木村町長所信表明(平成23年寒川町議会第3回定例会より)

更新日:2013年04月01日

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寒川町議会第3回定例会の開会にあたりまして、議長からお許しをいただきましたので、私の町政に対する所信の一端を申し述べ、今後の町政運営に向け、議員各位をはじめ、町民の皆様の深いご理解と、ご協力を賜りたいと存じます。
先ずは所信を申し上げます前に、去る3月11日に発生いたしました東日本大震災により、また、今月、紀伊半島を中心に甚大な被害をもたらした台風12号により犠牲になられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げ、被災地の一刻も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。
また、この度の町議会議員補欠選挙においてご当選なされました小栗裕治議員さん、誠におめでとうございます。これによりまして、町議会は18名の議員全員がお揃いになり、ご同慶の至りでございます。
私も町長選挙に初めてチャレンジし、多くの町民の皆様のご支持をいただき、寒川町政をお預かりさせていただくこととなりました。誠に身に余る光栄であるとともに、課せられた使命と責任の重大さを痛感し、身の引き締まる思いでございます。
これまで町に奉職した38年間の行政経験を活かし、人々の心が通い合う「あったかい町」を町民の皆様とともに築くことが私の夢であり、そのことに全力を傾注する覚悟でございます。何卒、温かいご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
また、今日の寒川町を築き、発展させてきた多くの先人・先達の方々に、あらためて敬意と感謝を申し上げたいと存じます。
さて、現在の国内経済情勢は、リーマンショックや景気持ち直しの足踏み、そして今回の東日本大震災に伴う景気の弱まりなど度重なる試練が続いている状況でございます。また、本年8月の内閣府の月例経済報告では「景気は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している。」としておりますが、地方自治体を取り巻く状況も依然として極めて厳しい財政状況が続いており、行政運営に閉塞が感じられます。
このような状況の中、私の町政運営の基本的な考え方として「着眼大局、着手小局」で進めてまいりたいと考えております。 ご存じのとおり、「着眼」は大所高所から大局的に着目し、「着手」は足元の小さなところから効果を鑑みながら、確実に着手していくことでございます。
町政におきましては、着眼大局は計画策定であり、着手小局は事業推進となるわけでございますが、先程申し上げましたとおり、町を取り巻く社会経済環境は極めて厳しいものであり、多様化する町民ニーズがある中で、財政状況を踏まえながら事業を着実に推進していくためには、事業の「選択と集中」を図ることが必要であるとともに、地域主体・町民参画によるまちづくりが、今後の町政運営のあり方であると考えておりますので、皆様のご指導・ご協力を賜りながら、まちづくりを進めてまいる所存でございます。
それでは、私の7つの主要施策の概要を中心に申し述べさせていただきます。
1つ目は、明日を担うこどもたちを健やかに育てるための取り組みでございます。
現在、少子高齢化が進む中で、子どもたちの笑顔は町の宝であり、その子どもたちを健やかに育てることは、大人たちの責務であり、それはすなわち町の大きな役割であると思います。
今後は、小・中学生の学齢期に養うべき確かな学力や豊かな心、健やかな体を育むため、必要に応じて少人数指導を中心としたきめ細やかな学習が展開されるよう学習環境を整え、学校教育の充実を図ってまいります。
また、将来を担う子どもたちが、勉強以外の様々な話を聞くことで、夢あふれる将来を自分の力で考え、子どもたちの「生きる力」を養うことが必要であると思います。
そのため、地域で活躍する人や多種多様な企業で働く人などを「地域のせんせい」として人材活用を図り、子どもたちの夢を育みたいと考えております。
特別支援教育につきましては、障害のある子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を効果的に行うことが重要と考えます。今後は、町内の特別支援学級未設置の小・中学校につきましても、必要に応じて設置してまいります。
2つ目は、安心して暮らせるまちをつくるための取り組みでございます。
東日本大震災は、人々に自然災害の恐ろしさを脳裏に焼き付けるとともに、自然の猛威には人間の力が及ばないことがわかりました。
しかしながら、この災害で教訓として得たものは非常に多く、災害発生当初に頼りになるのは、やはり地域であることが明らかになったことから、共助の精神による災害対策が最も重要であると思います。
このことから、地震や台風などの災害に強いまちづくりとして、地域における自主防災組織の強化と、いざという時に頼りになる地域防災力の向上を図るとともに、災害協定の拡充や防災訓練などを通じて、地域の共助による災害に対する備えを重点に進めてまいりたいと考えております。
また、近年、各地で悪質・凶悪な犯罪が発生しており、少年犯罪や子どもに対する犯罪が問題となるとともに、乗り物盗などの犯罪が増える傾向にあり、さらに防犯体制の充実が求められております。
しかしながら、行政だけの対応では限界があることから、既に一部積極的に取り組んでいただいている自治会やPTAもございますが、子どもたちが安全に暮らせるよう、地域による「子ども見守り隊」や「地域防犯パトロール」などを実施するとともに、警察とも連携しながら防犯啓発活動を実施することで、地域の安全を図りたいと考えております。
3つ目は、地域の絆づくりをともに進めるための取り組みでございます。
冒頭で申し上げましたとおり、私の目指す町政運営のあり方は、地域主体・町民参画によるまちづくりを重点としております。
町自治基本条例にも示されているとおり、地域のことは地域で決めるという新たな地方分権の時代の到来によって、より個性的で魅力あるまちづくりが求められています。
そして、そのためには、町民と町が、自治の担い手として、まちづくりにおける町民の権利と責任及び町の役割と責任を明らかにし、それぞれが役割と責任を果たしながら、連携し協働してまちづくりを進めていくことが町民主体の地方自治のあり方と考えます。
それぞれの地域にはそれぞれの特色があり、地域の現状と課題に即したまちづくりが必要であることから、地域のことは地域で決める体制づくりが、今まさに必要であると考えております。
このため、私は「新しい公共」として地域コミュニティの創設を提案したいと考えております。
この地域コミュニティにより、地域の今日的課題解決に向け力を結集し、「地域でできることは地域で」という共助の考え方のもと、地域におけるまちづくりについて検討を行い、地域と町がまちづくり懇談会などを通じて話し合いの場を持ちながら、町が支援することで、本当の意味での地域主体のまちづくりが達成でき、絆社会が実現されると考えております。
4つ目は、いきいきと暮らせるまちをつくるための取り組みでございます。
現代社会において世代間の交流は、多様な価値観によるすれ違いや急速に進む核家族化により、より一層希薄になっております。
このような状況の中、子どもと高齢者などのふれあいにより絆を深め、心豊かに暮らせる社会を構築することが必要であると思います。今後は、高齢者の学校事業への参加など、世代間交流を促進することを考えております。
また、子どもたちをはじめ、すべての町民がこころと身体の健康を確保し、生涯にわたっていきいきと暮らすためには、日ごろから健康づくりを実践し、「食」の現状を知ることが重要であると思います。町民が主役となって、自ら取り組み、自らの食について考える習慣や食に関する知識や技術を身につける食育への取り組みを推進するため、食育に関する計画の策定を進めてまいります。
さらには、疾病予防に対しては、自分自身の健康状態を認識することが最も重要であることから、健診等を通して健康管理を図りながら、町内において健康づくりを行う団体とともに町民の健康維持・増進に取り組んでまいります。
5つ目は、活力ある産業を育てるための取り組みでございます。
産業を育てるためには、都市基盤の動脈となる道路整備は欠かせないものであると考えます。さがみ縦貫道路の開通も間近に控え、(仮称)寒川北インターチェンジと東方向を結ぶ(仮称)湘南台寒川線は広域的なネットワークを形成するために重要な幹線道路であることから、生活環境に配慮しながら、町民の皆様や県、企業等と調整を行い、早期に都市計画決定を行い整備を促進します。
また、町内の熱意ある企業・商業者に対し、税制面等を含め総合的な産業支援を行うとともに、町内や近隣にある多種多様な産業間の交流を深めることで、地域産業の振興を図ることができることから、広域行政による「産・学・官」の連携により新たな産業チャンスを創出することを考えております。
6つ目は、豊かな自然を守るための取り組みでございます。
都市化の進展により自然環境が減少している中、本町の魅力である豊かな自然環境を財産として次世代に引き継いでいくためには、新たな環境共生型のまちづくりが必要であると思います。
そのためには、国や県の施策に合わせ、企業と連携したエコタウン計画づくりなど新たな取り組みの検討も必要であると考えます。
また、限りある資源を有効活用し、節電や省エネを強く意識したライフスタイルへの転換を図るため、県と歩調を合わせながら太陽光発電などのクリーンエネルギーの導入を促進するとともに、藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の2市1町による湘南エコウェーブなどの環境施策により、地球に優しい環境づくりを進めてまいります。
最後になりますが、7つ目として、徹底した行財政改革への取り組みでございます。
冒頭でも申し上げましたが、現在、町を取り巻く社会経済環境は極めて厳しい財政状況が続いております。
このような状況の中では、総花的に事業を推進することは非常に困難であると考えます。
このことから、町民参画を中心に据え、行政施策のあり方を行政改革の目線で検討し、第4次行政改革大綱の見直しを行うとともに、事業実施に当たっては、事業効果を勘案しながら、選択と集中の観点から事業展開を図ってまいります。
また、従来実施してまいりました事業評価につきましては、正確な情報提供のもと事業の内容を把握し、町民主体の目線で、町民自らが判断する事業評価を推進してまいります。
私の7つの主要施策の概要については、以上でございますが、その他の主要施策といたしまして、町総合計画の基本構想の3つの拠点である寒川駅周辺の生活中心拠点、新幹線新駅誘致地区周辺の都市未来拠点、さがみ縦貫道路(仮称)寒川南インターチェンジ周辺の産業集積拠点について、私の考えを述べさせていただきます。
1つ目は、寒川駅周辺の生活中心拠点でございます。
現在は、寒川駅北口地区土地区画整理事業も進み、町の顔である駅前広場や駅前公園なども完成しております。今後につきましても、寒川駅前の活性化を図りつつ、事業の早期完了に向けて最優先に整備してまいります。
2つ目は、新幹線新駅誘致地区周辺の都市未来拠点でございます。
ツインシティ倉見地区につきましては、広域的な交流と連携の窓口として、また、東海道新幹線新駅誘致地区を中心とした新たな北部の拠点として、交通結節点の利便性を生かした新たな機能立地と広域連携を目指して、環境と共生したまちづくりを町民との協働により進めていく必要があります。今後につきましても、地元地権者の皆様をはじめ町民の皆様と十分に協議を重ね、東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会の一員として、新駅誘致に取り組みながら、まちづくりを進めてまいります。
3つ目は、さがみ縦貫道路(仮称)寒川南インターチェンジ周辺の産業集積拠点についてでございます。
(仮称)寒川南インターチェンジ周辺の田端西地区につきましては、さがみ縦貫道路沿線の中でも、地元発展の可能性・ポテンシャルの非常に高い地域と認識しており、交通結節点の利便性を生かし、また、周辺環境との調和に配慮しつつ、町の将来を見据えた計画的なまちづくり、21世紀型のインターチェンジ周辺整備を進めたいと考えております。
今後につきましては、地元研究会をはじめとする地権者の皆様や農業経営者の皆様との十分な協議により合意をいただき、共同作業として、整備を促進してまいりたいと思います。
以上が私の主要施策の概要でございます。
私は、この寒川町に生まれ、この町とともに過ごしてまいりました。この町に対する愛着は誰にも負けないものであると思っております。
町民の皆様一人ひとりの個性を結び、それが地域と地域をつなげ、町の個性となり、その絆を深めることが私の役目であるということを心に刻み、「未来へつなごう、こどもたちの笑顔」をスローガンに、いつまでも住み続けたい、この町に住んでみたいと思える町を町民の皆様とともに創造していきたいと切に願うものでございます。
今後とも、議員の皆様、ならびに町民の皆様に、格別のご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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