令和4年度から適用される住民税の税制改正

更新日:2021年12月27日

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 令和4年度から適用される主な税制改正は次のとおりです。

  1. 住宅借入金等特別控除の特例等の改正
  2. 特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る申告手続きの簡素化
  3. 退職所得課税の改正
  4. 医療費控除の特例制度(セルフメディケーション税制)の添付書類の簡素化

 1.住宅借入金等特別控除の特例等の改正

 消費税率10%(パーセント)引き上げに伴い、住宅借入金等特別控除の控除期間が10年間から13年間に延長される特例措置が設けられていましたが、一定の条件を満たしている場合、この特例措置の適用条件である入居期限がさらに延長されます。                                           

 また、新型コロナウィルス感染症により住宅取得環境が厳しくなっている中で、幅広い購買層の需要を喚起する観点から、床面積が40平米以上50平米未満の住宅にも、一定の条件を満たしている場合に限り、住宅借入金等特別控除を13年間適用することが可能となります。

 住宅借入金等特別控除特例措置の延長

 概要

  住宅の取得等で特別特例取得(注1)に該当するものとした個人が、その特別特例取得した家屋に令和3年1月1日から令和4年12月31日までの間に入居しており、所得税において住宅借入金等特別控除及び当該控除期間の3年間延長の特例が適用されている場合は、町民税・県民税においても、住宅借入金等特別控除が13年間適用されます。

  (注1)…特別特例取得とは、その対価の額又は費用の額に含まれる消費税率等の税率が10%(パーセント)である場合の住宅の取得等(特別特定取得)のうち、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める期間内にその契約が締結されているものをいう。

住宅借入金特例区分別申告期限一覧表
区分 契約期間
 居住用家屋の新築

令和2年10月1日から

令和3年  9月30日まで

居住用家屋で建築後未使用の住宅(分譲住宅等)もしくは既存住宅の取得

又は居住用家屋の増改築等

令和2年12月1日から

令和3年11月30日まで

 

改正のイメージ図(PDFファイル:412.5KB)(財務省のホームページより)

 

  適用条件

 町民税・県民税において、住宅借入金等特別控除特例措置の延長が適用されるには、次の条件を満たす必要があります。

 

1.上記概要のとおり、所得税において、住宅借入金等特別控除の特例措置の延長が適用されていること。(注2)

2.適用年の各年分の住宅借入金等特別控除額から当該年分の所得税(住宅借入金等特別控除を適用する前の税額)を控除し、残額があること。(所得税で控除しきれなかった住宅借入金等特別控除額があること。)

(注2)…所得税における住宅借入金等特別控除特例措置の延長の適用条件の詳細については、国税庁ホームページにてご確認ください。

 

  控除額

 控除期間内における町民税・県民税に適用される控除額の計算は次のとおりです。

 所得税における住宅借入金等特別税額控除額は、通常の控除期間(1年目から10年目)と特例措置期間(11年目から13年目)で控除額の計算方法は次のとおり異なります。

 なお、今回の改正は、住宅借入金等特別控除の特例措置が適用対象となる入居期間の延長であるため、控除期間内の控除額の計算自体は、変更ありません。

町民税・県民税に適用される住宅借入金等特別控除額

次の1及び2の金額のうち、いずれか小さい金額(0円以下となった場合は、適用不可)

1.各年分の住宅借入金等特別税額控除額(住宅借入金等特別控除可能額)のうち、当該年分の所得税額(同控除適用前)で控除しきれなかった額

2.所得税の課税総所得金額等の額に7%(パーセント)を乗じた額(最高136,500円)

所得税における住宅借入金等特別税額控除額(1年目から10年目まで)
 一般住宅の場合

借入金の年末残高 × (かける)1%(パーセント)(上限40万円)

 認定住宅(注3)等の場合

借入金の年末残高 × (かける)1%(パーセント)(上限50万円)

(注3)…認定住宅とは、認定長期優良住宅又は認定低炭素住宅をいいます。

所得税における住宅借入金等特別税額控除額(11年目から13年目まで)
 一般住宅の場合

次のいずれか少ない金額

ア 借入金の年末残高 × (かける)1%(パーセント)(上限40万円)

イ 住宅取得等の税抜対価の額等(上限4,000万円)×(かける)2%(パーセント)÷(わる)3  

(上記「イ」は、3年間で引き上げられた消費税率2%(パーセント)の負担を軽減するという趣旨です。)

 認定住宅等の場合

次のいずれか少ない金額

ア 借入金の年末残高 × (かける)1%(パーセント)(上限50万円)

イ 住宅取得等の税抜対価の額等(上限5,000万円)×(かける)2%(パーセント)÷(わる)3

(上記「イ」は、3年間で引き上げられた消費税率2%(パーセント)の負担を軽減するという趣旨です。)

  注意点

今回の住宅借入金等特別控除特例措置の延長は、経済対策の一環として行われるため、新型コロナウィルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により入居が遅れたことは適用要件とされていません。

 

 特例住宅の取得等に係る特例

 概要

 従来、住宅借入金等特別控除が適用される住宅は、床面積が50平米以上の住宅のみに限られていました。

 令和3年度税制改正により、特例住宅(床面積が40平米以上50平米未満)の取得等をした場合でも、それが特例特別特例取得(注4)に該当する場合は、前年中の合計所得金額が1,000万円以下であることを条件に、上記住宅借入金等特別控除の特例措置を適用することができるようになりました。

 この場合に適用される住宅借入金等特別控除に関する控除額及び控除期間等は、上記住宅借入金等特別控除の特例措置と、原則同じです。

(注4)…特例特別特例取得とは、特例住宅(床面積が40平米以上50平米未満)の取得等をした家屋の対価の額又は費用の額に含まれる消費税率等の税率が10%(パーセント)である場合の住宅の取得等のうち、特例住宅の取得等に係る契約が次に掲げる区分に応じそれぞれ次に定める期間内に締結されているものをいう。

特例住宅の区分と期限一覧表
区分 契約l期間
 特例居住用家屋の新築

令和2年10月1日から

令和3年  9月30日まで

特例居住用家屋で建築後未使用の住宅(分譲住宅等)もしくは特例既存住宅の取得

又は居住用家屋の特例増改築等

令和2年12月1日から

令和3年11月30日まで

 注意点

・この特例は、控除期間の13年間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超えた年分については、適用できません。ただし、この所得要件判定は、各年に行われるため、合計所得金額が1,000万円以下である年分は、同控除を適用することができます。

・前年中の合計所得金額が1,000万円以下という所得要件は、この特例にのみ適用されます。よって、床面積が50平米以上の住宅に関する住宅借入金等特別控除を適用されている場合の所得要件は、従来どおり合計所得金額3,000万円以下です。

2.特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る申告手続きの簡素化

 概要

 特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得(以下、「上場株式等の特定配当等に係る所得」)について、所得税と町民税・県民税で異なる課税方式を選択する場合は、所得税の確定申告書の提出とは別に、町民税・県民税の申告書の提出が必要でした。

 ただし、申告手続きの簡素化の観点から、町民税・県民税において、上場株式等の特定配当等に係る所得の全部を源泉分離課税(申告不要)とする場合には、原則として確定申告書の提出のみで申告手続きが完結することになりました。

 なお、上記の手続きをされない場合は、所得税と同じ課税方式が町民税・県民税に適用されます。

 手続方法

上場株式等の特定配当等に係る所得の全部を源泉分離課税(申告不要)とする場合

町民税・県民税の納税通知書が送達される日までに、確定申告書の2表の「住民税・事業税に関する事項」の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に丸を記載した確定申告書を提出してください。

記載箇所の詳細は次の記載例にてご確認ください。

確定申告書の記載例(PDFファイル:132.6KB)

上記以外で所得税と異なる課税方式を選択する場合

町民税・県民税の納税通知書が送達される日までに、次の書類等をご提出してください。

1.町民税・県民税申告書

2.上場株式等の所得に関する住民税申告不要等申出書

3.所得税の確定申告書等の控え

詳しくはこちらにてご確認ください。

 注意点

1.確定申告書内で「住民税・事業税に関する事項」の「特定配当等・特定株式等譲渡所得の全部の申告不要」欄に丸を記載した場合でも、特定配当等及び特定株式等譲渡所得内に申告不要の選択が出来ない所得が含まれている場合は、申告不要制度が適用されない場合があります。

2.上場株式等の特定配当等に係る所得の課税方式等を確認するため、同所得に関する書類(特定口座年間取引報告書等)の提出を追加で求める場合があります。

 

3.退職所得課税の改正

 概要

町民税・県民税における退職所得については、原則として退職所得の発生した年に、他の所得と区分して、その年の1月1日時点の住所地団体が課税することになっています(現年分離課税)。

今回の改正により、退職所得に対する2分の1課税を適用しない対象が拡大されることになりました。

具体的には、勤続年数5年以下の役員等(注5)ではない短期退職者が受け取る退職手当等(以下「短期退職手当等」)から退職所得控除額を除いた金額のうち、300万円を超える部分に対して、2分の1課税を適用しないこととされました。(300万円以下の部分については、従来どおり2分の1課税が適用されます。)

(注5)…役員等とは次に掲げる人をいいます。

・法人税法第2条第15号に規定する役員

・国会議員及び地方公共団体の議会の議員

・国家公務員及び地方公務員

 適用時期

令和4年1月1日より適用されます。 

 短期退職手当等を受給した場合の計算方法

次のように計算します。

1 収入金額(短期退職手当等)から退職所得控除額を除して退職所得金額を算出します

2 退職所得金額のうち、300万円を超える部分と300万円以下の部分に分けます。

  300万円を超える部分はそのままにして、300万円以下の部分には2分の1を乗じます。

  そして、それらを合計して課税退職所得金額を算出します。

3 課税退職所得金額に10%(パーセント)(町民税6%(パーセント)県民税4%(パーセント))の税率を乗じて、税額を計算します。

注意:退職所得控除額の算出方法等の詳細については、こちらにてご確認ください。

計算例

 勤続年数が4年で、短期退職手当等を600万円受給した場合

退職収入金額(短期退職手当等) 6,000,000円

退職所得控除額 4年×(かける)400,000円=(イコール)1,600,000円

退職所得 6,000,000-(ひく)1,600,000円=(イコール)4,400,000円

課税退職所得

3,000,000円×(かける)2分の1=(イコール)1,500,000円

4,400,000円-(ひく)3,000,000円=(イコール)1,400,000円

よって、1,500,000円+(たす)1,400,000円=(イコール)2,900,000円

町民税・県民税 2,900,000円×(かける)10%(パーセント)=(イコール)290,000円

 

4.医療費控除の特例制度(セルフメディケーション税制)の添付書類の簡素化

所得税の確定申告をして、医療費控除の特例(セルフメディケーション税制)を適用する場合は、医療費控除の明細書に加え、一定の取組(注6)を証明する書類の添付が必要とされていました。

ただし、令和3年分の確定申告(令和4年度の町民税・県民税)より、上記一定の取組を証明する書類の添付が不要となりました。(一定の取組を証明する書類は、医薬品購入の領収書と同様に5年間の保管が必要)

なお、添付する医療費の明細書には一定の取組に関する事項を記載する必要があります。

(注6)…一定の取組とは、人間ドックやインフルエンザの予防接種など法令に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組をいいます。

この記事に関するお問い合わせ先

税務収納課町民税担当
住所:253-0196
神奈川県高座郡寒川町宮山165番地
電話:0467-74-1111(内線:421、422、423)
ファクス:0467-74-1385
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