山上町長所信表明(平成19年寒川町議会第3回定例会より)

更新日:2013年04月01日

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所信表明(平成19年寒川町議会第3回定例会より)

寒川町議会第3回定例会の開会にあたりまして、私の町政に対する所信の一端を申し述べ、今後の町政運営に向け、議員各位をはじめ、町民の皆様の深いご理解と、ご協力を賜りたいと存じます。

また、今回の町長選挙に際しましては、多くの町民の皆様からご信任をいただき、町政をお預かりしたわけでありますが、今、その責任の重さをひしひしと痛感しております。

本日から、町長就任後、初の議会定例会に臨むわけでありますが、歴代の町長はじめ、議員各位並びに、多くの町民の皆様が寒川町を愛し、明るく住みよい町づくりに、多大なご努力を重ねてこられましたことに対しまして、ここに深く敬意を表すものであります。

私も寒川町に生まれ育ち「ふるさと・寒川」を人一倍愛し、寒川町が大好きであります。特に参道の松並木越しに見る富士山や大山、青々と広がる田園風景、そして町民の皆様のご家庭に咲く花々などは、多くの人にやすらぎと潤いを与え、寒川町が誇れる美しい財産であると思っております。

さて、日本経済は緩やかに景気が回復してきており、雇用環境も良くなってきている状況にあります。

しかし、国の三位一体改革により税源移譲はあるものの、国庫補助金の削減が行われ、地方自治体の財政状況は、けっして明るい見通しであるとは言えません。

また、少子高齢化や、子どもの安心・安全の問題、昨今の地球温暖化や地震・豪雨等の防災対策など、各分野で深刻さを増してきております。

こうした状況の中で、寒川町は平成14年度から町総合計画「さむかわ2020プラン」を推進し、平成19年度は前期基本計画の半ばを過ぎたところでありますが、公共施設の建設に伴うランニングコストの増加や、既存施設の老朽化に伴う維持管理費の増加は、財政面では大きな負担になっていると思っております。

また、現在進行中の2つの大きな事業であります「寒川駅北口地区の土地区画整理事業」は、目標年度に向けて最後の総仕上げの時期に入っておりますが、順調に事業展開を図るよう努力してまいりたいと考えております。

もう1つの「ツインシティ倉見地区のまちづくり」につきましては、平成9年11月、神奈川県東海道新幹線新駅設置促進期成同盟会で、当町の倉見地区が東海道新幹線の新駅誘致地区として決定してから早10年の歳月が過ぎようとしています。

しかしながら、まだまだ多くの課題が残っており、今後地元の皆様と十分なコンセンサスを得ながら進めていかなければならないと考えております。

いずれにいたしましても、私の新たな町政運営の基本姿勢を申し上げ、町民の皆様が安心して暮らせるまちづくりに全力を傾注する覚悟でありますので、更なるご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

それでは、私の基本姿勢、並びに主な施策の概要の一端について述べさせていただきたいと存じます。

私の基本姿勢といたしまして、「クリーンで透明な町政」を実現するため、「行政改革」をまず推進しなければならないと考えています。

行政改革を行うためには、民間の経営手法を取り入れ、事業全般を見直すとともに、無駄を省き改善できるものは、すぐにでも改めていくことが重要と思います。

そこで、私は「経営手法・6つの改善」を行います。

1つ目は、「事務事業の見直し、人件費の抑制」であります。

まず、町長である私自身の給料を、任期中は20%の削減を行うため、本定例会に給料減額に関する条例を提案いたします。このことにより、私の行政改革断行の手始めにしたいと考えています。

また、定員管理の適正化を進め、定年退職者の補充を最小限に抑え、職員数を5%以上削減し、人件費の抑制を図りたいと思います。

さらに、事務事業全般を見直し、アウトソーシング(民間委託)を推進するとともに、民間力の活用を図ってまいります。

2つ目は、「公用車の削減」であります。

現在ある公用車の利用実態を見極めた上で削減し、近くの現場には、自転車の活用を図ったらどうかと思っております。

また、町のバスは廃止して、必要に応じ借り上げで対応することにより、維持管理費等の削減を行いたいと存じます。

3つ目は、「コミュニティバスの見直し」であります。

現在、試験運行しているコミュニティバスには多額の費用がかかっており、この経費の削減のためバスを小型化し、福祉バスとして町内全域を運行できないかと考えております。

4つ目は、「入札制度の改革」であります。

電子入札の完全実施により、一般競争入札の範囲を拡大したいと考えています。

また、検査制度等を充実し、技術者の育成に努めるとともに、入札事務の効率化を図り、さらなる公正性及び透明性の向上を目指したいと思います。

5つ目は「新規事業の再検討」であります。

今後の新規事業として、寒川駅北口地区の複合施設や自転車駐車場(駐輪場)の建設等が計画されておりますが、複合施設の建設につきましては、町民と協働のまちづくりとして、より一層、議員各位並びに、町民の皆様のご意見をいただいてまいりたいと存じます。

また、自転車駐車場(駐輪場)につきましては、議会で再検討の必要があるとの結論が出されておりますので、もう一度十分検討して結論を出したいと思っております。

また、田端の旧二本松公園は、子どもたちの少年野球等が盛んに行われておりました。現在は地域の方々や利用者の皆様にほぼご理解をいただき、田端スポーツ公園整備計画の中で新たに取り込むべく進められてきております。

二本松公園の跡地は町の産業振興、とりわけ工業立地を推進すべく、有効活用を図ってまいりたいと願っています。

これらの案件については、再度検討を重ね、慎重に計画を立て、町民の皆様と十分な協議を行い、町民と行政との協働により事業を進めてまいりたいと考えております。

6つ目は、「町財政の健全化」であります。

寒川町の借金である町債の平成19年度末の残高見込み額は、約227億円で、町民一人当たり約48万円であります。この借金の後年度の負担を軽減するため、町債の縮減を図りたいと考えています。

また、情報公開によって、町の財政状況を皆さんにわかりやすくお知らせするなど、健全な財政運営に努めてまいります。

以上、6つの改善により徹底した経費の削減と、無駄を省き、新たな財源の確保を図ってまいります。

引き続きまして、「健康で明るく、楽しく、生活できる町」を実現するため、主な施策の概要を、6つの重点施策として申し述べたいと存じます。

1つ目の施策は、「子育て支援の充実」であります。

急速な少子化が進むなか、安心して子どもを産み育てることのできる環境の整備は、ますます求められております。

中でも、子育て支援に関しましては、働きながら子どもを生み育てる環境の整備が重要と考えます。子育て支援センターの充実や、保育園の入園枠の拡大につきましては、十分に検討してまいります。

現在、町内には5つの学童クラブがありますが、町の公共施設を利用している学童クラブがある反面、民間の施設を借り受けて行っているところがあります。十分でない部分を解消するうえからも、早急に施設の整備を図ってまいります。

また、国際的なレベルのなかで、日本の児童・生徒の学力低下が問題となっておりますが、国においても、教育基本法が見直しされるなど、教育への取り組みも、大きく変化してきており、国の動向を見据えながら、未来を担う寒川の子どもたちのために教育の充実を図ってまいりたいと思います。

さらに、いじめ・不登校対策や、青少年の国際交流につきましても積極的に取り組みたいと考えています。

2つ目の施策は、「安心安全なまちづくり」であります。

安心して安全な暮らしができることは町民すべての願いであります。

7月16日に発生しました新潟県中越沖地震では家屋の倒壊やライフラインの被害が大きく、まだまだ復旧には相当の日数がかかると予測されています。寒川町においては東海地震における地震防災対策強化地域に指定されておりますが、地震対策は十分と言えません。

そこで早急に実施しなければならないものとして、まず、一つ目が、災害時に支援が必要とされる方々への対応のための要支援者名簿の作成と運用であります。これは、寝たきり高齢者や、一人住まいの高齢者などを事前に登録していただき、災害時には地域の方々により安全に避難措置を行っていただくために必要となるものであります。

二つ目は、小・中学校や公共施設の耐震化事業の早期実施であります。学校施設は災害時の広域避難場所でもあり、一日も早く耐震化工事を完了させたいと考えております。

三つ目は、民間住宅の耐震化の推進であります。寒川町には建築基準法が改正された昭和56年5月以前の木造建築物は、約5千棟もあり、その耐震診断や耐震工事への支援を充実させ、いざという時の対応を図りたいと思っています。

寒川町は、東西に川が流れ、南北に長いまちであります。地域との交流と連携を支える道路網の整備は重要であり、その安全性の確保や生活利便性の向上を図るため、道路の整備と歩道の整備、さらにバリアフリー化を推進したいと考えています。

また、犯罪のない町をめざすためには、地域の防犯力を高めるとともに、児童・生徒の登下校時の安全の確保を図ることは重要であります。町民の皆様のご協力を得て防犯活動を推進してまいりたいと思います。

環境保護の推進につきましては、昨今の地球温暖化の問題を考えますと、環境負荷の低減を図ることが大事です。町としても環境管理の国際規格であるISOの認証取得に取り組みたいと考えております。

3つ目の施策は、「地域経済の振興」であります。

産業は、町の財政基盤を支え、町民の生活の安定やくらしに活力をもたらします。町の特性を生かしたふるさとの創造を図るためには、農業、商業、工業、観光のバランスのよい産業構造の構築が必要であります。

そのため、商工会重点事業への支援を強化し、現在、着々と事業が進められている寒川駅北口地区の商業の活性化や、歴史文化と農業・商業・工業の協力で、観光事業の強化に取り組んでまいりたいと考えています。

4つ目の施策は、「町民の健康づくり」であります。

明るく生きがいのある充実した生活を送るうえで「健康づくり」は、特に大事な施策です。

健康で活力あるまちづくりを行うため、がんや心疾患、糖尿病等の生活習慣病の予防や、生活習慣の改善と、スポーツ・レクリエーションが気楽にできる環境づくりを推進しなければならないと考えています。

また、寒川町の介護保険料と国民健康保険料は、神奈川県下で一番高い保険料となっております。この二つの保険料がなぜ高いのか、まず原因を究明し、調査検討してまいりたいと考えております。

 5つ目の施策は、「町民へのサービス向上」であります。

行政に対する町民の要望は多種多様化しており、質の高い行政サービスの提供が求められております。

こうしたなかで町の職員は、一人ひとりが、町民の皆様に対し親切、丁寧な対応を行うことで、町民に信頼される職員でなければならないと思っております。

寒川町では、これまで電話予約による住民票や課税証明などの土曜・日曜日の交付や、年度末で転出・転入の多くなる3月・4月の土曜・日曜日に窓口業務を行っています。今後は、町民の皆様のご意見をお聴きし、窓口業務の拡充に努めてまいります。

また、インターネットによる公共施設の利用予約や、本年度からは町税のコンビニエンスストアによる収納委託などを実施しておりますが、今後におきましても、ITを活用するなど行政サービスの向上を図ってまいりたいと思います。

6つ目の施策は、「町民参加のまちづくりの推進」です。

これまでのように行政が主導的にまちづくりを行うのではなく、町民参加をまちづくりの基本とし、開かれた町民参加型の町政運営を図らなくてはなりません。

そこで、町民の皆様のご意見をしっかりとお聴きするため、定期的に各地区でミニ集会を開き、透明性の高い町政を進めたいと思っています。

さらに、本年4月1日に施行した寒川町自治基本条例の推進を図り、町民参加の仕組みづくりを整備するとともに、ボランティアポイント制度の導入といった新たな町民活動の支援など、協働のまちづくりを推進してまいります。

また、公共施設の管理については、地域で活躍されている町民の皆様の積極的な参加を考えてまいります。

なお、冒頭にも申し上げましたが、ツインシティ倉見地区のまちづくりにつきましては、今後は地元倉見地区の皆様とツインシティ倉見地区のまちづくりの推進に向けて、十分な合意形成を図り、新駅誘致地区周辺の環境等の調査を実施してまいりたいと考えています。

いずれにいたしましても、慎重に計画を立て、町民の皆様に情報をしっかり提供した上で十分な協議を行い、町民と行政がそれぞれの責任を果たしながら、連携し、協働してまちづくりを推進してまいりたいと存じます。

以上、私の町政に取り組む施策の概要を申し上げました。

私は町民の皆様から、お寄せいただいた信頼を胸に、初心を忘れることなく、全力を傾注し、町民のための行政改革を断行し、「安心して住める明るい寒川のまちづくり」を町民の皆様とともに創造していく決意であります。

今後とも、議員の皆様、ならびに町民の皆様に、格別のご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

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