令和4年度 施政方針

更新日:2022年02月28日

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 本日、令和4年寒川町議会第1回定例会3月会議再開にあたり、令和4年度予算案をはじめ関係諸議案を提出し、審議をお願いするわけでございますが、予算案等の提案に先立ちまして、私の町政に対する基本的な考え方や施策の概要について申し述べ、議員各位ならびに町民皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

(はじめに)

 新型コロナウイルス感染症との闘いは、新たな変異株の出現による感染拡大など、依然として予断を許さない状況が続いておりますが、「町民の暮らしにおける安全・安心の確保」と「地域経済の回復」に全力で取り組んでいるところであります。

 さて、本年1月の内閣府月例経済報告では、「景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中で、このところ持ち直しの動きがみられる。」とされ、「先行きについては、感染対策に万全を期し、経済社会活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待される。ただし、感染症による影響や供給面での制約、原材料価格の動向による下振れリスクに十分注意する必要がある。また、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」とされております。

 こうした社会情勢の中、町財政状況についても消費活動等の落ち込みが想定よりも小さく、景気回復の傾向がみられるものの楽観視できる状況ではなく、国や県の動向を注視しながら、「着眼大局、着手小局」の考えのもと「選択と集中」の観点から町民生活に直結する重要な事業については積極的かつ効果的に進めるとともに、持続可能なまちづくりに取り組んでまいります。

(町政に対する基本的な考え方)

 それでは、町政に対する基本的な考え方について申し上げます。

 私は、これまで先人たちがいにしえから受け継いできた「穏やかさ」「やさしさ」「あたたかさ」や、そこから派生する人々の「心のつながり」こそが寒川町の特長であり、将来にわたって受け継いでいくべき大切なものであり、刻々と変化する社会・経済・環境と人々の価値観に対し、町民のこころ豊かな暮らしを実現していくため、従来のやり方や考え方の延長線での対応や得意分野をさらに磨くだけでなく、常に一歩先んじた一手を打ち、新たな視点をもって寒川町の未来を切り開いていくと申し述べてまいりました。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止対策については、数多くの対応をしてまいりました。

 特に昨年5月から始まったワクチン接種は、町民皆様の関心も高く、全庁的な取り組みとして進めてまいりました。町民皆様のご理解をいただきながら希望する方の2回の接種はおおむね終了したものと認識しております。

 そうした中、当初は予想もしていなかった追加接種、3回目接種も始まっており、これまで対象外だった5歳から11歳までの方々へのワクチン接種に向けての準備を進めているところでございます。

 オミクロン株による感染拡大が「第6波」として日本中を不安にし、決定的な予防策や治療薬がない中、ワクチンの追加接種は重症化予防、感染拡大の防止に期待ができるため、これまで同様、町民皆様の関心、期待が非常に高いものと認識しておりますので、これまでの経験を活かしつつ、確実に、安全に実施してまいります。

 さらに、新型コロナウイルス感染症が長期化しその影響が様々な人々に及ぶ中、国の18歳以下の子どもへの臨時特別給付金に関連して、国の制度上では対象外である児童手当の所得制限以上の世帯及びそれに準ずる世帯の子どもに対しましても、町独自の給付金として、対象となる子ども1人につき10万円を支給してまいります。なお、本年4月1日に生まれる新生児につきましても対象としてまいります。

 また、住民税非課税世帯等に対し、生活・暮らしの支援を目的として、1世帯につき10万円を支給する臨時特別給付金については、本年1月以降、多くの非課税世帯へ支給を行っておりますが、家計急変世帯からの申請による給付とともに、引き続き対象世帯へ支給してまいります。

 公共施設等の老朽化・更新財源問題については、令和2年度に策定いたしました寒川町公共施設再編計画に基づき、昨年度より対策の実行に着手しております。本年度についても、寒川総合体育館の設備・機器類の更新をはじめとするハード面への対策を進めてまいります。

 また、寒川町立小・中学校適正化等検討委員会での検討結果等を踏まえながら、学校が小規模化することに伴い発生する様々な課題の解消と本町がめざす教育の実現に向けた基本的な方針を策定するとともに、令和5年6月末を目途に策定予定の学校適正化等に関する計画づくりに取り組んでまいります。

 こうした状況の中、昨年度策定いたしました寒川町総合計画2040については、迅速な課題把握と的確な対応を担保した新たな評価サイクル「事中評価」を導入し、庁内統一的な業務マネジメントツールを確立し、将来的な少子高齢化・人口減少の進行と複雑・多様化する住民ニーズ、さらには新型コロナウイルス感染症による社会変容という諸課題に対応しつつ、町民のこころ豊かな暮らしを実現してまいります。

 まち・ひと・しごと創生総合戦略については、少子高齢化・人口減少への対応が課題であることから、安定した仕事の創出をはじめ、町の認知度向上や移住・定住の促進、子育て支援や教育環境の充実、安全・安心なまちづくりと若者の町政への参画促進を基本目標とし、それぞれの取り組みを進めてまいります。

 こうした取り組みを進めるためにも、地域主体・町民協働によるまちづくりを町政運営の基本とし、町民皆様と対話を重ね、まちの将来像である「つながる力で 新化するまち」をめざしてまいります。

(主な事業)

 それでは、本年度に実施する事業につきまして、総合計画の6つの基本目標から構成される実施計画の体系に沿って、新規事業を中心に順次ご説明申し上げます。

 

 はじめに、1つ目の基本目標といたしまして「まちづくりの原動力となるひとづくり」でございます。

<子育て支援の充実>

 「ひとづくり」の基本は、次代を担う子どもたちが健やかに成長できることでございます。

 そのためには、これまでにも増して、子育て支援の充実に力を注いでいくことはもちろん、子育てする方のこころに寄り添った支援の展開が重要でございます。

 子どもを産み育てることに対する敬意と感謝の気持ちを込めてお贈りしている「出産お祝いパッケージ」は、大変好評をいただいており、本年度も引き続き実施してまいります。

 保育環境の充実については、令和2年度から国や町の補助を受けて施設整備が進んでおりました「寒川さくら幼稚園」が、本年4月から新たに認定こども園として開園予定でございます。

 その他に、令和5年度を目途に新たな小規模保育事業所開設のご相談もございます。

 待機児童解消を実現し、共働き家庭を支援する意味からも、こうした幼児教育・保育施設の環境整備に対する補助を継続し、児童クラブについては、児童を受け入れることができる場を提供してまいります。

 また、子どもの貧困対策のひとつとして、国の地域子供の未来応援交付金を活用しながら、子ども食堂など子どもの居場所づくりを行う事業への補助制度を創設し、地域のつながる力を支援することにより、貧困と思われる状況にある子どもを行政等の必要な支援につなげるための取り組みを進めてまいります。

 

<子どもの育ち・発達の支援>

 子どもの育ち・発達の支援については、新生児聴覚検査の受診機会を増やし利用者の利便性向上を図るため、令和5年度に検査を受ける新生児から対応できるよう、本年度において検査費用補助の仕組みについて見直しを図ってまいります。

 また、近年、双子以上の妊娠、いわゆる多胎に対する支援が求められている状況を踏まえ、妊婦健康診査事業及び産後ケア事業において、多胎に対する支援の充実を図ってまいります。

 

<学校教育の推進>

 本町が活力と豊かさに満ち、持続可能なまちづくりを進めていくためには、次代を担う子どもたちの健やかな成長が大変重要です。

 昨年度は、教育元年と位置付けて町の教育振興を進めてまいりました。県内で初めてFLT、外国人英語指導者を全校常駐配置とし、FLTと外国語を使用する機会及び生活体験の創出を図ることを進めてまいりましたが、授業だけでなく日常生活の中でもFLTと英語で会話する機会が増え、英語を活用する場面を創出することができました。子どもたちにとって、FLTと学校生活を共にすることにより、多文化共生社会の担い手として、異文化理解にもつながっていると実感しているところでございます。

 併せて、各小中学校の外国語教育担当者による研究会を通じて、FLTを1校に集中的に派遣する取り組みや、小中学校間の円滑な接続をねらいとした授業交流など、先進的な外国語教育の取り組みにも挑戦しており、今後もそうした実践を各校に広げてまいります。

 さらに、学校教育外においても、「さむかわイングリッシュ・キャンプ」による英語講座や、体験型英語教育施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY(トーキョー・グローバル・ゲートウェイ)公募バスツアー」を企画し、町民皆様から好評を得たところでございます。

 また、GIGAスクール構想の推進により1人1台端末の活用が本格的に始まりました。昨年度は、町内小・中学校では、学習場面において端末を活用する機会が大幅に増え、小・中学校ともに、導入当初と比較してICT機器の活用頻度が増しました。

 本年度はこれらの取り組みについて更なる改善を図りながら、外国語によるコミュニケーション能力及び情報活用能力の育成を通じて、これからのグローバル時代に活躍する子どもたちを育む特色ある教育の振興を進めてまいります。

 加えて、全ての教職員で全ての児童生徒を見守りながらきめ細かい指導を実現し、教員の指導力を向上させて個別最適化した授業の実現をめざし、各学校に校務支援システムを導入してまいります。校務支援システムの導入により、教職員は様々な情報を様々な方法で発信・受信・共有できるようになり、情報共有と情報発信を効果的にできる教育環境を整備することによって教育の質的な向上を図ってまいります。教職員の業務効率化はもちろんのこと、そこから生み出される時間を有効的に活用し、教職員が子どもたちと向き合う時間を増やすとともに、授業研究や教材研究に努め、授業改善に伴う学力向上につなげてまいります。

 学校給食については、小・中学校あわせた完全給食の実施を目的に、平成29年度より取り組んでいる、県企業庁の地域振興施設等整備事業を活用した学校給食センターの整備も工事が順調に進んでおり、本年度末には竣工する予定でおります。

 寒川の子ども達に、安全・安心でおいしい給食を届けるため手がけた本事業も、令和5年の2学期の配食開始に向け、あと一歩のところまで至っております。

 センター給食で掲げている目標はいくつかございますが、給食の安全・安心の取り組みだけでなく、地産地消の取り組みについても推進を図ってまいります。現在、地元の農産品生産者にご協力をいただく準備を進めており、「地場野菜」をふんだんに使った給食についても順次導入してまいります。

 

<スポーツ・レクリエーション活動の推進>

 昨年度は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、本町にゆかりのある選手が、近年若者の間で注目を浴び、本町におけるスポーツの新たな魅力として力を注いでいるストリートスポーツ競技から出場したことは記憶に新しいところであり、身近な場所から、スポーツ選手憧れの舞台において活躍する選手の姿は、町民皆様に夢や希望を与え、町におけるスポーツの機運を一層高める機会となりました。

 寒川町スポーツ推進計画の基本理念に基づき、「スポーツでつくる元気な『ひと』、元気な『まち』の実現」に向けて、スポーツを通じた交流の創出や地域の活性化を図ってまいります。また、昨年度には、町営プールがリニューアルオープンし、本年度は、川とのふれあい公園サッカー場の天然芝による整備が始まり、より質の高いスポーツ環境を協力団体とともに提供してまいります。さらに本年度は、さむかわ庭球場の再整備に着手し、コートには体に負担のかからない砂入り人工芝を導入し、ナイターでの利用も可能としてまいります。

 総合体育館については、老朽化したスポーツ備品の段階的な更新、修繕を行い、公式試合を誘致できる規格を整え、プロスポーツやクラブチームのホームタウン化を促進し、高いレベルのスポーツを身近に見る機会を町民皆様に提供するとともに、トップアスリートと触れ合う機会を創出し、スポーツの魅力を感じていただく取り組みを進めてまいります。

 

<生涯学習・地域文化の推進>

 生涯学習・地域文化の推進については、町民の誰もが、自由に気楽に足を運べる「学びの場」を見つけ、生涯を通じて学ぶこと、また人との繋がりや、あらゆる地域活動へ活かされていくよう、情報の周知を図ってまいります。

 

<社会教育の振興>

 社会教育の振興については、社会教育施設である公民館、総合図書館には、町民の生涯にわたる学びを支援し、町民相互のつながりを深めるとともに、地域活性化・まちづくりの拠点などとしての役割が期待されております。

 こうした中、公民館については、利用者の高齢化や固定化等が進んでいることから、子どもや親子並びに若者対象の事業の充実をめざすとともに、地域コミュニティを形成するための地域人材の活用や発掘、ボランティアの育成等に取り組むほか、児童・生徒等を対象とした体験型英語学習施設へのバスツアーについては、他の社会教育事業に係る取組と一体的に行えるよう、指定管理者とも調整しながら引き続き取り組んでまいります。

 また、総合図書館については、学習活動を支える情報拠点として、より多くの町民の利用につなげるため、身につけた知識や経験を生かすボランティア活動の充実のほか、学校との連携の推進など、特に子どもたちの利用が増える方策について強化してまいります。

 町内の貴重な文化財を後世に継承していくための文化財保護・啓発については、町の歴史や文化財について学ぶ機会の充実が図れるよう、公民館をはじめ多様な主体との連携に引き続き取り組むとともに、より一層の掘り起こしに努めてまいります。

 また、一之宮地区に所在する広田家住宅については、過去の調査により国登録有形文化財相当との見解が示されていることから、本町初の国登録有形文化財としての登録をめざしてまいります。

 

<郷土教育の推進>

 郷土教育の推進については、文書館資料を通じて、町の歴史を町民共有のものとし、郷土に愛着をもっていただく事業を展開してまいります。町の歴史を記録する資料の収集・保存・整理を行い、その資料の魅力や活用方法を紹介する講座・展示などの普及事業を実施するほか、令和5年度は、給食センターの開設や関東大震災から100年という節目の年にあたることから、食育や防災をテーマとした普及事業の実施に向け、本年度よりその準備に着手してまいります。

 

 次に、基本目標の2つ目は「生涯にわたって自分らしく暮らせるまちづくり」でございます。

<生涯を通じた健康づくりの充実>

 長期にわたる新型コロナウイルスとの共存により、あらためて「健康の大切さ、有難さ」を再認識いたしました。また、マスクの着用やこまめな手洗いなど、一昨年から日々継続している感染予防の行動は、「自分の健康は自分で守る」という健康づくりの意識が一層高まることになりました。

 町民皆様が日頃から主体的に、健康づくりに取り組めるよう情報発信、機会の提供に努め、「第2次さむかわ元気プラン」の基本理念、「ひとのつながり、地域のつながり、つながる力で健康づくり」をめざし、ライフステージに応じた健康づくり、食育を推進してまいります。

 新型コロナウイルス感染症の収束は未だ見通せない状況ではありますが、感染予防とともに健康に目を向ける重要性が高まっていると認識しております。長期化するコロナ禍の生活が引き起こす、いわゆる「健康二次被害」を予防するためにも、各種の保健事業を関係部署、機関と連携し実施してまいります。

<高齢者の健康づくりの充実>

 高齢者の皆様は、住み慣れた地域で元気に暮らし、ご自身のため、また社会のために活躍したいという思いをお持ちでございます。その実現のため、高齢期の生活の質の向上をめざし、効果的な介護予防事業を推進してまいります。

 また、高齢者の積極的な社会参加を促すため、他者との交流や活動の場、機会の提供に努め、会員の増員をはじめとして、シルバー人材センター並びにシニアクラブの活性化を図ってまいります。

 さらに、「健康づくりを目的とした保健事業」と「介護保険に係る介護予防事業」を効率的、効果的に実施する「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施事業」を引き続き実施してまいります。

 実施にあたっては、個別支援(ハイリスクアプローチ)のほか、町民主体の通いの場の開拓や積極的な関与(ポピュレーションアプローチ)を行い、高齢者の健康づくりの充実を図ってまいります。

 

<地域福祉の充実>

 地域福祉の充実については、高齢者が住み慣れた環境で暮らし続けることができるよう、地域の方々とともにその環境を整えてまいります。

 認知症に関する正しい知識の普及啓発を行い、認知症の人とその家族を支える仕組みを構築するために、町内に在住・在勤・在学する人を対象に「認知症サポーター養成講座」を引き続き実施し、認知症の人やその家族を支える人材を養成してまいります。

 また、医療と介護の関係機関に属する保健師やケアマネージャーなど、多職種にわたる人たちを対象として行う研修は、オンラインでも参加できるハイブリット型とし、適切な職種の人とスムーズに連携を取り、対応できる関係者を増やすとともに、生活支援コーディネーターをはじめ、団体や企業等の多様な主体が連携・協議を行い、高齢者が必要とする生活支援等のサービスの創出、提供に努めてまいります。

 

 <障がい福祉の充実>

 障がい福祉の充実については、障がいのある人が住み慣れた地域で安心して暮らせる社会をめざす「寒川町障がい者福祉計画」に基づき、基幹相談支援センターを中心に相談支援機能の強化や緊急時に支援等を行う地域生活支援拠点の充実に努め、引き続き、子どもから大人までの切れ目ない支援に取り組んでまいります。

 また、障害者虐待防止法の施行10年目の節目をとらえ、障がいに対する理解の促進と障害者差別解消法による「合理的配慮」に関して、町地域自立支援協議会との協働でわかりやすいリーフレットを全戸配布するなど、更なる啓発に取り組んでまいります。

 

 次に、基本目標の3つ目は「こころ穏やかに暮らせるまちづくり」でございます。

 

<公園・緑地等の充実>

 公園・緑地等の充実については、ベンチや樹木等の施設を適正な状態に保つと共に、近隣住民や利用者との協働による維持管理体制の推進を図ってまいります。

 

<自然環境保全の推進>

 自然環境保全の推進については、町民の心にやすらぎを与え、同時に心のより所となる広く青い空、水とみどりなど豊かな自然環境を本町の魅力として次世代に継承していくため、環境団体とともに自然環境の保全に努め、地球環境にも配慮したまちづくりを進めてまいります。

 また、第3次環境基本計画に基づく「二酸化炭素排出実質ゼロ」に向けた取り組みの2年目となる本年度は、家庭用燃料電池システム設置補助金をリニューアルし、ゼロカーボン推進対策設備等導入補助金として、補助対象設備を拡充してまいります。

 さらに、公共施設へは再生可能エネルギー100%由来となる電力調達の積極的な導入を図り、SDGsの目標の1つである「気候変動に具体的な対策を」に合致する取り組みを進めるとともに、町民皆様に分かりやすく、興味関心を持てるような周知啓発に努めてまいります。

 

<住環境の向上>

 住環境の向上については、耐震性を有していない恐れがある建物の所有者に対する耐震化、及び、危険なブロック塀の所有者に対する撤去等の促進に取り組んでまいります。

 また、空き家対策については、寒川町空家等対策計画に基づき、所有者をはじめ専門家の方々のご協力を得ながら、「空家の予防、適正管理、除却・利活用」に取り組んでまいります。

<地域美化の推進>

 地域美化の推進については、町民皆様や町内の事業所と協働して進める環境美化運動として相模川美化キャンペーンや春・秋のまちぐるみ美化運動を柱として実施してまいります。

 また、町民皆様や事業所による自主的な美化活動を支援するとともに、町職員自らも美化活動を実施し、地域美化の推進及び環境美化意識の高揚を図ってまいります。

 

<動物共生の推進>

 動物共生の推進については、人と動物が共生し心穏やかに暮らせるまちづくりを進めることが重要であることから、飼い主に対し、ペットの適正飼育やマナー向上に努めてまいります。

 また、飼い主のいない猫の対策については、無秩序な繁殖を防止するため、町内のボランティア団体と協働して、不妊・去勢手術による頭数抑制に取り組むとともに、譲渡会などを通して、屋内飼養の努力義務等の啓発を図ってまいります。

 

<資源循環の推進>

 資源循環の推進については、限りある資源を有効に使用し、環境への負荷が少ない循環型社会を構築するために、不用なもの、ごみになるものは、もらわず(断る:リヒューズ)、詰め替え商品など工夫してごみを減らし(発生抑制:リデュース)、まだ使えるものを繰り返し使い(再使用:リユース)、資源としてまた活用(再生利用:リサイクル)するなど4Rの行動により、ごみとして排出する量を削減する必要がございます。

 また、焼却による二酸化炭素の排出量を抑制するためにも、4R行動をはじめ、特に水分と重量のある生ごみの減量化に取り組む必要がございます。

 世界的な問題となっている食品ロスやプラスチックごみについては、家庭だけでなく事業所での取り組みも重要となることから、出前講座や広報紙、ゴミ野(ごみの)ゲンゾウ見聞録、事業所訪問などを通じて、減量化や分別排出の目的や必要性を積極的に発信してまいります。

 ごみ・資源物の収集については、町民皆様からいただいたご意見や課題の解決に向け、本年2月に田端地域で収集方法についての試験運用を実施しております。

 この試験運用を踏まえて、町内全域に広げることが可能かどうか、経費の増額も含めて検証してまいります。

 リサイクルセンターについては、リサイクル業者へ出荷するプラスチック製容器包装の品質を向上させるため、不適物の選別能力の向上を図ってまいります。

 美化センターについては、施設・設備の老朽化が否めない状況であることから、既存施設機能の適切な維持管理に努めるとともに、湘南東ブロックとして2市1町のし尿処理のあり方について整理し、広域化についての基本方針の策定を進めてまいります。

 茅ケ崎市環境事業センターについては、粗大ごみ処理施設の建設に向け、総合評価一般競争入札を実施し、事業契約を締結してまいります。

 

 次に、基本目標の4つ目は「安全・安心に暮らせるまちづくり」でございます。

 

<防災対策の充実>

 防災対策の充実については、「自助・共助・公助」の取り組みを推進させるため、各種防災訓練をはじめとする研修会や講演会など、町民皆様が学び考える場を確保することで、防災意識の醸成を図るとともに、自主防災組織が災害時に効果的な活動ができるよう、避難生活や救護等に必要な資機材等への補助を行い、防災活動を組織的に取り組む体制の強化を引き続き図ってまいります。

 昨年度は、新型コロナウイルス感染症の対策に加え、全国各地で地震の頻発、また、温暖化による台風の大型化など、災害への備えは喫緊の課題でもございます。

 いつ発生してもおかしくない大規模な災害から生命や財産を守る取り組みについては、地域防災計画をはじめとする災害等に関する計画に基づき、避難所の良好な生活環境の整備や災害に強く安全性の高いまちづくりを推進し、被災時において迅速な復旧復興ができるよう、防災・減災の強化・充実を図ってまいります。

 また、日頃から、洪水及び内水ハザードマップやマイタイムラインを活用した啓発活動を推進し、在宅避難を含めた避難行動の周知・啓蒙を図ってまいります。

 

<消防体制の充実>

 消防体制の充実については、本年度から茅ヶ崎市との消防広域化が開始され、さらなる消防力の強化が図られ、新たな分署の建設用地については、調整を進めてまいります。

 また、将来にわたり地域防災力の中核である消防団の強化に向け、消防団員の処遇改善や施設等の整備を進めてまいります。

 さらに、一之宮の第2分団には、様々な災害に対応が可能な救助資機材を装備した四輪駆動の多機能型消防ポンプ自動車を配備し、町消防団の機能強化を図ってまいります。

 

<交通安全・防犯対策の充実>

 防犯対策については、犯罪等の未然防止の観点から、地域等の要望を踏まえつつ防犯灯を増設するとともに、南部文化福祉会館に防犯カメラを設置してまいります。

 また、青色回転灯を装備した防犯パトロール専用車両を更新し、地域の見守り体制の充実を図り、安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。

 

 次に、基本目標の5つ目は「時代に最適化したにわいのあるまちづくり」でございます。

 

<道路の整備>

 寒川北インターチェンジへのアクセスと東西方向を結ぶ広域的な幹線道路に位置付けられている県道410号(湘南台大神)については、昨年度より県による用地買収協議に入っております。

 本路線と接続する町道宮山倉見13号線等の取り付け部分などの協議をはじめ、引き続き地域の実状に合った整備を県とともに進めてまいります。

 また、聖天橋から県道45号(丸子中山茅ヶ崎)までを結ぶ町道大曲14号線及び寒川十字路南側の町道田端宮山6号線の歩道拡幅事業については、本年度も沿線地権者と用地買収に伴う調整を引き続き進めてまいります。

 

<公共交通網の整備>

 公共交通網の整備については、将来に向け、町民の移動手段の確保に資する、総合的な交通計画の策定に取り組むとともに、コミュニティバスの継続運行、海老名・寒川間の路線バス運行の支援、鉄道事業者との協議に引き続き取り組んでまいります。

 

 

<下水道の整備>

 公共下水道の整備については、施設の老朽化対策や耐震化対策に引き続き取り組むほか、豪雨時における浸水や冠水の軽減に向け、雨水幹線枝線の整備等を行うとともに、既存雨水幹線においては堆積土砂の浚渫を実施することで、一層の機能確保を図り、河川管理者とも連携して取り組んでまいります。

 また、持続可能な下水道サービスの提供に向け、中長期的な運営を見据えて、維持管理と改築・更新を一体的に捉え、健全な経営を行うため、事業の進捗や適切な受益者負担のあり方も鑑みながら、安定した下水道事業運営に取り組んでまいります。

 

<市街地整備の推進>

 寒川駅南口整備事業については、新たな駅前広場整備と周辺道路網のあり方、鉄道からバスへの円滑な乗り換え連携に向けた歩行者空間の確保及び交通ネットワーク化を関係機関や関係権利者のご意見を伺いながら進めてまいります。

 本年度は、駅前広場用地の一部を活用した、暫定の自動車転回場を昨年度に引続き整備し、交通の安全確保を進めてまいります。

 また、本町の産業集積拠点として令和元年より進めております組合施行の田端西地区土地区画整理事業については、昨年10月に仮換地指定を行い、現在は、道路や下水道等公共施設の工事や宅地の造成工事に着手しております。

 円滑な工事進捗により早期に産業系の建築物の立地が図られるよう組合に対し引き続き支援を行ってまいります。

 ツインシティ倉見地区のまちづくりについては、町総合計画に基づく都市未来拠点として、交通の結節点にふさわしいまちづくりに向け、地元の協議会や関係権利者の皆様と合意形成に取り組んでいくとともに、県との調整を進めてまいります。

 また、まちづくりの核となる東海道新幹線新駅の実現については、新駅設置判断の一つであるリニア中央新幹線の工事が進んでいることから、新駅の可能性はますます高まりつつあるものと捉えており、期成同盟会の一員として、新駅誘致を継続するとともに、JR東海と、まちづくりの具現化に向けた対話に努めてまいります。

 

 

<商業の振興>

 商業の振興については、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、営業自粛や時短営業を余儀なくされ、個人商店等の経営が厳しさを増す状況であることから、引き続き支援を行っていく必要がございます。

 また、現在商業振興として実施しております寒川町住宅リフォーム等建築工事推進助成事業については、助成額や利用対象の見直しを行い、引き続き実施してまいります。

 コロナ禍で大変厳しい状況でございますが、各商店が希望を持ち経営できるよう、商工会等と連携しながら支援を進めてまいります。

 

<工業の振興>

 工業の振興については、工場立地法に規定する準則条例の制定により緑地率など土地利用に関する規制緩和を行うほか、新型コロナウイルス感染症の影響により社会経済環境や価値観の変化が著しいことから、その変化に対応するため、引き続き中小企業診断士を地域経済コンシェルジュとして委嘱し、町内企業の課題解決に向けて、企業の事業計画策定支援などの取り組みを進めてまいります。

 また、行政・商工団体・地域金融機関等で構成するエコノミックガーデニング推進協議会による支援ネットワークを活かし、地域経済の成長や企業が活動しやすい環境づくりなど、町内企業のニーズに合った効果的な支援を実施してまいります。

 

<農業の振興>

 農業の振興については、近年増えている未利用農地の活用に向け、農地利用最適化推進委員等と協力しながらマッチングを進め、農地の適正な維持管理を図るとともに、新規就農者や新たな法人等の参入を含め、地域農業の担い手確保に取り組んでまいります。

 また、農業基盤の整備については、小谷地内の花川用水路予防保全対策工事に向け、調査を国と県の補助金を活用して進めてまいります。

 

<観光の振興>

 観光の振興については、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点よりイベントが軒並み中止となっておりますが、観光協会とも連携し、町の特色ある観光事業を推進してまいります。  また、シェアサイクル事業等広域で実施している事業もございますので、各自治体とも連携しながら観光振興に取り組んでまいります。

 

 最後に、基本目標の6つ目は「まちづくりのための基盤づくり」でございます。

 

<町民との協働によるまちづくりの推進>

 本町のまちづくりの最高規範である自治基本条例の本旨に則り、町民皆様と町が、自治の担い手としてそれぞれの責任を果たしながら、相互に補完し、協力し合ってまちづくりを進めてまいります。

 昨年度の寒川町協働事業選考委員会において採択されました、寒川町みんなの協働事業提案制度の提案事業「教育・保育施設で音楽会を開催」、「オレンジカフェ(音楽による認知症カフェ)の実施」及び「寒川町の花すいせんの植栽(継続)」の実施については、提案団体と町が協働して取り組んでまいります。

 

<多様な主体によるまちづくりの推進>

 多様な主体によるまちづくりの推進については、「男女がともに自らの能力を発揮し、個性を伸ばし、自由に生き方を選択できる社会をつくる」ことが「男女共同参画社会の形成」につながるという基本理念のもと、性別による固定的な役割分担意識にとらわれない価値観や社会の仕組みを作るため、引き続き女性の活躍推進やワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の啓発及び情報・学習機会の提供を図ってまいります。

 また、本年2月に「寒川町パートナーシップ宣誓制度」が始まり、性的マイノリティをはじめとする多様性への理解を進め、一人ひとりの人権が尊重され、町民皆様がお互いの価値観・多様性を認め合い、自分らしく生活できる社会づくりをめざしてまいります。

 

<自律的な行財政運営>

 将来を見据えた自律的な行財政運営を行うためには、魅力的なまちづくりを進め、それを効果的に発信することで、移住・定住の促進等を図ることが重要です。

 本町における人口確保という点では、このたびのコロナ禍を受け、人々の居住地に対する価値観がテレワークの推進など新たな働き方の導入に伴って変化しており、本町にとっても移住者の獲得に向けた1つの契機であることから、こうした社会環境情勢や人々の価値観の変化をしっかりと捉えながら取り組みを進めることが重要であると考えております。

 こうした考えのもと、「『高座』のこころ。」を旗印として展開しているブランディングの取り組みについても、コロナ禍により生まれた新たな価値観や社会環境情勢をしっかりと捉えながら、町民皆様に対する認知度向上と、町への愛着心を育む醸成活動を進めるとともに、ターゲットに直接的に訴求すべく、町外向けのプロモーションについても積極的に進めてまいります。

 具体的には、今後のウィズコロナ時代において、リモート等によるコミュニケーションの確立が求められることから、引き続き、動画やSNS等を活用した情報発信の強化に努め、移住を検討されている方々が、その地として寒川町を選んでいただくための情報の充実にも努めてまいります。

 また、本年度から、『「高座」のこころ。』ブランドの体現化の一環として、婚姻届等を提出されたお二方を対象に、町広報誌の表紙をお二方の写真で飾り、フォトフレームとともに祝福と応援の想いを込めて記念にプレゼントする、町独自のサービスを新たに展開いたします。

 一方で、昨年度より本格稼働した「持ち運べる役場」をコンセプトとした公式LINEアカウントについては、機能やコンテンツの充実を図り、町民皆様の利便性向上に努めてまいります。

 

<まちづくりを支える組織と基盤づくり>

 まちづくりを支える組織と基盤づくりについては、昨今の日々変化する社会情勢にあって、行政の役割は多様化し続けております。このような状況にあっても、町民のこころ豊かな暮らしを実現し、魅力的なまちづくりを行えるよう職員の創造力を磨き、それを存分に発揮できる組織づくりに注力してまいります。

(令和4年度予算)

 町ブランドである『「高座」のこころ。』の「穏やかさ、やさしさ、あたたかさ」のスローガンを念頭に置き、寒川町総合計画2040に掲げるまちの将来像である「つながる力で 新化するまち」の実現に向けた令和4年度予算でございます。

 令和4年度予算については、「ウィズコロナ・ポストコロナを見据えた重点的な財源の配分(メリハリのある予算編成)」、「寒川町総合計画2040第1次実施計画に基づく取り組みの推進」、「歳入確保をするための取り組み」の3つの予算編成基本方針のもとに編成いたしました。

 歳入の一般財源の根幹をなす町税については、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響が色濃く残るものの、政策的な経済対策によって緩やかな回復基調にあり、また社会行動の変容等により一部の製造業や物流業が伸びを示したことから、町税総額は滞納繰越分を含め83億8,340万円と見込み、対前年度比では3.8%の増といたしました。

 予算規模といたしましては、一般会計総額は149億8,600万円、対前年度比0.8%の増とするとともに、国民健康保険事業特別会計をはじめとする4特別会計を合わせた全会計の予算額は、275億2,984万円、対前年度比で2.6%の増といたしました。

(おわりに)

 以上、令和4年度の町政運営にあたっての基本的な考え方と主な事業について、ご説明させていただきました。

 私が町政をお預かりさせていただいたこの10年あまり、一貫して人々の心が通い合う「あったかい町」を町民皆様と築くことに全力を傾注してまいりましたが、少子高齢化・人口減少という構造的な課題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行により、ライフスタイルや働き方などの急激な変化を余儀なくされ、当たり前だと思われてきた常識が覆され、これまで気づかなかった価値観への迅速な対応が求められております。

 こうした認識のもと、町民皆様の生命や財産を守る体制の強化や次代を担う子どもたちが夢や希望を持ち、笑顔で暮らせるまちづくりに向け、「誰一人取り残さない」持続可能な社会の実現をめざすSDGsの視点をもって、寒川町の未来を切り拓いていくと決意するところでございます。

 つきましては、議員各位をはじめ、町民皆様のより一層のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の令和4年度の施政方針といたします。

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