木村町長所信表明(令和5年寒川町議会第1回定例会より)

更新日:2023年09月27日

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令和5年寒川町議会第1回定例会9月会議の再開にあたりまして、議長からお許しをいただきましたので、私の町政に対する所信の一端を申し述べ、今後の町政運営に向け、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

また、この度の町議会議員補欠選挙においてご当選なされました新村()()()議員、誠におめでとうございます。

私も町長選挙に4期目の立候補をさせていただき、多くの町民の皆様からご支援を賜ることができ、引き続き町政をお預かりさせていただくこととなりました。誠に身に余る光栄であるとともに、課せられた使命と責任の重大さを痛感し、改めて身の引き締まる思いでございます。

これまで3期12年間の取り組みで「共に活動できるまちづくり」の基盤固めができました。4期目は、いよいよ未来に向けての新たな取り組みを進めていくことに全力を傾注する覚悟でございます。何卒、温かいご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

さて、現在の国内経済情勢は、本年8月の内閣府の月例経済報告によりますと、「景気は、緩やかに回復している。」としており、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されております。

しかしながら、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、予断を許さない状況でございます。

このような状況の中、私の4期目の町政運営の基本的な考え方といたしまして、引き続き「着眼大局、着手小局」の考え方のもと「選択と集中」の観点から限りある行政資源を効率的かつ効果的に活用するとともに、町自治基本条例の本旨である協働のまちづくりを主体とし、皆様のご指導・ご協力を賜りながらまちづくりを進めてまいる所存でございます。

令和3年4月から寒川町総合計画2040がスタートし、まちの将来像を「つながる力で 新化するまち」と位置付け、その実現に向け、第1次実施計画に沿って施策を推進してきたところでございますが、令和7年度から4年間を計画期間とする第2次実施計画のスタートも控えております。

これまで、コロナ禍といった特殊環境下での第1次実施計画期間においては、町民皆様の生命・財産・暮らしを守るため、町民皆様の生活実態に即したきめ細やかな緊急対策を講じるとともに、本計画における6つの基本目標と12の政策に位置付けた子育て・子育ち・教育の推進や安全・安心の充実、産業基盤の整備など、様々な政策を推進してまいりました。

今後とも、こうした取り組みを推進しつつ、第2次実施計画のスタートに合わせ、町の健全財政を前提とした未来への投資として、町の将来都市構造に定めた3つの拠点のうち最後の拠点である新幹線新駅誘致地区周辺の都市未来拠点の実現に向け、地権者様をはじめ関係者・関係団体の皆様と協議を重ねながら積極的な取り組みを進めてまいります。

また、人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって活力ある社会を維持することを目的とした、寒川町まち・ひと・しごと創生総合戦略を重点施策に掲げてまいりましたが、その結果として、私が町長に就任した平成23年当時約47,500人であった人口が、直近では約48,600人となりました。これは町人口ビジョンの計画上の目標人口を上回る状況であります。こうした状況は、平成30年以降に人口減少局面に転じると推計しておりましたが、現在も増加傾向を示していることから本戦略における一定の成果として捉えております。

町といたしましては、さらなる生産年齢人口を確保すべく、本戦略に掲げる「雇用機会の確保と産業の創出」、「若い世代の子育て環境の整備」、「まちの魅力と認知度の向上」といった3つの目指すべき将来の方向に基づく取り組みを通じて移住・定住の促進を図ることで、町民の「こころ豊かな暮らし」の実現を図ってまいります。

 

それでは、私の主要施策の概要を中心に申し述べさせていただきます。

まず1つ目は4期目に臨むにあたり最重要課題と位置付けた「未来に向けたまちづくりへの施策」でございます。

寒川駅周辺の生活中心拠点である寒川駅北口地区土地区画整理事業も完了し、寒川南インターチェンジ周辺の産業集積拠点も動き出しを見せ、いよいよ新幹線新駅誘致地区周辺の都市未来拠点と寒川神社周辺のにぎわい交流創出ゾーンの実現を残すところとなりました。

具体的な方向性といたしましては、将来的に東海道新幹線の新駅設置を目指している倉見地区は、神奈川県の総合計画「かながわグランドデザイン」や「かながわ都市マスタープラン」で神奈川の南のゲートとして位置付けられ、町といたしましても、平塚市大神地区と一体的なまちづくりを行う「ツインシティ」の実現に向けて取り組んでいるところでございます。さらには、さがみ縦貫道路の寒川北インターチェンジ周辺のポテンシャルも生かした広域交流拠点としての利便性・防災性の高い公益空間の創出、広域交通結節点としての公共交通網の強化などに取り組むことで、地域住民の憩いの場・賑わいの場として新駅を中心とした緑あふれる未来都市の創出を図ります。また、いずみ野線延伸を想定した近隣住民への商業・サービスの機能集積により、にぎわいを創出してまいります。

にぎわい交流創出ゾーンにつきましては、寒川神社前の田畑等を活用し、多くの参拝者が足を止める門前町として、民間の力を取り入れた整備を進めるとともに、さむかわ中央公園周辺に集積する寒川総合体育館をはじめ公共施設の再編も含めた一体的整備を通じて、町の中心地において、にぎわいと交流を生み出す新たな魅力創造を図ります。

 

次に、主要施策の大きな2つ目としまして、「より充実したまちづくりへの施策」でございます。

まず、子育て支援の取り組みでございます。

「子どもに優しい社会は、全ての人に優しい社会」との思いから、「湘南地域で最も子育てがしやすいまち」を標榜し、国のこども家庭庁と連携した取り組みのほか、待機児童の解消を図るなど、様々な保育ニーズに対応することで、子育て世代が安心して子どもを産み育てやすい環境づくりを進めてまいります。

 

次に、教育に関する取り組みでございます。

資源の少ない我が国において、教育こそが国の礎であり、我が国の未来を支える子ども達の育成は、今を生きる大人達の責務であります。

こうした考えのもと、ICT技術の進展や、一層加速するグローバル社会の中でも活躍できる子ども達の育成に向け、町内の全小・中学校に外国人英語指導者を常駐配置したグローバル教育を推進するなど、県内でも先進的な取り組みを進めてまいりました。

また、本年9月より寒川学校給食センターによる小・中学校の完全給食が始まり、子ども達の健全育成に対して食育といった観点からも大きな一歩を踏み出すことができたところであります。

今後とも、教職員の多忙化解消と資質向上に努めつつ、子ども達の確かな学力を身につけるための環境づくりや食育を通じた健全育成に取り組むほか、地域全体で将来を担う子ども達の生きる力を育んでまいります。

 

次に、高齢者対策でございます。

高齢者の皆様は、これまで社会を支えてきた方々であり、今後とも協働のまちづくりを進めるうえで、これまで培ってきた知識や経験を地域活動に還元していただきたいと思っております。これからも地域に積極的に参画し、生き生きと活躍できるよう、高齢者皆様のニーズに即した各事業を実施してまいります。

また、近年、高齢者による交通事故等の報道も数多く、その影響から運転免許を自主返納される方もいらっしゃいます。交通事故等を未然に防ぐという観点からは、適切な行動だと思いますが、一方で、日々の生活を送る中で移動の手段を失い、不便な思いをされていらっしゃることも事実でございます。

こうしたことを踏まえ、高齢者等がこの町で暮らし、また、地域に積極的に参画できるよう、適切な移動支援・交通対策を講じてまいります。

 

次に、産業活性化に対する取り組みでございます。

寒川南インターチェンジ周辺の産業集積拠点の整備が進んでおり、地域経済を活性化する産業創出や雇用機会の拡大が見込まれます。今後も、町の財政基盤を支える産業強化を図るとともに、地域経済を活性化するため、町商工会等各種関係団体と連携しながら、町民生活に密着した地域産業を支える仕組みを構築し、にぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。

 

他にも、安全・安心、健康づくり対策、環境・ごみ処理対策、都市基盤・拠点整備、協働・自治会及び行財政改革等々、取り組むべき課題が山積しております。また、公共施設の更新問題は、町民生活に大きな影響を及ぼすことから、町民皆様のご理解のもと、町の財政推計を踏まえた公共施設等総合管理計画に基づく施設再編等を進める必要がございます。

こうした中、町民皆様が真に必要とする行政サービスの充実を図るため、山積する課題に対して、広域的な対応も視野に入れつつ、一つひとつ丁寧に取り組み、町民皆様の満足度向上を図ることで、笑顔あふれるまちとなるよう、全力で取り組んでまいります。

 

以上が、4期目の町政を担当させていただくにあたっての、私の主要施策の概要でございます。

 

 冒頭にも申し上げましたが、3期12年にわたり町政を預からせていただき、地域の皆様と手と手を取り合い、「ふれあい」を通じて「共に活動できるまちづくり」の基礎固めができたと感じております。

人口減少や少子高齢化の進行により、地域社会を取り巻く環境や様々な将来的リスクを想定しつつも、いよいよ未来に向けた新たな取り組みが始まります。

寒川をより良くし、寒川に関わるすべての人を幸せにしたいという想いで、この4期目につきましても、町民皆様一人ひとりの個性を結び、地域と地域をつなぎ、さらに絆を深めていくことで、いつまでも住みたい町、住んでよかった町をめざし、町民皆様とともに未来に向けて歩んでまいりたいと切に願うものでございます。

今後とも、議員皆様ならびに町民皆様に格別のご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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