年金から天引きされる(年金特別徴収)税額が今年の10月から上がったが、なぜですか?
質問
年金から天引きされる(年金特別徴収)税額が今年の10月から上がりました。なぜですか?
回答
前年中に公的年金等の所得に対する税額がある場合で、4月1日時点で65才以上である等の一定の条件に該当する場合は、公的年金等の所得に対する税額は年金からの天引き(年金特別徴収)が法律で義務づけられています。
この年金特別徴収は、さらに前半部分の仮徴収と後半部分の本徴収に区分されます。
仮徴収とは、その年度の4月、6月、8月に徴収するものをいいます。
公的年金等の所得に対する税額は毎年6月に決定するものの、その年度の徴収は4月からの開始となり、税額が決定してからの徴収開始では間に合わないため、4月から開始される仮徴収税額は、前年度の公的年金等の所得に対する税額を基に計算します。
一方で、本徴収とは、その年度の10月、12月、翌年の2月に徴収するものをいいます。
6月に決定した公的年金等の所得に対する税額から、上記仮徴収で徴収した税額を差し引いて残った税額を、上記のとおり3回に分けて徴収します。つまり、公的年金等の所得に対する税額を過不足なく徴収できるよう、本徴収で調整するような制度となっています。
以上により、前年度と比較して今年度の公的年金等の所得に対する税額が増加している場合は、10月から始まる本徴収税額を仮徴収税額と同額にしたままだと、徴収不足となるため、質問のとおり、本徴収の税額が増加することがあります。
これは、あくまでも、本徴収する税額を調整することにより、決定した税額を過不足なく徴収することを目的としているものであるため、誤って多く徴収しているということではありません。
具体例
令和3年10月から年金から天引き(年金特別徴収)される税額が上がった事例
令和3年度の町民税・県民税は、前年の令和2年中の所得等に基づいて決定します。
以下の前提条件の場合、令和3年度の年金特別徴収税額は次のとおりになります。
前提条件
・令和2年度、令和3年度ともに年金特別徴収の対象者
・令和元年中の所得をもとに計算した、公的年金等所得に対する令和2年度の税額 12万円
・令和2年中の所得をもとに計算した、公的年金等所得に対する令和3年度の税額 18万円
令和3年度の年金特別徴収税額
徴収区分 | 仮徴収 | 仮徴収 | 仮徴収 | 本徴収 | 本徴収 | 本徴収 |
---|---|---|---|---|---|---|
徴収月 |
令和3年4月 |
令和3年6月 | 令和3年8月 | 令和3年10月 | 令和3年12月 | 令和4年2月 |
税額 | 2万円 | 2万円 | 2万円 | 4万円 | 4万円 | 4万円 |
算出方法 | 注釈1 | 注釈1 | 注釈1 | 注釈2 | 注釈2 | 注釈2 |
注釈1:令和3年度仮徴収の各月分の税額は、令和2年度の公的年金等所得に対する税額の半分に相当する額を3で除した金額です。
算出式:12万円÷(わる)2÷(わる)3=(イコール)2万円
注釈2:令和3年度本徴収の各月分の税額は、令和3年度の公的年金等所得に対する税額から仮徴収した税額を差し引いて残った額を3で除した金額です。
算出式:18万円-(ひく)6万円=(イコール)12万円
12万円÷(わる)3=(イコール)4万円
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更新日:2021年09月01日