定期的な検診を受診しましょう
妊娠前からの定期的な検診が大切です
健康診断を定期的に受け、生活習慣病などのチェック、病気を予防することが大切です。また、女性は20代から子宮頚がんが増え、30代から乳がんが急増します。
子宮頸がん検診の受診や乳がん検診も忘れずに受けましょう。
妊娠中の歯科健診も忘れずに
妊娠中はホルモンバランスが変化し、むし歯や歯周病などの炎症を起こしやすくなります。また、妊婦が中等度以上の歯周病にかかっていると、体重の少ない赤ちゃんを早産する割合が高くなります。歯科健康診査を受けて安心して出産を迎えましょう。
かかりつけ医を持ちましょう
月経に異常があったり、月経痛がひどい場合は女性ホルモンのバランスの乱れが原因のことも多く、放置すると卵巣や子宮にダメージが蓄積し、将来、不妊につながる可能性もあります。
月経トラブルを、軽視して見過ごしてしまう方もいますが、妊娠や出産に大きく影響するため、早めに婦人科を受診してください。妊娠・出産を考えていなくても病気を疑い、病院へ行きましょう。
受診の目安は次のとおりです。一つでも当てはまれば、婦人科受診が推奨されます。
・月経痛が日常生活に支障をきたす痛みで薬が効かない
・月経の間隔が24日以下、39日以上
・月経の持続日数が1〜2日、8日以上
・出血量が多く、ナプキンを1〜2時間で交換する、2.5センチメートル以上の血の塊が出る
・月経前は、感情がコントロールできないほど体調が優れない
・月経時以外でも出血や腹痛がある、貧血がある
ライフプランを考えてみましょう
妊娠や出産について
妊娠、出産には適した年齢があること、そのために今できることは何か、幸せな人生を歩むために、「今」考えておきましょう。妊娠の時期やタイミングを考えて、妊娠を希望しない時には、必ず避妊をしましょう。
人生100年時代をじぶんらしく
プレコンノートを活用して、人生をデザインしてみましょう。
国立成育医療研究センターのホームページでは、理想の人生を考える具体的な実践方法が掲載されています。
プレコンセプションケアについてもわかりやすくまとまっているので、活用してみてください。
国立研究開発法人国立成育医療研究センター「プレコンノート」(外部リンクが開きます)
プレコンや妊娠についての相談先
性別問わず、すべての人が相談可能です
神奈川県
産婦人科オンライン
県では、プレコンについて、「LINE」のメッセージチャットやビデオ通話等を活用し、専門家による相談が可能です。自身の性に関する疑問や妊娠に向けた不安などを相談していただくことで、正しい健康管理や産婦人科への受診等に繋げます。
https://obstetrics.jp/(外部リンクが開きます)
丘の上のお医者さん-女性と男性のクリニック-
妊娠・出産に関する知識を男性も含め広く普及・啓発し、妊娠・出産の適齢期を踏まえたライフプランの構築を支援するため、アニメーション動画を公開しています。
https://www.okanouenooisyasan.com/(外部リンクが開きます)
「みんなに知ってほしい。妊娠と不妊について」
神奈川県では、九都県市(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市)と共同して、妊娠・不妊に関する正しい知識の普及啓発を行っています。
https://www.youtube.com/watch?v=POqjOwIbASU(外部リンクが開きます)
参考ページリンク
「岡山県妊孕性等普及啓発標準プログラム」等作成事業
「ライフプランを考えるあなたへ 性と妊孕性の視点から見つめる未来への選択肢」https://miraihenosentakushi.jp/(外部リンクが開きます)
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子育て支援課のびのびすくすく担当
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更新日:2025年09月04日