令和3年度から適用される住民税の税制改正

更新日:2021年01月01日

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 令和3年度から適用される主な税制改正は次のとおりです。

  1. 給与所得控除の改正
  2. 公的年金等控除の改正
  3. 基礎控除の改正
  4. 所得金額調整控除の創設
  5. ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)の改正
  6. 扶養控除等の扶養親族等の合計所得金額等要件の改正
  7. 非課税範囲の改正
  8. 調整控除の改正
  9. 新型コロナウィルス感染症等に係る寄附金税額控除の特例
  10. 住宅借入金等特別控除の適用要件の弾力化
  11. 家内労働者等の必要経費算入の最低保障額の改正

1.給与所得控除の改正

給与所得金額は、給与収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、この給与所得控除額が変更になります。

 改正内容

 ・給与所得控除額が現行から一律10万円引き下げられます。 

 ・給与所得控除の上限の適用対象となる給与収入金額が、現行の1,000万円から850万円

 に、またその上限額が220万円から195万円にそれぞれ引き下げられます。

 よって、給与収入金額から給与所得金額を算出する表は次のとおり変更されます。

 改正前

給与所得換算表(改正前)
給与収入金額 給与所得金額
651,000円未満 0円
1,619,000円未満 (給与収入額)               -650,000円
1,620,000円未満 969,000円(定額)
1,622,000円未満 970,000円(定額)
1,624,000円未満 972,000円(定額)
1,628,000円未満 974,000円(定額)
1,800,000円未満 給与収入額(注意1)×(かける)60%
3,600,000円未満 給与収入額(注意1)  ×70%   -180,000円
6,600,000円未満 給与収入額(注意1)  ×80%   -540,000円
10,000,000円未満 給与収入額  ×90%-1,200,000円
10,000,000円以上 給与収入額           -2,200,000円

給与収入額(注意1 )は給与収入額を4,000の整数倍となるよう、端数を切り捨ててから計算します。

  改正後

給与所得換算表(改正後)
給与収入金額 給与所得金額
551,000円未満 0円
1,619,000円未満 (給与収入金額)            -550,000
1,620,000円未満 1,069,000円(定額)
1,622,000円未満 1,070,000円(定額)
1,624,000円未満 1,072,000円(定額)
1,628,000円未満 1,074,000円(定額)
1,800,000円未満 給与収入金額(注意1 )×60%     +100,000
3,600,000円未満 給与収入金額(注意1 )×70%    - 80,000
6,600,000円未満 給与収入金額(注意1 )×80%   -440,000
8,500,000円未満 (給与収入額)    ×90%-1,100,000
8,500,000円以上 (給与収入額)              -1,950,000

給与収入金額(注意1 )は給与収入金額を4,000の整数倍となるよう、端数を切り捨ててから計算します。

赤字部分は変更箇所です。

計算例

 事例1 給与収入金額が325万円の場合の給与所得金額の算出

  令和2年度(現行)

  3,250,000円 ÷ (わる) 4000 = 812.5 → 812 (小数点以下切捨て)

  812 ×(かける) 4000 = 3,248,000円 (端数処理後の金額)

  3,248,000円 ×(かける) 0.7 - 180,000円 =2,093,600円(給与所得金額)

  令和3年度以降

  3,250,000円 ÷ (わる) 4000 = 812.5 → 812 (小数点以下切捨て)

  812 ×(かける) 4000 = 3,248,000円 (端数処理後の金額)

  3,248,000円 ×(かける) 0.7 - 80,000円 =2,193,600円(給与所得金額)

  

事例2  給与収入金額が900万円の場合の給与所得金額の算出

  令和2年度(現行)

  9,000,000円 ×(かける) 0.9 - 1,200,000円= 6,900,000円(給与所得金額) 

  令和3年度以降

  9,000,000円 -1,950,000円= 7,050,000円(給与所得金額)

  

2.公的年金等控除額の改正

公的年金等に係る雑所得金額は、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて算出しますが、この公的年金等控除額が変更になります。

 改正内容

1.公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。

2.公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合、公的年金等控除額は195万5千円が上限となります。

3.公的年金等に係る雑所得以外の所得の合計所得金額が1,000万円を超え、かつ2,000万円以下の場合、上記1及び2の改正後の控除額から一律10万円さらに引き下げられます。

4.公的年金等に係る雑所得以外の所得の合計所得金額が2,000万円を超えた場合、上記1及び2の改正後の控除額から一律20万円さらに引き下げられます。

詳細は下表のとおりです。

改正前

65才未満

公的年金等の収入金額

割合 控除額
130万円未満 100% 700,000円
130万円以上410万円未満 75% 375,000円
410万円以上770万円未満 85% 785,000円
770万円以上 95% 1,555,000円
65才以上

公的年金等の収入金額

割合 控除額
330万円未満 100% 1,200,000円
330万円以上410万円未満 75% 375,000円
410万円以上770万円未満 85% 785,000円
770万円以上 95% 1,555,000円

 

 改正後

65才未満

公的年金等の収入金額

納税者本人の公的年金等の雑所得以外の合計所得金額

1,000万円以下

1,000万円超かつ

2,000万円以下

2,000万円超

割合

控除額

割合

控除額

割合

控除額

130万円

未満

100%

600,000円

100%   500,000円 100% 400,000円

130万円

以上

410万円

未満

75% 275,000円 75% 175,000円 75% 75,000円

410万円

以上

770万円

未満

85% 685,000円 85%
 
585,000円 85% 485,000円

770万円

以上

1,000万円

未満

95% 1,455,000円 95% 1,355,000円 95% 1,255,000円

1,000万円

以上

 

1,955,000円 1,855,000円 1,755,000円
65才以上

公的年金等の収入金額

納税者本人の公的年金等の雑所得以外の合計所得金額

1,000万円以下

1,000万円超かつ

2,000万円以下

2,000万円超

割合

控除額

割合

控除額

割合

控除額

330万円

未満

100%

1,100,000円

100%   1,000,000円 100% 900,000円

330万円

以上

410万円

未満

75% 275,000円 75% 175,000円 75% 75,000円

410万円

以上

770万円

未満

85% 685,000円 85%
 
585,000円 85% 485,000円

770万円

以上

1,000万円

未満

95% 1,455,000円 95% 1,355,000円 95% 1,255,000円

1,000万円

以上

 

1,955,000円 1,855,000円 1,755,000円

(注意)「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額」は、その年中の公的年金等の収入金額がないものとして計算した場合における合計所得金額をいいます。

 

 

計算例 

 事例1 70才で公的年金等の収入金額が300万円で、その他の所得がない場合

 令和2年度(現行)

   3,000,000円 × (かける) 100% -1,200,000円 

      =1,800,000円(公的年金等に係る雑所得)

 

 令和3年度

   3,000,000円 × (かける) 100% -1,100,000円

     =1,900,000円 (公的年金等に係る雑所得)

  

事例2 80才で公的年金等の収入金額が500万円で他の所得が3,000万円の場合

 令和2年度(現行)

   5,000,000円 × (かける) 85% -785,000円 

        =3,465,000円(公的年金等に係る雑所得)

 

 令和3年度

   5,000,000円 × (かける) 85% -485,000円 

         =3,765,000円(公的年金等に係る雑所得)  

給与所得控除や公的年金等控除とは反対に、基礎控除額は引き上げられます。

また、一定の合計所得金額を超えると基礎控除額は逓減されます。

なお、基礎控除以外の所得控除(人的控除)額に変更はありません。

 改正内容

1.基礎控除額が一律10万円引き上げられます。

2.合計所得金額が2,400万円を超え、2,500万円以下の場合、基礎控除額は逓減されます。

3.合計所得金額が2,500万円を超えた場合、基礎控除額は0円(適用なし)となります。

詳細は下表のとおりです。

改正前後の基礎控除額

納税者本人の

合計所得金額

改正後の

基礎控除額

改正前の

基礎控除額

2,400万円以下 43万円

33万円

2,400万円超 2,450万円以下 29万円
2,450万円超 2,500万円以下 15万円
2,500万円超

      0円(適用なし)

 

4.所得金額調整控除の創設

 給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられたことにより、給与収入金額が850万円を超える場合、基礎控除額の引き上げを考慮しても、課税対象所得が増加することになります。

 そこで、同一世帯内に23才未満の扶養親族又は特別障害者である扶養親族を有する場合等において、この負担が増えることのないよう、所得金額調整控除が創設されました。

 また、給与収入及び公的年金等の収入の両方があり、給与所得金額と公的年金等に係る雑所得金額の合計額が10万円を超える場合も、同様にこの所得金額調整控除が適用されます。

 詳細は次のとおりです。

1 給与収入金額が850万円を超える場合の所得金額調整控除

控除適用条件

前年中の給与収入金額が850万円超えており、次のいずれかに該当する人

 ・本人が特別障害者に該当する。

 ・23才未満の扶養親族を有する。

 ・特別障害者である同一生計配偶者を有する。

 ・特別障害者である扶養親族を有する。

所得金額調整控除額

 (給与収入金額-850万円) × (かける)10% (1円未満の端数は切り上げ)

 ただし、給与収入金額が、1,000万円を超える場合には、1,000万として計算します。

計算例

 事例1 : 給与収入金額が900万円で、20才の扶養親族が1人いる場合(注意1)

   (注意1)その他の所得はないものとします。   

   令和2年度(現行)

   9,000,000円 ×(かける) 0.9 - 1,200,000円

    = 6,900,000円(給与所得金額) 

  令和3年度以降

   9,000,000円 -1,950,000円

   = 7,050,000円(所得金額調整控除の給与所得金額)

   給与収入金額が850万円を超えており、23未満の扶養親族を有することから、

   所得金額調整控除が適用されます。

    (9,000,000円-8,500,000円) × (かける) 10% 

     = 50,000円(所得金額調整控除額)

   よって、所得金額調整控除後の給与所得金額は次のとおりです。

    7,050,000円-50,000円

    = 7,000,000円(所得金額調整控除の給与所得金額)

 

  以上により、令和3年度以降の所得金額調整控除後の給与所得金額は、令和2年度(現行)よりも10万円増加していますが、基礎控除額も10万円増加するため、この事例の場合、税額に変更はありません。

 

 事例2 : 給与収入金額が1,200万円で、扶養親族がいない場合(注意1)(注意2)

  (注意1)その他の所得はないものとします。

    (注意2)本人は特別障害者でないものとして計算します。   

  令和2年度(現行)

   12,000,000円 - 2,200,000円

   = 9,800,000円(給与所得金額) 

  

  令和3年度以降

   12,000,000円 -1,950,000円

   = 10,050,000円(所得金額調整控除の給与所得金額)

   給与収入金額が850万円を超えていますが、扶養親族を有していない等により

   所得金額調整控除は適用されません。

   よって、所得金額調整控除後の給与所得金額は上記と同じ金額になります。  

  

   以上により、令和3年度以降の給与所得金額は、令和2年度(現行)よりも25万円

  増加します。基礎控除額も10万円増加するものの、給与所得金額の増加分のほうが

  大きいため、税額が変更となります。

 2 給与所得と公的年金等に係る雑所得の両方がある場合の給与所得調整控除

控除適用条件

 給与所得金額と公的年金等に係る雑所得金額の合計額が10万円を超える人 

所得金額調整控除額

 給与所得金額(注意1)+公的年金等に係る雑所得金額(注意1)-10万円

  注意1:10万円を超える場合は、10万円として計算します。

  上記所得金額調整控除額は、給与所得金額から控除されます。

計算例

 事例1 給与収入金額 135万円、公的年金等の収入金額 140万円の場合(注意1)  

  (注意1) 65才以上かつその他の所得はないものとして計算します。

   令和2年度(現行)

   それぞれの収入金額を所得金額に換算すると、次のようになります。        

    給与所得金額  70万円 

    公的年金等に係る雑所得金額 20万円      合計 90万円

  令和3年度以降

   それぞれの収入金額を所得金額に換算すると、次のようになります。

     給与所得金額 80万円 

     公的年金等に係る雑所得金額 30万円  合計 110万円

   給与所得金額及び公的年金等に係る雑所得金額がともに10万円を超えている

   ため、それぞれの所得金額を10万円として計算します。

     10万円 + (たす) 10万円 -(ひく) 10万円

     =10万円 (所得金額調整控除額)

   よって、各所得は次のようになります。

     給与所得金額(所得金額調整控除

     80万円-(ひく) 10万円 =70万円 

     公的年金等に係る雑所得金額 30万円     合計 100万円 

  

  以上により、令和3年度以降の所得金額調整控除後の給与所得金額及び公的年金等  に係る雑所得の合計額は、令和2年度(現行)よりも10万円増加していますが、基礎控除  額も10万円増加するため、この事例の場合、税額に変更はありません。

 

 事例2 給与収入金額 60万円、公的年金等の収入金額 140万円の場合(注意1)  

   (注意1)  65才以上かつその他の所得はないものとして計算します。  

 

 令和2年度(現行)

   それぞれの収入金額を所得金額に換算すると、次のようになります。        

    給与所得金額  0万円 

    公的年金等に係る雑所得金額 20万円      合計 20万円

  

 令和3年度以降

   それぞれの収入金額を所得金額に換算すると、次のようになります。

     給与所得金額 5万円 

     公的年金等に係る雑所得金額 30万円  合計 35万円

   公的年金等に係る雑所得金額が10万円を超えているため、同所得金額を

   10万円として計算します。

     5万円 + (たす) 10万円 -(ひく) 10万円

     =5万円 (所得金額調整控除額)

   よって、各所得は次のようになります。

     給与所得金額(所得金額調整控除

     5万円-(ひく) 5万円 =0円 

     公的年金等に係る雑所得金額 30万円     合計 30万円 

  

  以上により、令和3年度以降の所得金額調整控除後の給与所得金額及び公的年金等に係る雑所得の合計額は、令和2年度(現行)よりも10万円増加していますが、基礎控除額も10万円増加するため、この事例の場合も、税額に変更はありません。

注意点

・所得金額調整控除金額を給与所得金額から控除するため、公的年金等に係る雑所得金額は前々年中と比べ、増加します。それに伴い、前年中の給与収入金額及び公的年金等の収入金額がそれぞれ前々年中と同額であっても、公的年金等から特別徴収される税額が令和2年度より増加する場合があります。ただし、その分、給与収入金額分の税額は減少となるため、年税額自体は変更ありません。

5.ひとり親控除の創設及び寡婦(夫)控除の改正

ひとり親家庭に対して公平な税制支援を行う観点から、未婚の人でも適用可能なひとり親控除が創設されました。

また、寡婦(寡夫)控除の改正により、従来の寡婦(夫)控除は、ひとり親に該当しない寡婦控除に改組されました。

詳細は次のとおりです。

 ひとり親控除

 適用条件

婚姻歴や性別に関わらず、現に婚姻をしていない人又は配偶者の生死が明らかでない人で、次の条件すべてに該当する人。

 1.本人と生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有すること。

 2.前年中の合計所得金額が500万円以下であること。

 3.事実上婚姻関係でないこと。

  控除額

 30万円

 (その年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除されます。)

 寡婦控除

 適用条件

上記のひとり親に該当しない人で、次の条件(アまたはイ)に該当する人。

ア 夫と離婚した後、婚姻をしていない人のうち、次の条件をすべて満たす人

  1.扶養親族を有すること。

  2.前年中の合計所得金額が500万円以下であること。

  3.事実婚状態でないこと。

イ 夫と死別後婚姻をしていない人又は夫の生死の明らかでない人のうち、次の条件を

   すべて満たす人

  1.前年中の合計所得金額が500万円以下であること。

  2.事実婚状態でないこと。

控除額

26万円

(その年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額から控除されます。)

 

 改正前後の控除額一覧表

本人が女性の場合
令和2年度(現行)
配偶関係 死別(注1) 死別(注1) 離別 離別
本人の合計所得金額

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

500万円超
扶養親族(子)
を有する
30万円 26万円 30万円 26万円
扶養親族(子以外)
を有する
26万円 26万円 26万円 26万円
扶養親族なし 26万円 適用なし 適用なし 適用なし

 

令和3年度以降
配偶関係 死別(注1) 死別(注1) 離別 離別 未婚
本人の合計所得金額

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

同一生計の子
を有する
30万円 適用なし 30万円 適用なし 30万円
扶養親族(子以外)
を有する
26万円 適用なし 26万円 適用なし 適用なし
扶養親族なし 26万円 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし
本人が男性の場合

 

令和2年度(現行)
配偶関係 死別(注1) 死別(注1) 離別 離別
本人の合計所得金額

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

500万円超
扶養親族(子)
を有する
26万円 適用なし 26万円 適用なし
扶養親族(子以外)
を有する
適用なし 適用なし 適用なし 適用なし
扶養親族なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし

 

令和3年度以降
配偶関係 死別(注1) 死別(注1)

離別

離別

未婚

本人の合計所得金額

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

500万円超

500万円

以下

同一生計の子
を有する
30万円 適用なし 30万円 適用なし 30万円
扶養親族(子以外)
を有する
適用なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし
扶養親族なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし 適用なし

(注1) 配偶者が生死不明な場合も含みます。

 ひとり親控除及び寡婦控除 適用確認フローチャート図

ひとり親及び寡婦控除適用確認 フローチャート図(PDFファイル:371.9KB)

6.扶養控除等の扶養親族等の合計所得金額等要件の改正

給与所得控除等の改正に合わせて、扶養控除等の扶養親族等の合計所得金額等の要件が10万円引き上げられます。

詳細は下表のとおりです。

各種控除等の合計所得金額要件一覧(表1)
対象 改正前 改正後

同一生計配偶者及び扶養親族

38万円以下 48万円以下

源泉控除対象配偶者

38万円以下 48万円以下

  勤労学生

65万円以下

75万円以下

配偶者特別控除の合計所得金額要件一覧(表2)
対象 改正前 改正後

配偶者特別控除

38万円超

123万円以下

48万円超

133万円以下

 上記範囲内の各区分の控除額も10万円引上げられます。詳細は次の表のとおりです。

配偶者特別控除額一覧表(PDFファイル:36.7KB)

 各控除適用についての注意点

 扶養親族等が給与所得以外の所得がある場合、改正前と改正後で、その扶養親族等の合計所得金額要件の判定が変わる場合がありますので、ご注意ください。

 なお、扶養親族等の所得が給与所得のみで、改正前と改正後の給与収入金額が同額である場合は、原則扶養控除適用可否の判定は変わりません。

 

 事例1 扶養親族の所得が給与所得のみである場合 注意1

 注意1 被扶養者の給与収入金額を100万円とします。

 令和2年度(現行)

    100万円(給与収入金額) - 65万円(給与所得控除額) 

   =35万円 (給与所得金額)

    →扶養親族等の合計所得金額要件(合計所得金額38万円以下)を満たします。

 令和3年度以降

   100万円(給与収入金額) - 55万円(給与所得控除額) 

   =45万円 (給与所得金額)

    →扶養親族等の合計所得金額要件(合計所得金額48万円以下)を満たします。

  

  以上により、この事例については、給与収入金額が同じであれば、令和2年度同様に

  扶養親族等の合計所得金額要件を満たすため、扶養者が扶養控除を適用することが

  可能です。

 事例2 扶養親族に給与所得以外の所得がある場合 注意2

 注意2 被扶養者は事業所得のみを有し、事業所得金額を45万円とします。

 令和2年度(現行)

    100万円(事業収入金額) - 55万円(必要経費) 

   =45万円 (事業所得金額)

    →扶養親族等の合計所得金額要件(合計所得金額38万円以下)を満たしません。

 令和3年度以降

    100万円(事業収入金額) - 55万円(必要経費) 

   =45万円 (事業所得金額)

    →扶養親族等の合計所得金額要件(合計所得金額48万円以下)を満たします。

   

   以上により、この事例については、事業所得金額が同じであっても、令和2年度とは

   異なり、令和3年度では扶養親族等の合計所得金額要件を満すことになります。

   よって、令和3年度は、扶養者が扶養控除を適用することが可能です。

 

7.非課税限度額及び非課税対象範囲の改正

 給与所得控除等の改正に伴い、個人住民税の均等割及び所得割の非課税限度額が、次のとおりそれぞれ10 万円引き上げられます。

 また、ひとり親控除の創設等に伴い、一定の合計所得金額以下であれば、ひとり親の人にも、人的非課税措置が適用されることとなりました。 詳細は次のとおりです。

 個人住民税 均等割 非課税限度額 

  同一生計配偶者及び扶養親族を有しない場合

 令和2年度(現行)

  合計所得金額 32万円

 令和3年度以降

  合計所得金額 32万円 + (たす) 10万円

 同一生計配偶者及び扶養親族を有する場合

 同一生計配偶者及び扶養親族の人数に1人を加えた人数をN人として、次のとおり計算します。 

 令和2年度(現行)

  合計所得金額    32万円×(かける) N 人+ (たす) 19万円 

 令和3年度以降

  合計所得金額    32万円×(かける) N 人 +  (たす) 10万円+ (たす)19万円

 

 個人住民税 所得割 非課税限度額

 同一生計配偶者及び扶養親族を有しない場合

 令和2年度(現行)

  総所得金額等 35万円

 令和3年度以降

  総所得金額等 35万円 + (たす) 10万円

 同一生計配偶者及び扶養親族を有する場合

 同一生計配偶者及び扶養親族の人数に1人を加えた人数をN人として、次のとおり

計算します。 

 令和2年度(現行)

  総所得金額等 35万円 × (かける) N 人 + (たす) 32万円

 令和3年度以降

  総所得金額等 35万円 × (かける) N 人+  (たす)10万円 + (たす)32万円

 計算例

 事例  前年中の給与収入金額が150万円であった場合注意1

注意1 前年中は給与収入のみ、かつ損失繰越等がなしで、同一生計配偶者及び扶養親族者の合計人数が1人であり、かつ、本人

     が障害者、寡婦又はひとり親、未成年者に該当しないものとして計算します。

 令和2年度(現行)

  給与収入金額が150万円のため、給与所得金額は85万円です。

  他に収入がないので、合計所得金額及び総所得金額等も85万円です。

  個人住民税の均等割及び所得割の非課税限度額は次のとおりです。  

 均等割の非課税限度額  

   合計所得金額 32万円×(かける)2 (注2) +(たす)19万円=(イコール)83万円

   よって、合計所得金額85万円のほうが非課税限度額83万円よりも多いため、

   均等割は課税されます。

  所得割の非課税限度額 

   総所得金額等 35万円×(かける)2 (注2) +(たす)32万円=(イコール)102万円

   よって、総所得金額等85万円が非課税限度額102万円を下回っているため、

   所得割は課税されません。

  注2 同一生計配偶者及び扶養親族の合計人数が1人のため、上記非課税限度額

      の計算式におけるN人は、その1人に1人を加えた2人になります。 

 令和3年度以降

  給与収入金額が150万円のため、給与所得金額は95万円です。

  他に収入がないので、合計所得金額及び総所得金額等も95万円です。

  個人住民税の均等割及び所得割の非課税限度額は次のとおりです。  

 均等割の非課税限度額  

   合計所得金額 32万円×(かける)2 (注2)+  (たす)10万円 +(たす)19万円

                         =(イコール)93万円

   よって、合計所得金額95万円のほうが非課税限度額93万円よりも多いため、

   均等割は課税されます。

  所得割の非課税限度額 

   総所得金額等 35万円×(かける)2 (注2) +  (たす)10万円+(たす)32万円

                        =(イコール)112万円

   よって、総所得金額等95万円が非課税限度額112万円を下回っているため、

   所得割は課税されません。    

  注2 同一生計配偶者及び扶養親族の合計人数が1人のため、上記非課税限度額

               の計算式におけるN人は、その1人に1人を加えた2人になります。  

 

 個人住民税の非課税範囲

 全てのひとり親家庭に対して公平な税制を実現する観点から、前年の合計所得金額が135万円以下のひとり親についても、個人住民税を非課税とします。

 そのことにより、個人住民税が非課税となる対象が下表のとおり改正されます。

改正前後の非課税対象者
改正前 改正後

障害者、未成年者、寡婦又は寡夫で

前年の合計所得金額が125万円以下の人

障害者、未成年者、寡婦又はひとり親

前年の合計所得金額が135万円以下の人

 

 

8.調整控除の改正

 前年の合計所得金額が2,500万円を超える場合は、調整控除額が0円(適用なし)になります。

 また、基礎控除及び寡婦控除等の改正に伴い、人的控除の控除額と所得税の控除額との差額は、下表のとおり変更になります。

 

人的控除額の差額一覧表

控除の種類

納税者本人の

合計所得金額

差額
基礎控除 注意1

5万円
障害者控除(普通) 1万円
障害者控除(特別) 10万円
障害者控除(同居特別) 22万円
寡婦控除 1万円
ひとり親控除(父)注意1 1万円
ひとり親控除(母) 5万円
勤労学生控除 1万円
扶養控除(一般) 5万円
扶養控除(特定) 18万円
扶養控除(老人) 10万円
扶養控除(同居老人) 13万円
配偶者控除(一般) 900万円以下 5万円
配偶者控除(一般) 900万円超950万円以下 4万円
配偶者控除(一般) 950万円超1,000万円以下 2万円
配偶者控除(老人) 900万円以下 10万円
配偶者控除(老人) 900万円超950万円以下 6万円
配偶者控除(老人) 950万円超1,000万円以下 3万円

配偶者特別控除

 

配偶者の合計所得金額

48万円超50万円未満

 

900万円以下 5万円
900万円超950万円以下 4万円
950万円超1,000万円以下 2万円

配偶者特別控除

 

配偶者の合計所得金額

50万円以上55万円未満注意1注意2

 

900万円以下 3万円
900万円超950万円以下 2万円
950万円超1,000万円以下 1万円

注意1 住民税と所得税の控除の実際の差額とは一致しません。

注意2 配偶者の合計所得金額 55万円以上の配偶者特別控除については、人的控除の差額はなしとして計算します。

9.新型コロナウィルス感染症等に係る寄附金税額控除の特例

 新型コロナウィルス感染症の影響により、中止等がなされた指定行事(注1)の入場料金等の払戻請求権の全部又は一部を放棄した場合で、その行事が次の要件に該当する指定行事で、かつ神奈川県及び寒川町の条例で指定されたときは、その払戻請求権相当分は、個人住民税の寄附金税額控除(注2)の対象となります。

 注1)指定行事・・・主催者が文化庁・スポーツ庁に申請し、新型コロナウィルス感染症特例法に基づき、文部科学大臣から指定を受けた行事のことをいいます。指定された行事については、下記文化庁及びスポーツ庁のホームページに公開されています。  

 注2)寄附金税額控除・・・地方税法第37条の2第1項第3号に規定された寄附金税額控除。公益社団法人、公益財団法人、特定非営利活動等に関する寄附金のうち、住民の福祉の増進に寄与する寄附金として、神奈川県の条例で定めるもの。

  文化庁ホームページ(外部サイトへリンク)

  スポーツ庁ホームページ(外部サイトへリンク) 

  神奈川県ホームページ(外部サイトへリンク)  

 要件

 1.文化芸術又はスポーツに関するものであること。

 2.令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催された又は開催する予定であったものであること。

 3.不特定多数の者を対象とするものであること。

 4.日本国内で開催された又は開催する予定であったものであること。

 5.新型コロナウィルス感染症又はその蔓延防止のための措置の影響により、現に中止・延期・規模縮小されたものであること。

 6.5の場合に払戻しがされた又はされる予定であること。

 控除額

 次の計算式にて算出された金額が、個人住民税の税額から税額控除されます。

  なお、上記払戻請求権以外の寄附金もある場合は、それらも含めて計算します。

 

   前年中に支出した寄附金の合計額(上記払戻請求権相当分含む)から2,000円を控除

  した金額に10%(注1)を乗じた金額 (ただし、総所得金額等の30%を上限とする。

  (注1)・・・県民税分が4%、町民税分が6%

 その他注意点

・控除対象となるチケット料金等は最大20万円となります。

 なお、他の寄附金税額控除の対象額も合わせて、総所得金額等の30%が上限となります。

・寄附金税額控除を適用する場合は、所得税の確定申告又は個人住民税の申告をしていただく必要があります。

 また、申告の際には次の書類が必要になります。

  ・指定行事認定証明書の写し(指定行事に該当することを証する書類)

  ・払戻請求権放棄証明書(放棄した入場料金等の払戻請求権の価額等を証する書類)

 所得税の確定申告の手続き等については、下記国税庁ホームページまたは藤沢税務署にお問合せください。

   国税庁ホームページ(外部サイトへリンク)

   藤沢税務署(外部サイトへリンク)  

10.住宅借入金等特別控除の適用要件の弾力化

 平成31年度税制改正により、消費税率10%が適用された住宅等を令和2年12月31日までに取得等をした場合には、控除期間を10年間から13年間に延長する特例措置が設けられていましたが、新型コロナウィルス感染症の影響による住宅建設の遅延等への対応として次のとおり住宅借入金等特別控除の適用要件が弾力化されます。

  内容

  住宅借入金等特別控除期間が13年間に延長される特例措置について、入居期限(令和2年12月31日)を過ぎた場合でも、次の適用条件を満たしている場合は、同特例措置の対象となります。

   適用条件

 1.一定の期日までに契約が行われていること。

  具体的な期日は次のとおりです。

   ・注文住宅を新築する場合:令和2年9月末

   ・分譲住宅・既存住宅を取得する場合:令和2年11月末

 2.新型コロナウィルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、注文住宅分譲住宅及び既存住宅への入居が遅れたこと。

注意)増改築等工事による住宅借入金等特別控除は、従来どおり個人住民税での税額控除の適用はありません。

 適用方法

 上記適用条件に該当する人で、住宅借入金等特別控除を適用する場合は、通常の住宅借入金等特別控除の書類に加え、入居が遅れたことを証明する証明書(「入居時期に関する申告書兼証明書」)を添付した所得税の確定申告書の提出が必要になります。

 詳しくは、下記国土交通省ホームページ及び国税庁ホームページにてご確認ください。

 なお、給与所得者(サラリーマン)で所得税の確定申告書が不要の人は、2年目以降は、年末調整で住宅借入金等特別控除を適用することができます。   

 国土交通省ホームページ 住宅借入金等特別控除 (外部サイトへリンク)

 国税庁ホームページ 住宅借入金等特別控除 (外部サイトへリンク)

11.家内労働者等の必要経費算入の最低保障額の改正

家内労働者等の事業所得等の所得計算について、必要経費に算入する金額の最低保障額が次のとおり10万円引き下げられます。

改正前後の最低保障額
改正前 改正後
65万円 55万円

 

この記事に関するお問い合わせ先

税務収納課町民税担当
住所:253-0196
神奈川県高座郡寒川町宮山165番地
電話:0467-74-1111(内線:421、422、423)
ファクス:0467-74-1385
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