前年中に医療費を支払ったが、医療費控除の適用は出来ますか?
質問
前年中に医療費を支払ったが、医療費控除を適用することはできますか?また、適用できる場合は、どのような手続きを行う必要がありますか?
回答
医療費控除の概要
前年中に、本人または本人と生計を一にする配偶者や扶養親族の医療費を支払った場合で、その支払った医療費が一定の金額を超えた場合は、その超えた金額を総所得金額等から控除できます。
注意:税法上の被扶養者でない親族に係る医療費についても、本人がその医療費を支払っており、その親族が本人と生計を一にしていれば、医療費控除の対象になります。
医療費控除の対象となる医療費
医療費控除の対象となる医療費の内容は、国税庁のホームページを参考にしてください。
なお、歯のインプラント治療など、保険適用されていない場合でも医療費控除の対象となる場合があります。
問い合わせが多い医療費については、次のとおりです。
医療費の内容 | 医療費控除の適用可否 |
---|---|
通院のための交通費 |
原則、公共交通機関の利用に限り、適用可 (公共交通機関を利用できないことのやむを得ない事情等がある場合は、タクシー代等も適用可) |
予防用マスクの購入費 | 適用不可 |
新型コロナウィルス感染症のPCR検査費用 |
1:医師等の判断によるものは適用可 2:自己の判断による検査費用は適用不可 (ただし、検査結果が陽性で引き続き治療を行った場合は、その検査費用は適用可) |
歯列矯正の費用 |
容ぼうを美化するための費用は適用不可 ただし、子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正等の場合は適用可 |
医療費控除の計算
前年中に支払った医療費 -(ひく) 保険金や高額医療費等で補てんされた金額 -(ひく) 総所得金額等の5%又は10万円
注意:上記計算の結果、0円以下となる場合は、医療費控除の適用はできません。
注意:医療費控除額が200万円を超える場合は、200万円を限度とします。
医療費控除を適用するための手続き
医療費控除に関する事項を記載した所得税の確定申告書又は町民税・県民税の申告書を提出する必要があります。
また、この申告書に「医療費控除の明細書」を作成し添付してください。領収書の添付は不要ですが、領収書は5年間ご自宅で保管してください。
なお、医療保険者から交付される「医療費のお知らせ」などの医療費通知を添付することにより、その医療費控除の明細書の記載を簡略化できます。
医療費控除の特例制度(セルフメディケーション税制)
概要
健康の保持推進及び疾病の予防への取り組みとして一定の取組を行う個人が、本人または本人と生計を一にする配偶者や扶養親族に係る一定のスイッチOTC医薬品を購入した場合で、その購入金額の合計額が12,000円を超える場合、その超えた金額(上限88,000円)を総所得金額等から控除できます。
注意:上記医療費控除との選択適用となります。(重複適用は不可)
健康の保持推進及び疾病の予防への取り組み(一定の取組)
本人が前年中に、次の取組のうち、いずれか一つを受けていること。
・健康診査(いわゆる人間ドック等で、医療保険者が行うもの)
・予防接種(インフルエンザ予防接種含む)
・定期健康診断(事業主健診)
・特定健康診査 (いわゆるメタボ健診)
・がん検診
注意:申告する際に、上記一定の取組を行ったことを明らかにする書類を添付または提示する必要があります。
注意:一定の取組に対して支払った金額は、この特例の対象に含めることはできません。
手続き
医療費控除と同様、特例(セルフメディケーション税制)を適用する場合も医療費控除に関する事項を記載した所得税の確定申告書または町民税・県民税の申告書を提出する必要があります。
また、この申告書に「セルフメディケーション税制の明細書」を添付してください。領収書の添付は不要ですが、5年間はご自宅で保管してください
注意点
〇医療費控除は、前年中の総所得金額等から控除する所得控除制度の一つです。よって、支払った医療費そのものが、所得税上で還付されたり、町民税・県民税上で減額になるということではありません。
〇医療費控除を適用する前の段階で、税額が0である場合など、医療費控除を適用しても税額に変動がない場合があります。
〇前年中に支払った医療費とは、その年中に現実に支払った医療費をいうため、未払いの医療費を含めることはできません。
〇医療費のお知らせの記載されている本人負担額と実際の窓口の支払額が異なる場合があります。これは、窓口での支払額は、10円未満が四捨五入されて算出されているためです。どちらの金額を医療費控除に用いても問題はありません。
〇前年中に支払った医療費の補てん金が確定申告期限までに未確定である場合は、受け取る補てん金額を見積もって、医療費控除を計算します。後日、その確定した補てん金額が見積もった金額と異なった場合は、医療費控除額の訂正申告が必要となります。
なお、還付申告(申告義務がない人で、所得税が還付となる確定申告)の場合、過去5年分をさかのぼって確定申告できるため、補てん金額が確定してからの申告も可能です。
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更新日:2021年08月27日