平成25年度 施政方針

更新日:2013年12月20日

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 本日ここに、平成25年寒川町議会第2回定例会3月会議の開会にあたり、平成25年度予算案をはじめ関係諸議案を提出し、審議をお願いするわけでございますが、私の町政に対する基本的な考え方と施策の概要について申し述べ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。
 
 

(はじめに)

 町議会におかれましては、開かれた議会をめざして議会改革を推進されている中で、先月行われました町議会議員選挙により、新たな顔ぶれによる議会が構成され、スタートしたところでございます。
 これからも共に力を合わせ、町の将来像「優しさと 輝きと うるおいのあるまち 湘南さむかわ」を実感できる、健康で明るく、住みよいまちとなるよう尽力してまいりたいと思っております。
 さて、私は平成23年9月、町長に就任以来1年半が経過いたしました。この間、町民の皆様一人ひとりの個性を結び、それが地域と地域をつなぎ、そこから生まれる絆を深めることが私の役目であると心に刻み、町政運営にあたってまいりました。
 今後におきましても、「未来へつなごう、こどもたちの笑顔」をスローガンに、いつまでも住み続けたい、この町に住んでみたいと思えるまちづくりを町民の皆様と共に進めてまいります。
 さて、社会経済情勢に目を転じますと、東日本大震災から2年が経過しようとしております。国をあげた被災地の復興も未だ道半ばであり、今後も官民あげての取り組みが必要でございます。
 このような状況の中、昨年の衆議院議員総選挙では与野党が逆転し、政権交代が行われ、政府はデフレと円高からの脱却、名目3%以上の経済成長に向けた経済政策案を掲げたことから、市場は円安傾向に転換し、株価も上昇しております。
 本年1月の内閣府月例経済報告では、「景気は、弱い動きとなっているが、一部に下げ止まりの兆しもみられる。先行きについては、当面は弱さが残るものの、輸出環境の改善や経済対策の効果などを背景に、再び景気回復へ向かうことが期待される。」としております。しかし、地域経済への影響までは実感できるものではなく、町にとって厳しい状況が続くものと予測されます。
 かかる状況下においても、町民生活に直結する重要な事業は、積極的かつ効果的に進めるとともに、自治基本条例の本旨であります町民協働のまちづくりを進めてまいります。

 

(町政に対する基本的な考え方)

 町を取り巻く交通基盤の状況は、早期完成を待ち望んでおりました、さがみ縦貫道路が本年4月に茅ヶ崎ジャンクションから寒川北インターチェンジまで開通となります。また、都市計画道路「藤沢大磯線」も本供用に向け整備が進んでおります。
 さらに、さがみ縦貫道路寒川北インターチェンジと藤沢市方面を結ぶ広域幹線道路「(仮称)湘南台寒川線」につきましては、都市計画決定の最終調整に入っております。
 県においては、さがみ縦貫道路沿線地域等を対象に、生活支援ロボット関連企業の集積を図ることを目的とした「さがみロボット産業特区」が地域活性化総合特区に指定されるなど、今後、寒川町のポテンシャルは格段に向上してまいります。
 このような基盤整備の進む状況をしっかりと踏まえ、町の観光資源でもある寒川神社を活用した観光の拠点づくり、さらには、企業誘致を推進することにより、交流人口を誘い、活力とにぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。
 本年度は、町総合計画「さむかわ2020プラン」後期基本計画が2年目となります。町民ニーズが多様化する中で、この計画を着実に推進するためには、目標指標や財政計画を精査しながら、事業の「選択と集中」を図ることが必要であり、そして何よりも、地域主体・町民協働によるまちづくりが、今後の町政運営の基本であると考えております。今後につきましても、皆様のご指導・ご協力を賜りながら、「着眼大局、着手小局」により、まちづくりを進めてまいります。

 

(平成25年度予算)

 歳入の一般財源の根幹をなす町税につきましては、国において強力な経済対策を打ち出していることから、回復への期待感も膨らんでおりますが、依然として厳しい状況が続いております。
 個別に税目を見ますと、基幹税目の固定資産税は、土地及び償却資産で大きな動きはないものの、新築家屋の増加に伴って、若干ではありますが増としております。
 個人町民税は、大きな税制改正などもなく、微増とするものの、法人町民税につきましては、先行きの不透明感から現年分全体では減としております。
 こうした状況の中、役場組織の見直しに伴い、収納対策課を新設し未収金対策を強化することで、滞納繰越分の増収を見込み、町税総額を対前年度比0.02%増、82億2,315万円と見込んでおります。
 町総合計画「さむかわ2020プラン」後期基本計画の第1次実施計画では、本年度の一般会計総額を128億600万円と設定しておりますが、化学消防ポンプ車や広域避難場所における防災資機材の購入、寒川駅北口駅前に防犯連絡所や防犯カメラの設置をはじめとした安心・安全に対する増額があるものの、外郭団体等補助金の見直しや職員給与の減額措置の拡大などにより、一般会計総額は127億8,900万円で、前年度比0.6%の減といたしました。なお、国民健康保険事業特別会計をはじめとする5特別会計を合わせた全会計の予算額は228億1,722万円で、前年度比で0.1%の増といたしました。

 

(平成25年度予算の主な事業)

 それでは、平成25年度予算の主な事業について、まちづくりの指針である町総合計画「さむかわ2020プラン」の3つの基本姿勢と5つの基本目標に沿って、順次ご説明申し上げます。

 それではまず、3つの基本姿勢の一つ目といたしまして、「町民との協働によるまちづくりの推進」であります。
 現在の地方自治体を取り巻く環境は、国における地方分権等を背景に、「地域のことは地域で決める」という考えのもと、町民と町がそれぞれの責任を果たしながら、相互に補完し協力しあい、個性的で魅力あるまちづくりの推進と、それを担う地域人材の育成が求められております。
 こうした中、町では、町民の各種審議会等への参加や傍聴の機会を確保しつつ、まちづくり懇談会を通じ町民と行政の対話の機会を充実するとともに、行政情報の共有化と広聴機能の充実をめざし、広報紙やホームページなどをはじめとする様々なツールを活用し、町民協働を促進してきたところでございます。
 今後につきましても、町民協働のまちづくりを推進するため、町民の皆様が参加しやすい仕組みづくりを構築してまいります。
 また、情報公開を適切に進め、情報の共有化を図るととともに、広報紙の充実や町のホームページをリニューアルするなど、わかりやすい情報提供に努めてまいります。

 次に、基本姿勢の二つ目は、「広域行政によるまちづくり」であります。
 地方分権が進む中で、それぞれの自治体では個性的で魅力あふれるまちづくりを進めているものの、多様化する住民ニーズに対応するためには、広域行政により効率的かつ効果的に推進する必要があります。
 こうしたことから、藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町で構成する、湘南広域都市行政協議会の取り組みを継続して進めてまいります。
 また、地域的・歴史的な結びつきのある茅ヶ崎市との連携をさらに強めるために、住民サービスの向上、事務の効率化及び市町相互の組織強化をめざした具体的な施策の選定に取り組んでまいります。
 さらに、町の北部地域と接する海老名市との広域連携につきましても、共通課題の解決に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、基本姿勢の三つ目は、「地方分権の推進と自律的な行財政運営」であります。
 国の地域主権改革は、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることのできる活気に満ちた地域社会をつくっていくことをめざしています。町といたしましても、地域特性を生かしながらまちづくりを進めるために、事務の権限移譲や規制緩和等に的確に対応し、町の実情に合った行政運営を自主的・主体的に進めてまいります。
 また、社会経済情勢の変化に対応し、新たな行政課題
や多様化する町民ニーズに即応できるよう、「後期基本計画の重点プロジェクトを効率的かつ効果的に推し進めることができる組織」、「町民の皆様にわかりやすい組織」、「効率的な組織」をめざし、本年4月より組織改正を行うとともに、職員の適正配置に努めてまいります。
 さらに、計画的かつ効率的な財政運営を推進するとともに、「第5次行政改革実施計画」を着実に推進してまいります。

 続いて、5つの基本目標の一つ目といたしまして「快適でにぎわいのあるまちづくり」であります。
 (仮称)湘南台寒川線は、本年3月を目途に都市計画決定を進めており、今後につきましては、地域の実情にあった整備をめざし、県と共に事業化に向けた取り組みを進めてまいります。
 便利で機能的な産業活動、町民生活の快適性、利便性そして安全性の確保には道路整備は欠かせません。しかし、近年、町道は経年変化や交通量の増加により老朽化や損傷が進んでいることから、計画的な道路の改良・維持管理を行い、安心して安全に利用できる道路整備を進めてまいります。
 橋りょう事業につきましては、小出川改修に伴う寺尾橋架け替え事業を昨年度に引き続き、県・茅ヶ崎市と共に進める一方、老朽化の激しい大曲地内の聖天橋の架け替えのための詳細設計を実施してまいります。
 また、さがみ縦貫道路につきましては、平成26年度供用目標とされている寒川北インターチェンジ以北の早期開通に向け、国に要望してまいります。
 なお、都市計画道路「中海岸寒川線」のNTT以東につきましては、早期事業化に向け、引き続き県に要望してまいります。
 コミュニティバスにつきましては、昨年度より今後の方向性の検討を進めている「コミュニティバスのあり方等検討委員会」からの提言を踏まえ、日常生活における移動支援策を早期に策定してまいります。
 公園や緑地は、子どもたちの健全な育成や地域コミュニティの場としての役割や、大規模災害時の避難場所としても重要な役割を担っていることから、引き続き適切な維持管理に努めてまいります。
 また、本年度におきましては、田端地内の矢島公園にトイレを設置してまいります。
 下水道事業は、生活環境の改善、公共用水域の水質保全などを目的に整備を進めており、本年度も引き続き整備及び接続促進に取り組んでまいります。特に近年多発しているゲリラ豪雨などによる浸水被害を極力少なくするため、雨水対策を充実させてまいります。
 また、老朽化しつつある汚水管渠につきましては、長寿命化計画に基づく適正な改善を図ってまいります。
 さらに、下水道事業の経営基盤の安定化を図るため、公営企業会計の平成27年度導入に向けた取り組みを進めてまいります。
相模川沿いでは、堤防の整備や強化が順次進められてきましたが、いまだに不十分な箇所があります。また、小出川につきましては、未整備部分が多く残されていることから、町民の生命・財産を守るため、引き続き早期完成を国及び県へ要望してまいります。
都市計画法に基づく建築物の高さのルールである「高度地区」につきましては、平成20年度から各方面の方々よりご意見をいただきながら検討を進めてまいりましたが、本年度上半期から運用を開始し、良好な住環境や事業環境の保全・創出を進めてまいります。
 また、おおむね5年ごとに行ってまいりました市街化区域と市街化調整区域の区分の見直し、いわゆる「線引き見直し」の第7回目の取り組みにつきましては、県知事の基本的基準が示された後、具体的な作業を進めてまいります。
 町の玄関口であり、生活中心拠点としての寒川駅北口地区土地区画整理事業も現在、仮換地指定率・建物移転率共に98%を超え、事業終了まであとわずかとなっております。本年度は残りの移転協議を整え、移転に伴う公共施設工事を進めてまいります。
 寒川駅北口周辺には、新たな店舗の進出や土地の有効利用も始まっており、土地区画整理事業が進むにつれ、通過交通も整流化され、住居地域と商業地域の区分けも明確になり、秩序ある街並みに変わってきております。
 これも偏に地権者の皆様をはじめ、関係者ならびに町民の皆様の事業に対するご理解・ご協力の賜と心から感謝申し上げます。
 ツインシティ倉見地区のまちづくりにつきましては、都市未来拠点として、交通結節点にふさわしいまちづくりに取り組むことをはじめとして、安全で住みよいまちづくりと、さらなる発展をめざしてまいります。昨年は、地元の倉見・宮山地区において、小ブロック単位の「意見交換会」を開催し、話し合いを行ってまいりました。今後も引き続き、地元協議会や地権者の皆様との信頼を深め、十分協議・検討しながら、協働してまちづくりの計画案を取りまとめてまいりたいと考えております。
 また、東海道新幹線新駅の設置につきましては、「リニア中央新幹線開業後は、東海道新幹線のダイヤの過密度が緩和されるため、現在応えられない請願駅設置要望など新駅設置の余地が高まる。」との考えが、JR東海から示されております。現在、JR東海ではリニア中央新幹線の工事着工に向けて、環境影響評価の手続きが進められており、倉見地区への新駅設置の可能性が、高まってきているものと捉えております。町といたしましても、引き続き期成同盟会の一員として、新駅設置に向けた取り組みを進めてまいります。
 さがみ縦貫道路寒川南インターチェンジ周辺の田端西地区のまちづくりにつきましては、産業集積拠点として、同地区がさがみ縦貫道路沿線の中でも、地元発展の可能性・ポテンシャルが非常に高い地域であることから、地域や町の将来を見据えた「21世紀型インターチェンジ周辺整備のまちづくり」を進めてまいります。
 なお、昨年11月には地権者の皆様による「寒川町田端西地区土地区画整理組合設立準備会」が発足し、より具体的な調査、研究が始まったところでございます。
 今後につきましても、同地区の将来のあるべき姿について、準備会をはじめ、地権者や農業者の皆様との十分な協議のもとで、地元の皆様との共同作業により、実現に向けて進めてまいります。

 次に、基本目標の二つ目は「環境と共生したうるおいのあるまちづくり」であります。
 本町に残された貴重な自然を大切に守り育てるため、産業まつり開催時に緑化フェアも同時に実施するなど、本年度も引き続き緑化に対する意識の高揚を図ってまいります。
 都市化の進展により、町内の自然環境が大きく変化する中、町に現存する自然資源を守り次世代に引き継ぐことは、今を生きる私たちの重要な責務であります。
 そこで本年度は、次年度と2カ年をかけ、町に生息する動植物の実態を把握するため、動植物調査を行ってまいります。
 また、省電力・経費節減の取り組みといたしましては、電力の自由化により、特定規模電気事業者の安価で安定供給が見込まれる電力を採用し、防犯灯や役場庁舎の照明器具のLED化など環境負荷の少ないまちづくりを進めてまいります。
公害防止につきましては、環境保全協定を締結している事業所等と連携をした研修会を開催するとともに、公害等の未然防止や発生時の適切な対応について、県など関係機関との連携強化に努めてまいります。
 また、町内の環境の把握を目的に、県が実施する環境測定を補完するため、町独自でも大気や河川水質等の監視測定を行い、生活環境の保全に努めてまいります。
 さらに、資源の有効活用につきましては、本年度も引き続き、住宅用太陽光発電システム設置に伴う助成を行ってまいります。
 廃棄物の処理につきましては、焼却灰などの処分地を持たない町にとって、環境衛生の向上も含め、廃棄物の減量化及び資源化は大変重要な課題であります。現在、焼却灰は民間の最終処分場で埋立て処分をしておりますが、残余容量の減少、環境負荷の低減等の観点から、本年度より路盤材への活用など資源化に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、引き続き自治会などへの説明会の開催、広報紙やホームページなどを活用しての啓発、寒川広域リサイクルセンターの施設見学を通じての説明会など、様々な機会を通じて、広く町民の皆様に適正な資源物の分別、廃棄物の減量化への周知に努めてまいります。
 なお、これまで開催してまいりました自治会への説明会におきまして、多くの皆様からのご要望を受け、本年度よりさらに小さい10リットルサイズの可燃ごみ用指定収集袋を新たに導入してまいります。

次に、基本目標の三つ目は「安心で生きがいのあるまちづくり」であります。
 すべての町民が心と身体の健康を確保し、生涯にわたっていきいきと暮らせるよう、生活習慣病の予防や改善に向けた食育の推進や定期的な健康診査の受診、運動習慣の定着など元気プランに基づき、町民一人ひとりの健康づくりに取り組んでまいります。
 家庭において子どもは宝であります。子どもの出生を待ち望むご夫婦に対する不妊治療において、高額な治療費の一部を助成する、特定不妊治療費助成事業を本年7月から新たに実施いたします。
 さらに、妊娠中、ホルモンバランスの変化により、妊婦がむし歯や中期以上の歯周病を患うことで、体重の少ない赤ちゃんを早産する割合が高くなることから、胎内で母親の影響を受ける子どもの安全のため、体調が安定している妊娠23週頃までに1回、妊婦の歯科健康診査を本年度から新たに実施し、妊婦の口腔衛生の向上を図ってまいります。
 地域医療体制の充実につきましては、町民が安心して医療を受けられる環境を整備し、質の高い実践能力を備えた看護師が湘南東部医療圏への就職・定着できるよう、広域行政として藤沢市・茅ヶ崎市と共に藤沢市大庭に新設された、藤沢市医師会立湘南看護専門学校に対して支援を行ってまいります。
 高齢化が進む中では、高齢者が住み慣れた地域で安心して生活できるよう、高齢者の生活や健康に直結した各種高齢者施策を推進するとともに、医療・介護・予防・福祉事業等が連携し、切れ目なくサービスを受けられるよう、地域包括ケアシステムの整備に努めてまいります。
 子育て支援の充実につきましては、急速な少子化や核家族化、社会経済の急激な変化などにより、子どもや家庭を取り巻く環境が大きく変化する中、子どもが心身共に健やかに成長できる環境の整備を図ることが必要です。
 昨年8月に、子ども・子育て支援法が成立し、平成27年度からの本格施行となることから、地域の特色やニーズを反映させた子育て支援施策の実現をめざしてまいります。
 また、昨年12月に旭小学校敷地内に児童クラブ専用施設が完成し、町内全ての児童クラブが学校敷地内で活動できることとなりました。
 今後も、子どもたちが安全に楽しく過ごせる環境づくりを推進してまいります。
 保育環境の充実につきましては、保育園入園の待機児童の解消に向けて、入園枠の拡大の基準を活用しながら、一人でも多くの園児を受け入れられるよう努めてまいります。
 また、昨年9月に策定した「寒川町立保育園の民設化方針」に基づき、保育園の民設化を進めてまいります。
障がい福祉施策につきましては、本年4月から地域社会における共生の実現に向け、障がい福祉サービスの充実など、障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援することを目的とした障害者総合支援法が施行され、障がい者の範囲の見直しなどが行われます。
 町では、今後も、障がいをお持ちの方が住み慣れた地域で、安心した日常生活を送れるよう支援してまいります。
 また、これまで障がい福祉施策として、在宅重度障がい者の皆様に福祉手当の支給を行ってまいりましたが、在宅の障がい福祉サービス及び各種制度の充実が図られてきたことから、福祉手当の支給制度を終了し、障がいのある方が、在宅で安心して自立した日常生活を送ることができるよう介護給付費等のサービス提供の充実を進めてまいります。
 また、重度障がい者の皆様への医療費助成に関しては、本年度から県の助成制度に合わせて、年齢制限と所得制限を導入してまいりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 国民健康保険事業につきましては、近年、加入者の高齢化や医療技術の高度化などにより、今後も医療費の増加が懸念されることから、ジェネリック医薬品の普及啓発や特定健康診査、保健指導を推進し、医療費の軽減に取り組んでまいります。
 また、国民健康保険制度を維持し、被保険者の負担の公平を図るため、保険料収納率向上に努めてまいります。
 後期高齢者医療制度につきましては、神奈川県後期高齢者医療広域連合と連携しながら、個別相談や啓発活動に努め、制度の理解を深めてまいります。
 また、介護保険事業につきましては、「第五次寒川町高齢者保健福祉計画」に基づき、保険給付の円滑な実施と介護予防事業を引き続き推進してまいります。
 一昨年の東日本大震災における未曾有の被害は、自然災害の恐ろしさを再認識したところでございます。
 いつ起こるか予測できない自然災害の被害を最小限にすることは、町民一人ひとり、また家庭や地域における防災力の向上が非常に重要であることから、昨年度は、家族防災会議の日を設定し、家族の話し合いの場をつくっていただきました。
 本年度につきましては、広報紙などで防災情報の定期的な発信や標高表示を加えた防災マップの全戸配布を行ってまいりますので、各ご家庭で減災の備えについての話し合いをより一層深めていただき、町といたしましては、組織体制の充実を図り、資機材を中心とした備蓄品の整備を計画的に進めながら、各自主防災組織とも連携を強化し、防災力の向上に努めてまいります。
 また、木造住宅に対する耐震診断や耐震改修工事の補助を引き続き実施するとともに、広域避難場所となる小学校体育館の照明器具等の非構造部材耐震工事設計を実施してまいります。
 さらに、要援護者の避難支援を地域ぐるみで進めるため、自治会と民生委員児童委員のご協力のもと、災害時要援護者の把握調査を引き続き実施してまいります。
 防犯対策といたしましては、生活中心拠点である寒川駅北口の整備も完成に近づき、駅前のにぎわいとともに、安心・安全への取り組みが求められていることから、防犯連絡所や寒川駅前公園に防犯カメラを設置してまいります。
 また、防犯灯の整備、防犯パトロール車などで地域の見守り活動などを引き続き行うとともに、警察などの関係団体との連携や、防犯アドバイザーによる相談業務などを通じて、安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
 消防行政につきましては、町民の安心・安全の確保や、救命率の向上を図るため、救急救命士の養成や県消防学校での専門研修などにより、消防職員の専門性をより高めるとともに、消防団や防火団体の育成強化に努めてまいります。
 また、これまで男性だけで構成されておりました消防・救急体制に、本年度、町では第1号となる女性消防職員を配置し、消防分野においても男女の均等な雇用を確保するとともに、女性の視点に立った消防・防災の推進を図ってまいります。
 これまで茅ヶ崎市と協議を進めておりました、消防指令業務の共同運用につきましては、平成27年度の運用開始に向けて進めるとともに、町消防団との連絡体制の強化を図るため、デジタル簡易無線機を新たに導入してまいります。
 また、さがみ縦貫道路上での事故対応につきましては、特殊消火装置を装備した化学消防ポンプ自動車を購入するとともに、近隣消防との共同訓練や応援協定の見直しを図り対応してまいります。
 交通安全対策につきましては、新入学児童への黄色い帽子の配付、道路反射鏡の増設を引き続き行うとともに、警察などの関係団体との連携による講習会などを開催し、安全に暮らせるまちづくりを推進してまいります。
 また、町内2カ所のさがみ縦貫道路のインターチェンジの開通に伴い、多くの車両が生活道路に流入することで、地域の交通環境への影響が懸念されることから、その状況を見定めながら、警察とも協議を行い、交通規制等により地域の安全対策を図ってまいります。
 地域コミュニティの中心である自治会の活動は、活力と魅力ある地域づくりに欠かすことはできません。今後、一層地域との連携強化を図るため、自治会をはじめとする地域で活動する団体などとのパイプ役として地域担当職員の位置づけについて検討してまいります。
 また、まちづくり懇談会などで明らかになった自治会の枠組みを越える地域課題等の解決に向けた支援を進めてまいります。
 町民相談の推進につきましては、消費生活トラブルの被害者を一人でも少なくするため、地域に出向いての講座開催や、近隣市と連携し、被害者の救済、相談体制の充実に努めてまいります。
 
 次に、基本目標の四つ目は「豊かな心と文化をはぐくむまちづくり」であります。
 生涯学習の推進につきましては、「寒川 学びプラン」に基づき、町民一人ひとりが生涯を通じて生きがいのある充実した生活を送れるよう、乳幼児期から高齢期までそれぞれのライフステージに応じた学習機会の提供を図ってまいります。
 寒川総合図書館は、開館から7年目を迎え、昨年12月15日には、延べ来館者が200万人を超え、引き続き多くの皆様にご利用いただいており、昨年度は図書館機能の向上のため、南北公民館図書室とのサテライト化を図ったところであります。
 今後も、時宜にあったテーマによる特集展示や、閉館時間後を利用したライブコンサートの開催などにより、新たな利用者の掘り起こしに努めるとともに、資料収集やサービス向上に努めてまいります。
 スポーツ・レクリエーション活動の推進につきましては、日常的にスポーツに親しみ、健康増進を図ることを目的に、昨年度策定いたしました「寒川町スポーツ推進計画」に基づき、支援体制の充実や機会の提供などを推進してまいります。
 また、田端スポーツ公園につきましては、本年度、管理棟を設置し施設管理の充実を図るとともに、施設の有料化に向けた検討を進めてまいります。
 幼児教育の充実につきましては、私立幼稚園等の園児の保護者に対しまして、所得状況に応じて保育料・入園料の一部を補助し、幼児教育に係る経済的負担を軽減することで、就園を奨励してまいります。
 昨年度から「よく学び よく遊び よく生きる」をめざし、寒川町教育振興基本計画がスタートいたしました。 寒川町の子どもたちに、「確かな学力と豊かな心、健やかな体」を育むことは、学校教育の普遍的な課題であり、保護者、町民の大きな願いでもあります。特に、町の喫緊の課題と捉えている学力の向上につきましては、学力向上補助教材を利用した確認テストを引き続き実施するとともに、小学校第1学年から第3学年までにおいて少人数学級を継続して実施し、きめ細やかな指導体制を確立してまいります。
 また、地域の教育力を生かし、授業や課外活動の一層の充実をめざし、地域で活躍する人や多種多様な企業で働く人を「地域のせんせい」として講師に迎え、授業や補充学習、総合的な学習の時間、道徳の時間、部活動などの充実を図ってまいります。
 さらに、支援教育の充実のため、本年4月には旭小学校に特別支援学級を1学級増設し、障がいのある児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を展開してまいります。
 いじめ・不登校・問題行動など、児童・生徒に関わる課題は山積しており、様々な要因が複雑に絡み合っております。家庭環境・社会環境の変化を踏まえながら、個々のニーズに応じた支援体制を整えるとともに、各種教育相談が効果的に機能するように努め、心の教育についても、しっかりと取り組み、生命・人権を尊重し、思いやりをもって生活できる児童・生徒の育成に努めてまいります。
 教育用コンピュータにつきましては、教科や総合的な学習の時間を中心に、コンピュータの基本的操作や情報収集、表現方法等、児童・生徒の情報活用能力の育成に努めてまいります。
 また、充実した教育環境の確保のため、小谷小学校教室棟大規模改修工事及び寒川小学校南棟大規模改修工事設計委託を実施してまいります。
 青少年の健全育成につきましては、家庭・地域・学校・行政等が連携していく中での取り組みが重要になっております。放課後児童の健全育成を目的とした「さむかわふれあい塾」においては、児童クラブとの連携を深め、体験学習などを通じて世代間交流を進めながら、子どもたちの豊かな成長を育んでまいります。
 また、文化活動につきましては、サークル活動の場の充実を図ってまいります。
 寒川文書館は、寒川のことなら何でも調べられる施設をめざし、未来のまちづくりに資することができるよう、歴史的公文書をはじめとする資料の収集・保存・利用促進に努めてまいります。
次に、基本目標の五つ目は「魅力ある産業と活力のあるまちづくり」であります。
 本町の産業は、昭和30年代後半の積極的な企業誘致以降、工業を中心に発展してまいりましたが、これからは、各産業間の連携や地域資源に着目した新たな活性化策を展開していく必要があります。
 商業振興につきましては、寒川駅前公園を活用し、年間を通じて集客を見込めるイベントなどを開催し、活力とにぎわいのある中心商業地としての魅力づくりを進めてまいります。
 工業振興につきましては、さがみ縦貫道路の開通といった都市基盤整備に加え、少子高齢化への対応や自然災害への備えとして、生活支援ロボット関連企業の集積を進めるため、県が主体となり進める「さがみロボット産業特区」などを活用し、企業誘致ならびに既存企業の活性化に向けた情報提供に努めてまいります。
 また、藤沢市、茅ヶ崎市、寒川町の2市1町内における関係機関等が広域で実施することで、相乗・補完の効果が期待できる取り組みとして、昨年度策定いたしました「湘南広域産業振興戦略」を広く町内の企業に周知し、企業間等の連携を促進するとともに、町内の企業を訪問する中で、企業の実情を把握し、町が実施している中小企業支援制度の活用やニーズに合った企業支援策について検討してまいります。
 さらに、経営改善貸付として「小規模事業者経営改善資金融資に対する利子補助制度」を新設し、経済環境の悪化により厳しい経営状況にある小規模事業者の経営安定を図ってまいります。
 農業振興につきましては、都市型農業としての地域性を生かした振興を図るため、品評会の開催などを通じ、高品質な農産物を町内外に周知し地産地消を促進してまいります。
 また、昨年10月に、2市1町の広域連携による、新規就農者の受入支援態勢の統一化及び農地情報の共有化を図りました。今後は、この運用について周知を図り、新たな担い手の確保や遊休農地などの解消に努めてまいります。
 勤労者対策につきましては、地域経済の安定と町民が豊かで安心できる暮らしのために、勤労者の生活の安定と雇用の確保への取り組みが重要です。
 そこで、生活の安定と福祉の増進を目的とした生活資金融資、修学の促進と教育費の負担軽減を目的とした教育資金利子補助などを引き続き実施してまいります。
 また、雇用の促進では、就労支援策として湘南地域の企業と就職希望者を対象に、ハローワークと2市1町に鎌倉市を含めた3市1町により合同で開催している「湘南合同就職面接会」を引き続き実施し、雇用創出に向けての就労支援を行ってまいります。
 観光振興につきましては、町の観光資源でもある寒川神社を活用し、多くの来訪者が長時間滞在できるような環境づくりを進めるために、寒川神社を中心とした魅力ある観光拠点づくりに取り組んでまいります。
 なお、昨年行われた「寒川みんなの花火」は、若い方たちが中心となり、町民の皆様の手作りによる素晴らしいイベントとなりました。今後、町といたしましては、このような町民主体で開催されるイベントを積極的に支援してまいりたいと考えております。

 

(おわりに)

 以上、平成25年度の町政運営にあたっての基本的な方針と施策概要につきまして、ご説明させていただきました。
 冒頭申し上げましたとおり、依然として町にとって厳しい状況が続くものと予測され、このような状況の中では、全ての施策に対して総花的にサービス提供を行うのではなく、事業の「選択と集中」により確実に効果のある施策を重点的に実施するとともに、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を獲得しながら戦略的に進めていく必要があると考えます。
 こうした中、地方自治の本旨である「住民自治」の理念に則り、自治体の足場は地域にあることを踏まえ、今後も町民協働のまちづくりを進めるため、行政のパートナーである町民の皆様と意見を交わしながら、「地域の中へ」を合言葉に、私自らが職員の先頭に立ち、この難局に立ち向かっていく所存でございます。
 つきましては、議員各位をはじめ、町民の皆様のより一層のご理解とご協力を重ねてお願い申し上げ、私の平成25年度の施政方針といたします。

この記事に関するお問い合わせ先

企画政策課企画マーケティング担当
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