【第1回】生きることの包括的な支援に関するアンケート

更新日:2023年10月25日

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【アンケート集計結果】総括

 

令5年度第1回「生きることの包括的な支援に関するアンケート」にご協力いただきまして、誠にありがとうございました。

このアンケートは、心の健康や自殺対策に関する皆様の考えなどを把握し、今後の自殺対策推進の参考とするために実施いたしました。

対象者は、eマーケティングリサーチ制度に登録している16歳以上の町民で、有効回答数は268名(eモニター485名中)となりました。

 

アンケート結果によると、日本の自殺の現状について60.1%(パーセント)の方が知っており、前回実施した令和元年度調査と同様に高い値を推移している一方で、ゲートキーパーについては、内容を含めて知っている、言葉のみ知っているを選んだ方は合わせて、31.0%(パーセント)で令和元年度調査より減少傾向にありました。(令和元年度調査:内容を含めて知っているは7.8%(パーセント)、言葉のみ知っているは30.5%(パーセント))

 自殺は自分自身に関わることだと思う方は38.8%(パーセント)、思わない方は61.2%(パーセント)となりました。この結果は、令和元年度調査とほぼ変わらず、引き続きゲートキーパーに関すること、自殺に追い込まれるという危機は「誰にでも起こり得る危機」ということについて周知していく必要があることがわかりました。

今までに深刻に生きづらさを感じたことがある方は45.1%(パーセント)で、生きづらさを感じた理由や原因としては、「家庭問題」が最も多く、次いで「勤務問題」、「経済・生活問題」、「学校問題」、「男女問題」、「健康問題」などがあげられました。

その他自由記載の、生きづらさを感じた理由や原因として、「産後」、「健康や他のことがいろいろ重なり過ぎた時」、「働きながらの育児」、「他人との関係のつくり方、孤独感」、「趣味関連」、「社会問題」という回答があり、生きづらさを感じる原因は様々であることがわかりました。

もし、身近な人から「死にたい」と打ち明けられたときに取る対応としては、「耳を傾けて聞く」が一番多いことがわかりました。この傾聴という行為は、とても大事なもので、多くの方がこのような対応を取られることがわかりました。次いで「つらい思いに共感する」、「専門家へ相談することを提案する」、「前向きになるよう励ます」、「自殺しないよう説得する」という順になりました。

 その他自由記載としては、「過去の自分の話をする」、「ひとりにさせないように、周りの人にも協力してもらう」、「他の方の意見も求める」、「専門家に相談することをその方に提案はしませんが、自分自身が専門家に相談する」などの回答がありました。

町が実施している自殺予防啓発についてご存じなのは、「町広報誌での記事掲載」が一番多く、次いで「町総合図書館での企画展示」、「役場分庁舎壁面の懸垂幕」、「庁舎入口に設置したのぼり旗」、「公用車に貼付したマグネットシート」となりましたが、いずれも見たことがないと答えた方は67.3%(パーセント)ほどおりました。より多くの方に自殺予防について知っていただくために効果的な周知方法の検討及びその改善が必要であることがわかりました。

 また、自殺予防に関する啓発をご覧になった方で、取組により自殺予防に対して関心を持つことができた方は71.1%、関心を持つことができなかった方は28.9%となりました。

自殺をしようと思うほど悩んでいるときに相談しやすい方法として1番多かったのは、「LINE、FacebookなどのSNSでの相談」となりました。次に、「メールでの相談」、「電話での相談」、「窓口での相談」、「戸別訪問での相談」でした。

その他自由記載では、「相談したくない」、「相談回数を重ねていれば窓口等、対面での方法も考えられると思う」、「そのような時は自分から相談するのは難しいのかも」という回答がありました。全体としては非対面での相談が対面による相談の5.7倍多い結果となり、非対面での相談が相談するきっかけとなることがわかりました。

自殺に関する相談機関や窓口については、「こころの電話相談・いのちの電話」が一番多く知られていることがわかりました。次いで、町にある「子育て支援センター」、「町の育児相談」、「地域包括支援センター」、「DV相談」、「各種教育相談」、「人権相談」となりました。「いのちの電話」は、著名な方が亡くなられたときなどにメディアで発信されたりすることから認知度が高いと思われます。

また、今回のアンケートでは、新型コロナウイルス感染症に関連する設問を設け、コロナ禍において町民の方がどのような悩みや問題を抱えているか確認することができました。

 新型コロナウイルス感染拡大により、生活への影響があったかどうかについての回答は、「悪い影響があった」は56.3%(パーセント)、「影響がなかった」は28.0%(パーセント)、「良い影響があった」は10.1%(パーセント)となりました。

 具体的にどのような悪い影響があったかについては、一番多かったのが「不安やストレスが増大した」でした。次に、「趣味や楽しみが無くなった」、「収入が減少した」、「精神的・身体的に体調を崩した」、「家族関係・人間関係が悪化した」、「孤独を感じるようになった」、「倒産・失業した」となりました。その他自由記載としては、「体調を崩しても、風邪等の症状があればすぐに病院にかかれず、病状が悪化したこともあった」、「パートナーとの価値観の相違が顕著になった」という回答がありました。

多くの方がコロナ禍において精神的、身体的に影響を受けたことがわかりました。

最後に、自殺対策に関するご意見、ご要望などの自由意見については、「今回のアンケートで、こころの電話相談、いのちの電話以外にもいろいろ相談できる場所があることを知りました」、「自分自身、自殺に対しての知識がなかったので、今回のアンケートで町や自治体でもいろいろな対策をしている事を知った」、「これまで何度か切実に考えたことがありましたが、近くの相談できる窓口を全然知らなかったということをこのアンケートを通して知りました」という感想があり、今回のアンケートが自殺に関する相談窓口等の情報提供となったことを感じました。

 一方で、24時間相談できる電話やSNS相談があるとよい、というご意見、ご要望がありましたが、「よりそいホットライン」(0120-279-338)は24時間無料で電話による相談に対応しております。SNS相談は、「生きづらびっと」「よりそいチャット」「こころのほっとチャット」があり、LINEやX(Twitter)、チャットなどの相談が可能です。このような相談窓口があることを知らない方がいるため、周知方法について課題があると感じました。引き続き、効果的な周知方法を検討いたします。

今回いただきました多くのご意見、ご要望等を参考に、自殺対策推進に取り組んでまいりたいと存じます。

【アンケート集計結果】グラフ等