平成24年度 施政方針

更新日:2013年03月19日

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本日ここに、平成24年寒川町議会第1回定例会の開会にあたり、平成24年度予算案をはじめ関係諸議案を提出し、審議をお願いするわけでございますが、私の町政に対する基本的な考え方と施策の概要について申し述べ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと思います。

(はじめに)

私が昨年9月に町長に就任してから5ヶ月が過ぎました。その間にも、様々な場面で町民の皆様と直接お会いし、防災対策や今後のまちづくりなどに関して貴重なご意見をお伺いするとともに、県をはじめとする関係機関とも十分に連携ができるよう、様々な調整を図ってまいりました。町長という重責を全うするためには、町民の皆様と直接お会いし、小さな声にも耳を傾け、共に考え、町政反映に努めることが重要であると改めて得心したところでございます。
こうした中、昨年の世相を表す漢字に「絆」という文字が選ばれました。国内では、未だに大きな傷跡を残す東日本大震災や紀伊半島を中心とした台風被害などの自然災害により、家族や地域といった身近でかけがえのない人々に対する絆の大切さを誰もが認識したことと思います。一方、明るい話題では、チームワークと信頼によりサッカーワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」ことサッカー日本女子代表の姿に勇気と感動を見たのは、多くの日本人が「絆」の大切さを感じたからだと思います。
私といたしましては、この「絆」こそが今の日本全体に漂う閉塞感を打開するものであり、地域の活性化になくてはならないものであると確信しており、今後とも議員各位ならびに町民の皆様のご協力を賜りながら、活力あるまちづくりを共に進めてまいりたいと思います。
さて、社会経済情勢に目を転じますと、昨年3月11日に発生した東日本大震災により、国内の経済活動は深刻な打撃を受けました。
その後、国をあげた復旧・復興努力を通じて、サプライチェーンの急速な立て直しが図られ、景気は徐々に持ち直しに転じましたが、円高の進行や欧州債務危機による世界経済の減速が景気の持ち直しを緩やかなものにしております。先行きのリスク要因としては、欧州の政府債務危機により海外景気が下振れし、国内景気が下押しされる懸念や、原子力災害の影響による電力供給の制約、デフレの影響による雇用情勢の悪化などが懸念されており、今後の地域経済についても先行き不透明であり、依然として厳しい状況が続くものと予測されますが、このような時だからこそ、町民の皆様と町がしっかりと手を携え、自治基本条例の本旨である協働のまちづくりを進める必要がございます。

(町政に対する基本的な考え方)

本町は、昭和15年に町制を施行し、本年で72年目を迎え、寒川の顔でもあるJR寒川駅北口の整備をはじめ、「さがみ縦貫道路」や都市計画道路「藤沢大磯線」の整備など都市基盤も整いつつあり、時代の移り変わりとともに、まち並みの表情も変化し続けております。
しかしながら、多様化する町民ニーズがある中で、一様に応えることはできません。
このような状況の中、町政運営の基本的な考え方として、大局的に着目しながら確実にできるところから着手する「着眼大局、着手小局」で進めてまいりたいと考えております。
また、本年度は、町総合計画「さむかわ2020プラン」後期基本計画がスタートいたします。
後期基本計画につきましては、目標指標や財政計画を掲げ、実効性のある計画となるよう策定いたしたところです。この計画を着実に推進していくためには、事業の「選択と集中」を図ることが必要であるとともに、地域主体・町民参画によるまちづくりが、今後の町政運営のあり方であると考えており、皆様のご指導・ご協力を賜りながら、まちづくりを進めていく所存でございます。

(平成24年度における重点施策)

平成24年度における重点施策といたしまして、二点掲げてございます。
まず、一点目の重点施策といたしまして、「明日を担う子どもたちの健やかな育成」に関する施策でございます。
今、世界は激動の中にあります。これからの時代を生き抜くために必要な学力は、課題解決するために必要な思考力、判断力、表現力等であることから、少人数学習等を通して学力の向上を図ってまいります。
また、地域の教育力を生かし、授業や課外活動の一層の充実を目指し「地域のせんせい」ふれあい推進事業を展開いたします。様々な経験や知識を有し、地域の中で活躍する方々を「地域のせんせい」として講師に迎え、教育活動の充実を図ってまいります。
さらに、本年4月から旭小学校と寒川東中学校に特別支援学級を新設するとともに、旭が丘中学校には特別支援学級をさらに1学級増設し、障がいのある児童・生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じた支援を展開してまいります。
今後も、新たな特別支援学級の設置につきましては、条件が整い次第、進めていく予定でございます。
次に、二点目の重点施策は、「安心して暮らせるまちづくり」に関する施策でございます。
前段でも申しましたが、昨年3月11日に発生した東日本大震災は、まさに自然災害の恐ろしさを見せつけられた未曾有の災害でありました。
いつの時代にあっても、災害から町民の生命・財産を守ることは、行政としての最大の責務でありますが、災害はいつ起こるか予測できないものでございます。そこで、何よりも重要なことは、被害をいかに小さく抑えるかという「減災」の視点であり、そのためには一人ひとり、また、家庭や地域における取り組みが欠かせないものでございます。
本年度は、家族で防災対策について考えていただく「家族防災会議の日」を毎月1回設定させていただき、それを広く周知することにより、家族ならびに町民一人ひとりの防災意識の高揚を図ってまいります。
また、町広報板に標高の表示をしておりますが、今後は標高を入れた防災マップの更新や、備蓄食糧の購入、各広域避難場所にガスパワー発電機を配備するなど防災対策の充実を図るとともに、町内の自主防災組織に対しまして、防災資機材の整備や更新等を支援するため、新たな補助制度を創設し、地域防災力の向上を図ります。
さらに、緊急情報をお知らせする防災行政用無線の聞き逃しの防止を図るため、各小学校区の児童クラブに戸別受信機を設置し、子どもたちの安全を図ってまいります。
次に、交通安全・防犯対策といたしましては、新入学児童へ黄色い帽子の配布や防犯ブザーを貸与し、児童の安全確保を図ってまいります。また、道路反射鏡や防犯灯の増設等を行うとともに、警察をはじめ関係団体との協力のもと、交通安全、防犯の講習会等を開催し、安全で安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。
なお、防犯灯につきましては、本年度より、環境に優しく、また、省エネや器具の長寿命化により、設置後の維持管理費の軽減が期待できるLED照明の導入を順次進めてまいります。

(平成24年度予算)

歳入の一般財源の根幹をなす町税でございますが、町税の歳入に占める割合は、ここ数年減少傾向にあり、本年度も昨年度に引き続き非常に厳しい状況となっております。
個別に税目をみますと、個人町民税については、一部扶養控除の廃止等、税制改正等の実施によりまして、微増としておりますが、基幹税目であります固定資産税は、本年度が3年に1度の評価替えの年であり、路線価の下落や償却年数の経過により、土地家屋及び償却資産については減少としております。
また、法人町民税についても、東日本大震災や原発事故ならびに欧州債務危機を基因とする急速な円高に伴う様々な影響等、町内企業の業績も含め景気動向について不透明な状況が続いていることから減少としております。
こうした中での町税総額は、対前年度比1.0%の減となる82億2,166万3千円を見込んでおり、増収が見込めない中、平成22年度からの緊急財政対策による事業の見直し等を継承することといたしました。
また、こうした取り組みのほか、広域リサイクルセンターの竣工や、寒川駅北口地区土地区画整理事業の進展、子ども手当支給事業費などの縮減により、本年度の予算規模を大幅に減額し、一般会計は128億6,300万円で、前年度比13.5%の減とし、国民健康保険事業特別会計をはじめとする5特別会計を合わせた全会計の予算額は、227億8,920万2千円で、前年度比6.6%の減といたしました。

(平成24年度予算の主な事業)

それでは、重点施策を除いた平成24年度予算の主な事業について、まちづくりの指針である町総合計画「さむかわ2020プラン」の基本姿勢、基本目標に沿って、順次ご説明申し上げます。
まず、総合計画の基本目標を推進するにあたり、3つの基本姿勢に基づき進めてまいります。

まず、基本姿勢の一つ目といたしまして、「町民との協働によるまちづくり」であります。
私は、就任してからこれまでの間、地域との絆づくりの重要性をあらゆる場でお話ししてまいりました。地域の絆づくりとは、まさに町民との協働なくして達成できるものではございません。今後とも、自治基本条例の本旨に則り、町民・行政・その他多様なまちづくり主体との連携・協働によるまちづくりを進めてまいります。
また、各種審議会や委員会等への参加や傍聴の機会を確保するとともに、町民と行政との対話の機会を充実し、町民の参画を促進し、町民参加型の町政運営を進めてまいります。
さらに、情報公開を適正に進め、行政の持つ様々な情報の共有化を図るとともに、町民の皆様が安心して暮らせるよう積極的に情報提供を行ってまいります。
その一環として、本年度は、町民の暮らしに役立つ情報をまとめた「寒川町暮らしの便利ガイド」を民間企業と共同作成し、全世帯等に配布いたします。
また、インターネットをはじめとする様々なツールを活用し、町民からの意見や提案等をまちづくりに反映するための広聴機能の充実を図ることで、町民との協働によるまちづくりを進めてまいります。

次に、基本姿勢の二つ目は、「広域行政によるまちづくり」であります。
今日、地方分権も本格的に進み、それぞれの自治体で個性的で魅力的なまちづくりを進める気運が非常に高まる中、地域間競争も熾烈なものになってまいりました。また、情報インフラも急速に整備が進み、住民ニーズは自治体の境界を越えるものも多く、共通課題が山積している状況でございます。
一方、それぞれの自治体には、財政力といった地域格差も歴然と存在しており、特に町村につきましては、人口も少なく、脆弱な財政基盤の上で、経常的かつ義務的経費の負担により、年々財政の硬直化が進んでいるところです。
こうした中、効率的で効果的な行財政運営を行うためには、スケールメリットを生かした広域行政を推進する必要があると考えております。
今後とも、藤沢市・茅ヶ崎市との2市1町による広域行政を中心に近隣市町村と連携を深め、様々な共通課題解決に向け、広域行政を推進してまいります。
その一つとして、本年7月には、県からの権限移譲によりまして、藤沢市・茅ヶ崎市と連携し、湘南C―X(シークロス)にパスポートセンターを開設し、町民の利便性の向上を図ります。

基本姿勢の三つ目は、「地域主体による行政運営」であります。
地域が主体となったまちづくりを進めるためには、地方分権を推進し、事務の権限移譲や規制緩和に的確に対応するとともに、町独自の創意工夫により地域の特性を生かしたまちづくりを進める必要があります。
また、社会環境変化に柔軟に対応できる組織や事務の効率化を図り、本年度よりスタートする第5次行政改革実施計画を確実に推進するとともに、厳しい財政状況の中、限りある資源の有効活用を図るため、徹底した経費の節減や自主財源を確保し、効率的な行財政運営を進め、健全財政を維持してまいります。
なお、行政改革の一環といたしまして、町税では既に取り組んでおりますが、平成24年度から国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料、保育料の4つの町徴収金につきまして、町民の利便性の向上や納付機会の拡大、自主財源の確保を目的に、コンビニ収納の導入に取り組んでまいります。
次に、総合計画の5つの基本目標につきまして順次ご説明申し上げます。

基本目標の一つ目は、「快適でにぎわいのあるまちづくり」であります。
便利で機能的な産業活動、町民生活の快適性、利便性そして安全性の確保には道路整備は欠かせません。しかし、近年、町道は経年変化や産業、町民活動により老朽化や損傷が進んでいます。本年度も、道路の改良、維持管理に力を注ぎ、人に優しいみちづくりに努めてまいります。
橋りょう事業につきましては、小出川改修に伴う寺尾橋架け替え事業を、昨年度に引き続き、県・茅ヶ崎市とともに進め、また、老朽化の激しい聖天橋の架け替えのための予備設計を実施してまいります。また、その他の橋梁の計画的な維持管理を図るため、「橋梁長寿命化修繕計画」の策定に着手してまいります。
「さがみ縦貫道路」につきましては、現在、国土交通省にて、平成24年度内の供用開始目標に向けて精力的に工事が進められておりますが、一部区間の工事進捗に遅れが生じていることから、現在、工程精査中となっております。引き続き早期完成に向け要望してまいります。
また、「さがみ縦貫道路」と二層構造で整備が進められてきました都市計画道路「藤沢大磯線」につきましては、現在、暫定供用されておりますが、4車線本格供用の早期実現を、県に要望してまいります。
「さがみ縦貫道路(仮称)寒川北インターチェンジ」と東西方向を結ぶ広域的な幹線道路に位置付けられている「(仮称)湘南台寒川線」につきましては、現在、ルートの詳細について関係機関との調整を進めております。今後につきましては、地域の実情にあった整備を目指し、早期の都市計画決定、事業化に向けた取り組みを進めてまいります。
コミュニティバス「もくせい号」につきましては、昨年行ったダイヤ改正の効果もあり、利用者は増加傾向となっておりますので、引き続き町民の皆様の足として運行してまいります。なお、今後の運行につきましては、コミュニティバスのあり方等検討委員会にて、町民の方々の参加をいただきながら、事業効率などを踏まえ、より望ましい交通手段のあり方を本年度中に結論を出してまいります。
公園や緑地につきましては、地域のネットワークづくりの場でもあるとともに、災害時の避難場所としての機能等も有しております。昨年、台風の影響で、一部の公園で樹木の倒木などが生じたことから、今後は、一層の安全管理に努めてまいります。
また、一昨年開園の寒川駅前公園、昨年10月開園の大塚公園に続き、本年度は憩いの空間として、寒川駅北口地区内に3つ目の公園整備を行ってまいります。
下水道事業につきましては、生活環境の向上と公共用水域の水質保全に向けて整備を進めております。本年度は、引き続き普及促進を図っていくとともに、下水道施設の適正な維持管理を行うため、昨年度作業着手した「下水道長寿命化計画」を策定してまいります。
また、下水道事業の経営基盤の安定化を目指し、昨年度策定した「地方公営企業法適用基本方針」に基づき、公営企業会計の平成27年度導入を目指し、取り組んでまいります。
河川事業につきましては、相模川沿いでは「さがみ縦貫道路」整備に伴い堤防整備が進められておりますが、まだ不完全な状況にありますので、引き続き早期完成に向けて国や県に要望してまいります。
  また、小出川の河川改修工事につきましても、早期整備を引き続き県に要望してまいります。
近年、中高層の建築物の立地に伴う日影等の周辺住民とのトラブルが見受けられることから、良好な住環境や事業環境、まちなみ景観を守るためのルール作りが必要です。本年度も町民皆様の声をいただきながら、都市計画法に基づく「高度地区」の導入に向け進めてまいります。
寒川駅北口地区土地区画整理事業につきましては、本年度も町の最優先事業として進めてまいります。現在、建物移転率も96%を超え、事業もあと僅かとなっております。本年度は、都市計画道路「寒川下寺尾線」より南側地区の工事や補償を重点的に進め、早期完成を目指します。
当該地区では、新たな店舗の進出や寒川駅前公園には家族連れや子どもたちが集うなど、寒川駅前ににぎわいが生じていると実感しています。さらには、土地区画整理事業が進むにつれ、住居地域と商業地域の区分けも明確になり、利用しやすい町並みに変わってきています。これも偏に地権者の方々をはじめ、関係者ならびに町民の方々の事業に対するご理解・ご協力の賜と心から感謝を申し上げます。
次に、東海道新幹線新駅の設置促進と、ツインシティ倉見地区のまちづくりの推進でございますが、新幹線新駅の設置につきましては、「リニア中央新幹線開業後は、東海道新幹線のダイヤの過密度が緩和されるため、現在応えられない請願駅設置要望など新駅設置の余地が高まる。」との考えが、JR東海から示されております。
国土交通大臣による、リニア中央新幹線のJR東海への建設の指示や、JR東海が中間駅建設費の全額自己負担を発表したことなどにより、リニア新幹線は、実現に向け具体的に動き出しており、それに伴い、倉見地区への新駅設置の可能性が、次第に高まってきていると感じています。
町では、引き続き期成同盟会の一員として、新駅設置に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。
また、新駅設置に向けた取り組みとあわせ、JR東海が新駅設置の可否を判断するための重要な要素としている、ツインシティ倉見地区のまちづくりにつきましても、広域的な交流・連携の窓口として、また、新駅誘致地区を中心とした新たな町北部の拠点として、交通結節点の利便性を生かした、環境と共生したまちづくりを目指してまいります。
そのためには、地元の皆様にまちづくりについてご理解をいただくことが大切であり、地元協議会や地権者の皆様との信頼を深め、共に考え、十分協議しながら、まちづくりを進めてまいります。
「さがみ縦貫道路(仮称)寒川南インターチェンジ」周辺の田端西地区のまちづくりにつきましては、同地区がさがみ縦貫道路沿線の中でも、地元発展の可能性・ポテンシャルが非常に高い地域であることから、地域や町の将来を見据えた計画的なまちづくりとして、21世紀型のインターチェンジ周辺整備を進めてまいります。
今後につきましては、地区の将来のあるべき姿について、地元研究会をはじめ、地権者や農業者の皆様との十分な協議のもとで、地元の方々との共同作業により、実現に向け進めてまいります。

基本目標の二つ目は、「環境と共生したうるおいのあるまちづくり」であります。
まず、緑化への取り組みですが、これまで春に開催してまいりました緑のフェスティバルにつきましては、昨年度20回目の節目を迎えましたことから、これまでの活動を振り返り、今後の方策を検討する意味から、本年度からしばらくの間休止いたしまして、秋の産業まつり開催時の「緑化フェア」に集約することで緑化の普及啓発を行ってまいります。
私たちの便利で豊かな生活は、環境に負荷を与えて実現しているものが多いという認識をした上で、快適に安心して暮らせる環境を次世代につなげていくための取り組みが求められています。
さむかわエコネット自然環境部会による、目久尻川クリーン作戦などの河川美化のボランティア活動をいただいておりますが、町といたしましても、環境行政全般の取り組みについては、新たに策定した第2次寒川町環境基本計画に基づき推進してまいります。
また、地球環境、特に地球温暖化防止につきましては、温室効果ガス発生の抑制、自然エネルギーの効率的利用の推進を目的として、引き続き住宅用太陽光発電システム設置を県と連携した補助制度により進めてまいります。
  公害防止につきましては、事業所との環境保全協定の締結促進や公害防止に関する研修を実施し、公害の未然防止、公害発生時の適切な対応を進めてまいります。
また、大気や河川水質等環境の状況を継続的に監視・測定し、生活環境の保全に努めてまいります。
廃棄物に関しましては、循環型社会の形成を目指し、廃棄物の発生抑制と資源物の有効利用を基本として、町民の皆様と共にごみの減量化を図りながら、分別による資源化の取り組みを進めてまいります。
さらに、寒川広域リサイクルセンターが4月から本格稼働いたしますので、町民の皆様には施設見学を通じて、リサイクル意識の啓発や学習機会の提供となるよう、施設の効率的運用や有効活用を進めてまいります。

  基本目標の三つ目は、「安心で生きがいのあるまちづくり」であります。
母体や胎児の健康確保と健診費用負担の軽減を図るため、妊婦健診費用の一部公費負担を、引き続き14回分まで実施するとともに、県外などの医療機関で受診し補助券が利用できなかった場合には、後日償還払いを行って負担軽減を図ってまいります。
また、昨年度に実施し好評を得ました、祖父母世代の子育て講座につきましては、本年度も実施し、安心して出産・子育てができる環境づくりに努めてまいります。
健康づくりの推進につきましては、疾病の予防や早期発見に重点をおき、「自分の健康は自分で守る」ことを基本に、各種健康づくり事業の展開を図ってまいります。
また、「成人の健康診査」や「各種がん検診」を推進する中で、女性特有のがんや大腸がん検診の集団検診の回数を増やして、受診率の向上を図ります。
さらに、歯の健康づくりの推進につきましても、「80歳で20本の歯を保つ」ことを目標に、虫歯や歯周疾患等を予防するため、40歳、50歳、60歳、70歳の方を対象に実施する成人歯科健診の受診期間を延長し、受診の機会を増やしてまいります。
食生活の改善や運動習慣の定着を重点課題とした「さむかわ元気プラン」の推進につきましては、ライフステージに合わせた健康づくりの推進を進めてまいりました。平成24年度で第1期計画が終了することから、平成25年度から実施する第2期計画については、食育の視点も幅広く取り入れながら策定してまいります。
また、本年度スタートする第五次寒川町高齢者保健福祉計画では、高齢者の生活や健康に直結した各種高齢者施策の一体的な推進を図ってまいります。
高齢者等に対するはり・きゅう・マッサージ券の配布につきましては、対象者を、より需要の高い方に重点を置くとともに、配布枚数を増やしてまいります。
保育園運営事業につきましては、保育園入園の待機児童の解消に向けて、入園枠の拡大の基準を活用しながらクラス編成等の工夫を行い、一人でも多くの園児を受け入れられるよう努めていくとともに、町立保育園のあり方や民設化の有効性についても、検討を行ってまいります。
また、放課後児童健全育成事業では、旭小学校敷地内に児童クラブ専用施設を新たに建設することにより、子ども達が安心して、楽しく過ごすことができる環境づくりを推進してまいります。
子育て支援事業につきましては、昨年10月より乳児家庭全戸訪問を実施し、保護者から様々な不安や悩みをお伺いし、子育て支援に関する情報提供などを行っております。要支援家庭の孤立化を防ぎ、子育てしやすい環境づくりをさらに充実してまいります。
また、小児医療費助成事業につきましては、本年度も小学校3年生までを対象として、医療費の自己負担額を一定条件のもとで助成し、子育て世帯への支援を行ってまいります。
次に、障がい福祉につきましては、障害者自立支援法や児童福祉法が一部改正されたことにより、利用者負担の見直し等、障がい者を取り巻く施策が大きく変わります。
町といたしましても、制度改正に見合った相談支援の充実、障がい児支援の強化などの体制整備を図ってまいります。
また、障がい者ニーズに対応した障がい福祉施策の一環として、神奈川県及び藤沢市、茅ヶ崎市、鎌倉市、寒川町の広域連携により、在宅重度障がい者の短期入所を、支援困難なケースや緊急的な支援が必要なケースに24時間、365日対応できるよう施設の受入体制整備に取り組んでまいります。
さらに、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」が、本年10月から施行されるため、関係機関と連携を図り、安定した生活を送れるよう取り組んでまいります。
次に、国民健康保険事業につきましては、近年、加入者の高齢化や医療技術の高度化などにより、医療費の増大が懸念されます。このようなことから、特定健康診査や、ジェネリック医薬品の普及対策のための差額通知の発送など、医療費負担の軽減に取り組んでまいります。
後期高齢者医療制度は、新たな制度の開始に向けて国において検討が進められています。新制度開始までの間は現行制度を円滑に進めるために、広域連合と連携しながら個別相談や啓発活動に努め、制度の理解を深めてまいります。
国民年金事業につきましても、将来に向けて持続可能な年金制度とするための取り組みが、現在、国において進められています。今後も藤沢年金事務所と連携を密にし、現役世代に公的年金制度の理解を進めるとともに、町民の皆様が無年金者とならないよう、年金相談の充実と啓発活動に努めてまいります。
介護保険事業につきましては、引き続き介護予防事業を推進するとともに、新たに要介護者の在宅生活を支える地域密着型サービスとしての定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所の開設を図ってまいります。
また、本年度から国民健康保険料、介護保険料につきましては、4月からの暫定賦課を廃止し、6月からの年額の保険料通知を行うことで、わかりやすい保険料通知とし、あわせて事務の簡素化と経費の削減を図ります。
次に、防災対策につきましては、重点施策のほか高齢者や障がいのある方など、いわゆる災害時における要援護者の避難支援を地域ぐるみで行うため、自治会と民生委員児童委員のご協力のもと、引き続き常に新しい情報を把握してまいります。
安全で安心なまちづくりを推進するため、旧建築基準で建築された建築物の耐震性の向上を図ることが求められています。耐震診断・耐震改修工事の普及、啓発を図り、また、耐震診断や改修工事に対する補助を行い、寒川町耐震改修促進計画で目標としている耐震化率90%達成を目指してまいります。
また、地域の安全を守るため、寒川駅北口に交番を設置していただくよう、引き続き県警察本部に対し積極的に要望してまいります。
消防行政につきましては、救急救命士の養成や、消防大学校における研修により、消防職員の専門性の向上を図るとともに、消防団や防火団体の育成強化に努めます。また、本年度は、高規格救急車を購入するとともに、寒川駅北口地区内に3つ目の公園整備にあわせ、防火水槽を設置し、消防水利の確保を図り、消防力の充実強化を進めてまいります。
消防救急無線のデジタル化への移行や、消防緊急指令システムの共同運用につきましては、茅ヶ崎市との協議を進めるとともに、藤沢市・鎌倉市・茅ヶ崎市の近隣消防との連携事業の取り組み、消防相互応援協定の見直しなど、広域連携を推進してまいります。
また、新たにAED(自動体外式除細動器)を各保育園に設置するとともに、普通救命講習会を積極的に開催し、町民と町の協働による「救命の輪」を広げてまいります。
さらに、昨年6月に設置義務化された住宅用火災警報器につきましては、引き続き様々な啓発活動を通し、設置促進に努めてまいります。
次に、地域活動の推進につきましては、地域のことは地域で決める体制づくりの第一歩といたしまして、昨年度、防災をテーマに「まちづくり懇談会」を開催いたしました。本年度につきましても、引き続き「まちづくり懇談会」を開催し、地域課題の解決に向け、地域の皆様と共に取り組んでまいります。
また、自主的な地域活動を支援するため、地域担当職員制度の導入につきましても、検討してまいります。
町民相談事業につきましては、高齢者やインターネットを利用した消費生活をめぐるトラブルが複雑、深刻化してきていることから、本年度も引き続き、消費者相談窓口の周知や高齢者などを対象とした講座を開催し、消費者被害の防止を図ってまいります。
また、年間の自殺者数が3万人を超える状況の中、国では様々な悩みや問題を抱えた人々に届く「当事者本位」の施策の展開を目指しております。町といたしましても、自殺のサインにいち早く気づき、専門機関へつなぐことができるよう、職員を中心に研修を実施するなどの自殺防止対策に取り組んでまいります。
男女が共に、自らの能力を発揮し、個性を伸ばし自由に生き方を選択できる社会をつくることが「男女共同参画社会の形成」の実現につながると考えます。この実現に向け、平成23年度から5年間を計画期間とした「第3次さむかわ男女共同参画プラン」に基づき、様々な講座を神奈川県・藤沢市・茅ヶ崎市などと連携を図りながら開催し、意識づくりを図ってまいります。

基本目標の四つ目は、「豊かな心と文化をはぐくむまちづくり」であります。
生涯学習の推進につきましては、「寒川 学びプラン」及び平成24年度スタート予定の寒川町教育振興基本計画に基づき、町民一人ひとりが生涯を通じて生きがいのある充実した生活を送れるよう、それぞれのライフステージに応じた学習機会の提供を図ってまいります。
なお、寒川町公民館の建て替えについては、苦渋の決断として当面は凍結いたしますが、利便性等も考慮して現在の寒川小学校余裕教室で運営している地区公民館機能に加えて、町民センターにもその機能を取り入れるよう進めてまいります。各公民館では、引き続き時代のニーズに即した各種講座を開催し、生涯学習の推進と地域文化の振興、世代間交流に努めてまいります。
その一つとして、本年度は小学校高学年を対象に、科学をテーマとした教室や町民センターホールを使用した実験ショーを実施するとともに、科学的探究心を養うため科学少年団を設立してまいります。
寒川総合図書館は、開館から6年目を迎え、多くの方々にご利用いただいており、生涯学習の拠点施設として定着してきていることを強く感じております。
利用者の利便性の向上のために、総合図書館と南北公民館図書室のサテライト化を図り、図書館機能を向上させてまいります。また、時宜にあったテーマによる特集展示や、開館時間終了後の図書館を利用したライブコンサートなどにより、新たな利用者の掘り起こしにも努めてまいります。
次に、スポーツ・レクリエーション活動の推進につきましては、その充実を図るため、体育の日にスポーツデイの開催や親子を対象とした教室、スポーツ大会等を開催し、多くの町民に生涯スポーツの普及を推進してまいります。
また、昨年スポーツ基本法が50年ぶりに改正されたことにより「寒川町スポーツ振興基本計画」を「寒川町スポーツ推進計画」に改め、さらなる町民のニーズと社会状況にあった計画としてまいります。
幼児教育の推進といたしましては、本年度も、私立幼稚園等の園児の保護者に対して、所得状況に応じて保育料・入園料の一部を補助し、幼児教育に係る経済的負担を軽減することで、就園を奨励してまいります。
次に、学校教育の推進でございますが、寒川町の子どもたちに「確かな学力と豊かな心、健やかな体」を育むことは、学校教育の普遍的な命題であり、保護者、町民の大きな願いでもあります。特に、寒川町の喫緊の課題ととらえている学力の向上については、小・中学校が連携を取りながら、校内研究を充実し、授業改善を図るとともに、家庭での学習習慣の形成を大きな柱とし、児童・生徒の学力の向上を目指してまいります。
具体的には、学力向上補助教材を利用した確認テストの実施や小学校第3学年に町単独の35人以下学級を導入し、きめ細やかな指導体制を確立いたします。
また、いじめ、不登校、問題行動など児童・生徒に関わる課題は山積しており、様々な要因が複雑に絡み合っております。家庭環境・社会環境の変化を踏まえ、個々のニーズに応じた支援体制を整えるとともに、各種教育相談が効果的に機能するように努めてまいります。
昨年度から改訂された小学校学習指導要領が実施され、外国語活動が5・6年生で必修となりました。町では、引き続き3名の英語指導助手を雇用し、小学校の外国語活動の充実と中学校における英語教育の充実を図ってまいります。
また、本年度から中学校で新しい学習指導要領が完全実施され、保健体育科の授業で武道が必修となります。町内の中学校ごとに、剣道防具の整備や柔道用畳の整備を進めてまいります。
さらに、教育コンピュータにつきましても、教科や総合的な学習の時間を中心に、コンピュータの基本的操作や情報収集、表現方法等、児童・生徒の情報活用能力の育成に努めてまいります。
なお、子どもたちが快適に学校生活が送れるよう、小学校全教室に扇風機を設置し、夏期における暑さ対策を図るとともに、特別支援学級には、子どもたちが安全に学校生活を過ごせるよう、可搬型階段昇降機を導入するなど教育環境等の整備を進めてまいります。
また、寒川小学校の外トイレは老朽化が著しく、学校や体育館及びグラウンド開放利用者から改修の要望もあることから、明るくきれいで、安心して使えるトイレに建て替えてまいります。
青少年の健全育成につきましては、家庭・地域・学校・行政等の連携した取り組みが、ますます重要になっております。放課後児童の健全育成を目的とした「さむかわふれあい塾」や体験学習などの青少年育成事業で、世代間交流を進めながら、子ども達の豊かな成長を育んでまいります。
寒川文書館は、寒川のことなら何でも調べられる施設を目指しております。今後もより一層、過去の情報に目を配りながら、未来のまちづくりに資することができるよう、歴史的公文書をはじめとする資料の収集・保存・利用促進に引き続き努めてまいります。

  基本目標の五つ目は、「魅力ある産業と活力のあるまちづくり」であります。
活力あるいきいきとしたまちづくりを進めるために、商業・工業・農業・観光といった産業それぞれの活性化とともに、相互の連携を図る必要があります。
まず、商業につきましては、寒川駅前公園において、昨年9月より寒川駅北口商店会による朝市の開催や、一昨年より冬の風物詩となるイルミネーションフェスタを開催いたしました。町といたしましては、北口商店会の支援として、街路灯を新設する事業を進めており、今後も明るく活気のある駅前を目指してまいります。
次に、工業につきましては、企業の新規進出と新規投資を促進するため、企業等の立地促進に関する優遇策を引き続き行います。
また、中小企業経営の安定と振興を図るために、中小企業向けの事業融資などを行うとともに、中小企業退職金共済掛金、中小企業信用保証料助成措置も引き続き実施してまいります。
さらに、藤沢市・茅ヶ崎市との2市1町に共通する製造業等の基幹産業分野を中心に、すでに共同で行っている県内最大規模の工業製品の見本市「テクニカルショウヨコハマ2012」への出展などに加え、高い技術を持つ企業、活発な研究や豊富な知的財産を持つ大学などの資源を活用し、地域外所得の獲得や雇用機会の創出などの産業課題の解決と産業力の強化を図るため、「広域産業振興戦略」の策定を進めます。
農業につきましては、田端西地区をはじめ、「(仮称)湘南台寒川線」の整備や新幹線新駅誘致など、農業振興地域内において、市街地開発事業や道路整備が計画されていることから、これらの事業と農業振興との共存を図るため、都市型農業のあり方について研究を進めてまいります。
  また、藤沢市、茅ヶ崎市と連携し、新規就農者の受け入れ体制の統一化、耕作放棄地対策・遊休農地対策の一環として、農地情報を共有化し、新規就農者や経営規模拡大に取り組む農業者への農地斡旋などの仕組みづくりを行ってまいります。
勤労者対策につきましては、勤労者の負担軽減を目的に、住宅資金融資に対する利子補助を行います。
さらに、勤労者家庭の修学促進のため、教育資金融資に対する利子補助や、就労支援策として実施した湘南就職面接会などを本年度も引き続き実施してまいります。
次に、観光につきましては、寒川町観光協会、寒川町商工会及び寒川町で組織する「寒川町観光事業検討協議会」より観光振興の目指すべき姿を示した「寒川町観光振興計画(案)」が提出されましたので、町内の関係団体等と協議しながら、産業と連携した観光事業の充実を図ってまいります。

(おわりに)

以上、平成24年度の町政運営にあたっての基本的な方針と施策概要につきまして、ご説明させていただきました。
今日の寒川町を築き、発展させてきた多くの先人・先達の方々と将来を担う子どもたちの架け橋となる私たちは、このまちに対する「誇りと愛着」を次の世代へ継承する大きな使命を背負っており、今抱える大きな課題を後世に先送りすることは、決して行ってはならないものであると思います。
そのためには、時として厳しい選択を迫られることもあろうかと思いますが、皆様のご理解とご協力を賜り、この難局を乗り越えた先には、明るい未来が待っていると確信しております。
私といたしましても、常にその先頭に立ち、奮闘してまいることをお約束申し上げます。
議員各位をはじめ、町民の皆様のより一層のご理解とご協力を重ね重ねお願い申し上げ、私の平成24年度の施政方針といたします。

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