平成21年度 施政方針

更新日:2013年04月01日

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本日ここに、平成21年寒川町議会第1回定例会の開会にあたり、当初予算案をはじめ関係諸議案を提出し、審議をお願いするわけでございますが、私の町政に対する基本的な考え方と施策の概要について申し述べ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

(はじめに)

町議会におかれましては、議会改革推進委員会を設置され、議員定数の減員をはじめ様々な改革を実行されたわけでございます。このことに対し深く敬意を表します。そして、去る2月に行われました町議会議員選挙により、新たな顔ぶれによる議会が構成され、スタートしたところでございます。
これからも愛する寒川のために共に力をあわせ、健康で明るく楽しく生活できる町を目指してまいりたいと思っております。
さて、私は平成19年9月に就任以来1年半、寒川町政の舵取り役を任されてまいりました。この間、マニフェストで申し上げました「クリーンで透明な町政の実現」を目指し、そして町民の皆様の期待に応えられるよう全力で町政運営にあたってまいりました。特に無駄を省き、改善できるものはすぐにでも改めるという行政改革を推進するため、昨年度に事業仕分けを実施し、事業の方向性について外部の方たちのご意見を伺ったところでございます。今後においても、簡素で効率的な行財政運営を図るため、行政改革をより一層進めてまいります。
経済に目を転じてみますと、一昨年夏に表面化した米国サブプライムローン問題に端を発した「金融不安」が、昨年9月の米国大手証券会社の経営破綻をきっかけに世界規模の「金融危機」へと広がり、日本経済の頼みの綱ともいえる輸出の落ち込みが現実のものとなってしまいました。町内企業への影響も大きく、需要減退による売り上げ減少圧力が強まり、雇用環境の悪化など厳しい状況となっています。生活面では食の安全性に対する意識の変化、物価の上昇。環境面では世界的な気候異変による地球温暖化問題の深刻化、地震やゲリラ豪雨などの天変地異がありました。
どれも無視のできない私たちの生活に直結した課題ばかりで、このような状況であることを認識し、まちづくりを進めていかなければなりません。
内閣府によると、2009年は世界経済の悪化を受け、我が国の社会経済も、下振れ圧力が強まると予想されています。企業収益も一段と厳しい情勢に直面し、悪影響が本格化するとも言われており、特に雇用面では多数の雇用が失われる可能性が懸念されています。
世界や日本は今新しい時代に入ろうとしています。私たちの寒川町も同様です。経済や産業構造などの大きな転換期に直面している今こそ、次の世代に明るい未来を残していくために、新しい寒川の魅力や活力を創造していかなければなりません。
そのためには町民・企業・行政等による一層の連携強化を図り、共に考え、協力し合える大きな力を生み出していく必要があります。

(町政に対する基本的な考え方)

本町は、昭和15年に町制を施行し、本年は69年目を迎え、これまで活発な産業活動が展開される町として発展してまいりました。
時代が移り変わる中、寒川駅北口地区土地区画整理事業やさがみ縦貫道路の整備などの進展により、まち並みの表情も変化を続けています。時間は止まることはありません。都市も成長し変化を続けています。今日(こんにち)の平和で文化的な寒川町は、多くの先人の様々な英知と工夫の積み重ねによって築かれたものです。これからも過去から脈々と築き上げられてきた伝統と誇りを、未来へつなぎながらまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
そして、これまで本町が行ってきた福祉をはじめとする行政サービスの水準を低下させることのないよう、町民の暮らしを守る視点を重視した町政運営を進めます。町民・企業・行政等が力を合わせ、誰もが安心して暮らし続けることができ、笑顔があふれ、健康で明るく、楽しく生活できる町へと発展させてまいりたいと考えております。
さて、町の最高規範としての自治基本条例を施行してから2年が経過しようとしています。この中で目指す自治の基本理念を「町民と町が協働するまちづくり」とし、町民と町がそれぞれの責任を果たしながら、相互に補完し、協力しあってまちづくりを進めるものとしております。
今日(こんにち)、福祉、子育て支援、青少年活動、防災・防犯、環境形成、まちづくりなどにおいて、“地域の力"が求められており、町民・企業・行政等による協働の取り組みを一層進めてまいります。
寒川町総合計画「さむかわ2020プラン」の前期基本計画・第2次実施計画も3年目になります。昨年度は社会経済情勢等の変化により、ハード事業について優先的に取り組まなければならない事業を選択し、計画の一部見直しを行いました。今やらなければならない事業を見極めて有効性・実効性のある事業を着実に推進してまいります。
また、団塊世代の定年退職、労働人口の減少、そして100年に1度と形容される経済危機など、今後税収の増加は期待できず、さらなる減収を考え、より堅実な財政計画をたて健全な財政運営に努めてまいります。
さて、オバマ新大統領の就任演説の中に次のような言葉があります。
「問題は政府が大きいか小さいかではない、機能するかどうかだ。」
待ったなしの行政運営において、この難局を切り抜けるには行政組織がきちんと機能しなければなりません。これからは住民ニーズに応じて自治体自らが知恵を出し、政策作りの頭脳と実行力を高めなければなりません。そして、町民の皆様から期待される町役場にならなければいけないと考えております。
そのためには、地方分権の進展の中、職員一人ひとりが、時代の変化に即座に対応できる洗練された経営感覚や政策形成能力を習得し、町民に真に必要とされる職員となることが重要であります。引き続き、町職員の人材育成に力を入れてまいります。

(町の重点施策)

一点目は、寒川駅北口地区土地区画整理事業であります。本年度も町の最優先事業として進め、従来からの公共施設整備はもとより、新たに寒川駅北口駅前広場の整備に着手します。併せて、バリアフリーの視点も含め、より一層の利便性を高めるため、寒川駅北口にも南口同様にエレベーター・エスカレーター設置へ向けた準備をはじめます。駅前広場を整備することにより、この地区への集散機能が高まるなど「寒川町の玄関」、「寒川町の顔」としての条件がそろってくるものと考えております。
なお、(仮称)寒川駅前複合施設建設につきましては、昨年実施いたしましたミニ集会での町民の皆様方のご意見や財政状況なども踏まえ、平成23年度までの総合計画実施計画では位置付けないことといたしました。
二点目は、倉見地区への東海道新幹線の新駅設置の促進であります。町の将来の発展に大きく貢献する新駅設置に向けましては、鉄道事業者が新駅設置の前提条件の一つとしている「東海道新幹線」の輸送力に余裕を生じさせるために大きな要因となる「リニア中央新幹線」の開業に向け、自らが本格的な調査を進めており、いよいよ、新駅の実現が見えてきたと期待をするところであります。
したがいまして本年度は、新駅誘致をより現実的なものとするため、地元等の皆様と話し合いを進めさせていただきたいと考えます。
三点目は、平成22年度の供用開始を目途に整備が進められております、さがみ縦貫道路(仮称)寒川南インターチェンジを中心とした田端西地区のまちづくりの促進であります。本年度も引き続き地元の皆様と一緒に検討を進めてまいります。
四点目は、学校施設の耐震化の推進であります。昨年、中国四川省で発生した大地震では、学校の建物が倒壊し、多くの子どもたちが亡くなり、災害に備えた施設の安全性の強化が急務となっています。
そのため学校施設の耐震化につきましては、児童・生徒の安全確保に加え、地域住民の避難場所ともなることから、平成22年度までにすべての小中学校の耐震化を完了し、耐震化率100%を目指してまいります。
五点目は、田端スポーツ公園の整備であります。相模川左岸の湘南銀河大橋の上流部・下流部に、水や緑など豊かな自然環境を身近に感じながら、子どもからお年寄りまでが集うことができる健康づくりやスポーツ・レクリエーションが楽しめる場所として、平成20年度から整備に着手しておりますが、平成22年3月の完成を目指してまいります。
六点目は、子育て支援の充実であります。妊産婦や乳幼児の各種健診や予防接種、健康教育、健康相談等、様々なサ-ビスを実施し、母子保健事業の充実を図ります。特に、「飛び込み出産」を予防し、母体や胎児の健康維持、分娩のリスクを減らし、安心して健康な赤ちゃんを産み育てられるよう、妊婦健康診査回数を昨年2回から5回に増やしましたが、本年度より14回まで拡大いたします。さらに出産から子育てに至るまで、その健診に掛かる経費も一部公費負担とし、また、小児医療費助成事業の通院助成の対象年齢を小学校3年生まで拡大するなど、子育て支援の充実を図ってまいります。

(平成21年度予算)

平成19年6月に成立、公布された「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」により、昨年、平成19年度決算に基づく本町の健全化判断比率及び公営企業の資金不足比率を算定し、公表したところでございます。
どの指標においても早期健全化団体となる早期健全化基準をクリアしておりましたが、それに甘えることなく、さらに、財政の健全化に努めてまいります。
町の一般財源の中心は町税であります。町税の歳入に占める割合は、ここ数年増加傾向にありましたが、本年度は前年に比べ減少を見込まざるを得ず、非常に厳しい状況となっております。個別に税目をみますと、個人町民税については、所得が若干伸び微増としておりますが、基幹税目であります固定資産税は本年度が3年に1度の評価替えの年から、土地ならびに家屋については減少としております。特に法人町民税については、金融危機による混乱、世界同時不況の影響により町内企業の業績は予断を許さない状況にあり、大幅な減少としております。
このような状況の中、町税総額は、前年度比3.8%の減となる87億2,852万9千円を見込んでおります。
また、町税以外の地方消費税交付金や自動車取得税交付金などの歳入につきましても、大幅な減額となることから、近年にない財源不足となりましたので、苦渋の決断をし、例年以上に町の貯金である財政調整基金の取り崩しを行うとともに、臨時財政対策債の増額をもって財源不足を補いました。
歳出につきましては、このような大幅な財源不足が想定される中、全職員が“事業の知恵は事業担当者にあり"を自覚し、事業全般にわたり、より一層の効率化と選択・重点化に取り組み、限られた貴重な財源の中で、着実な実施と成果の達成が図られるよう予算編成を行いました。
その結果、新年度の予算規模は一般会計で141億4,100万円で、前年度比2.8%の増、また平成21年度から新たに加わる(仮称)健康福祉総合センター用地取得事業特別会計を含めた6特別会計を合わせた全会計の予算額は、237億6,830万3千円で、前年度比1.8%の増となっています。

(平成21年度予算の主な事業)

それでは、平成21年度予算の主な事業について、まちづくりの指針である寒川町総合計画「さむかわ2020プラン」の基本目標に沿って順次ご説明申し上げます。
なお、施策の詳細につきましては、別添の「平成21年度予算の概要」に掲載させていただきましたので、あわせて、ご覧いただきたいと存じます。

まちづくりの一つ目は、「快適でにぎわいのあるまちづくり」であります。
町道の整備につきましては、便利で機能的な産業活動や町民生活の快適性、利便性を確保するとともに、高齢者や子どもたちが安全に安心して生活ができるよう、人にやさしい道づくりに努めております。
本年度も引き続き道路整備を推進するとともに、歩行者の安全確保を図るため、歩道のネットワーク化の推進や維持管理計画を基本に舗装の打ち換えなど道路の維持補修を順次行ってまいります。
現在、国土交通省において、鋭意、精力的に工事が進められております「さがみ縦貫道路」につきましては、圏央道「目標宣言プロジェクト」により平成22年度を目途とした開通目標が示されております。
また、同時に、「さがみ縦貫道路」と二層構造で整備が進められております都市計画道路「藤沢大磯線」につきましても、茅ヶ崎市境より順次整備されておりますが、引き続き早期整備に向け関係機関に要望してまいります。
さがみ縦貫道路(仮称)寒川北インターチェンジへのアクセス道路として、また、寒川町の北部地域と藤沢市の湘南台方面を結ぶ東西幹線道路として位置付けられている(仮称)湘南台寒川線の整備につきましては、地元のご理解を得ながら都市計画決定に向け準備を進めるとともに、整備につきましても引き続き積極的に県に要望してまいります。
次に、現在、試験運転中のコミュニティバスにつきましては、昨年度「コミュニティバス運行検討委員会」より今後のあり方等についての検討結果報告書が提出されました。現在、その内容を踏まえバス事業者、国、県等関係機関と調整を図っております。効率的な運行形態に見直し、夏頃を目途に新たな運行形態に変更したいと考えております。
次に、寒川駅北口地区土地区画整理事業地内においては道路等、公共施設の整備とともに民間活力による土地活用が図られ、建築が盛んに行われております。これも偏(ひとえ)に地権者の皆様方をはじめ、関係者ならびに町民の皆様の事業に対するご理解・ご協力の賜と心から感謝申し上げます。
また、倉見地区への東海道新幹線の新駅設置ならびにツインシティ倉見地区整備事業につきましては、町の将来の発展に大きく貢献する事業であります。
したがいまして、今後も鋭意、地元の皆様との協議に努め、まちづくりの区域、事業手法等、計画の具体化に向けた調査、検討を行ってまいります。
次に、近年、異常気象によるといわれるゲリラ豪雨や相次ぐ台風等により、全国各地で河川の氾濫や浸水被害が発生しております。相模川や小出川など町内の河川整備につきましても、早期整備完成を目指し、引き続き国・県に要望してまいります。
公共下水道事業は、快適で衛生的な生活環境を確保し、河川などの公共用水域の水質改善や水害防止を図るもので、汚水については、市街化区域内がほぼ完了したため市街化調整区域内の計画的な整備を引き続き進めてまいります。また、雨水につきましては、浸水箇所解消のため、引き続き幹線及び枝線の整備を進めてまいります。
公園や緑地は、災害時の避難場所として、また、地域の安らぎや憩いの場などの機能を有しております。本年度は田端地区に地域の一時避難所を主目的とした、多目的公園の整備を行います。今後も町民が快適で安心して利用できる公園や緑地の維持管理に努めてまいります。

まちづくりの二つ目は、「環境と共生したうるおいのあるまちづくり」であります。
環境につきましては、何といっても地球温暖化防止に向けての取り組みの強化が求められております。
昨年7月に日本で開催された北海道・洞爺湖サミットにおいても環境・気候変動が主要テーマの一つとなり温室効果ガスの削減を全世界的に取り組むことが確認されました。
地球温暖化は、日常生活や事業活動から排出される温室効果ガスが原因となっていることから、その排出削減に向けたライフスタイルや社会システムを構築することが重要です。
町といたしましても、平成19年度に改訂した環境基本計画において、地球温暖化防止を重点プロジェクトの一つに位置づけ取り組みの強化を図っております。本年度は昨年秋に発足した寒川町・藤沢市・茅ヶ崎市の「湘南エコウェーブ」プロジェクトの一環として、県の電気自動車普及施策であります公用電気自動車の購入と急速充電器の設置を進めてまいります。
また、自然エネルギーの利用促進を図るため家庭用太陽光発電設備の設置に対し、町としても新たに補助制度を設け、さらなる促進を図ってまいります。
また、水質汚濁、大気汚染、土壌汚染などの典型7公害
に対する取り組みにつきましても、県をはじめとする関係機関と十分連携をとりながら対応してまいります。
廃棄物に関しましては、循環型社会の形成をめざし廃棄物の発生抑制とその有効利用を基本に、従来からの廃棄物処理に係わる諸事業を4R(リフューズ、リデュース、リユース、リサイクル)の基本に基づき着実に実施するとともに、「湘南東ブロックごみ処理広域化実施計画」によるクリーンセンターの解体を本年度実施いたします。そして来年度以降、寒川町・茅ヶ崎市が共同で整備する(仮称)広域リサイクルセンターの建設に着手し、廃棄物のさらなる減量化と資源化に取り組んでまいります。
みどり豊かな都市づくりのため、毎年実施している「緑のフェスティバル」と「緑化フェア」を本年度も引き続き実施し、緑化意識の高揚を図ってまいります。また、貴重な樹木や樹林の保全活動を進めるとともに、生け垣根の助成を引き続き実施し、地域の緑化を推進してまいります。

まちづくりの三つ目は、「安心で生きがいのあるまちづくり」であります。
疾病の予防や早期発見に重点を置き、さらに「成人の健康診査」、「子宮がん・乳がん検診」の受診率の向上を図るため、休日(日曜日)の健診を実施いたします。成人の健康診査においては、前年度の受診結果を分析し、30代を中心とした受診勧奨や、また特に20代30代女性の子宮がん、乳がん検診の受診率を高めるため、婦人がん検診を同日に実施します。また、歯の健康づくりを推進し、虫歯や歯周疾患等を予防するため、成人歯科健診の受診年齢層を拡大し、「80歳で20本の歯を保つ」ことを目標に、40歳から64歳まで2歳刻みで、かつ70歳の方を対象に歯科健診を行い、食を楽しみ、豊かな生活を送れるよう、充実を図ってまいります。
さらに、「さむかわ元気プラン」を推進し、「自分の健康は自分で守る」ことを基調とした食生活の改善や運動習慣の定着、「さむかわwaku waku 体操」を活用した各種健康づくり事業の展開を図り、引き続き町民のライフステージに合わせた健康づくりの推進を進めてまいります。
国民健康保険事業につきましては、昨年度から高齢者の医療制度が大きく変わり、保険料の賦課区分の変更や年金からの特別徴収など大きな制度改正がございました。
県内でも高いと言われる国民健康保険料の精査は私の公約でもあり、町民のみなさんも関心の高いところでございます。その原因のひとつに保険料の滞納の問題があります。
これまで、収納率の向上対策として様々な努力をしてまいりましたが、昨年の年末には新たな取り組みとして健康福祉部の管理職も含めた夜間滞納整理を実施したところでございます。本年度におきましても、さらなる収納率の向上対策に努めてまいります。
また、メタボ健診と言われる特定健康診査は昨年度より実施しております。被保険者の健康維持は勿論のこと、医療費の適正化のため、受診率の向上に向けて各種事業展開を図るとともに、PRに努めてまいります。
国民年金事業につきましては、将来に向け持続可能な年金制度となるよう取り組みが進められています。
年金制度につきましては、ここ数年の間に様々な問題が起こり、それにともない年金制度への不安感が益々増大しているのが現状です。
町では、本年度から窓口に臨時職員を配置し、年金相談の一層の充実を図るとともに、公的年金制度の理解を深める啓発活動に努めてまいります。
次に、児童福祉につきましては、急速に少子化が進むなかで、安心して子どもを産み育てることができ、子どもが心身ともに健やかに成長する環境の整備を図る必要があります。
まず、小児医療費助成事業では、小児の健康の増進と、子育て中の保護者の経済的負担の軽減を図るため、小学校就学前までの児童が病院に通院した場合、医療費の自己負担額を一定条件のもとで助成しておりますが、本年度より対象を小学校3年生まで拡大いたします。
次に、保育園運営事業につきましては、近年の労働体系の変化に伴う保護者のニーズを踏まえ、4月より保育園の開園時間を30分早め、午前7時から午後7時までの12時間保育へと保育時間の拡充を図ってまいります。
また、保育園入園の待機児童の解消に向けては、入園枠の拡大の基準を活用しながらクラス編成等の工夫を行い、一人でも多くの児童を受け入れられるよう努力してまいります。
次に、放課後児童健全育成事業としての児童クラブですが、本年度は一之宮小学校の余裕教室を改修し、同小学校区の児童クラブである「わんぱくクラブ」の運営を初めて校舎内に移して行ないます。ふれあい塾との連携も考えながら事業の推進を図ってまいります。
また、本年度も、私立幼稚園等に就園する園児の保護者に対して、所得状況に応じた経済的負担の軽減を図るため、保育料の一部を補助し、就園の奨励を行ってまいります。
次に、障害者福祉につきましては、平成18年4月に障害者自立支援法が施行されたことによりまして、町では障害のある方が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう各種支援事業の展開を図ってまいりました。
新たに本年度から、障害のある方が地域で安心して暮らすことができ、また、その生活が地域に根ざすよう行方不明になった時のSOSネットワーク事業、グループホーム等への入居者に対する家賃助成事業を開始してまいります。
次に、本町の高齢者人口は本年1月現在8,802人で、高齢化率は18.5%となっており、昨年同時期に比べまして、人数で542人、率で1.1%増加し、高齢者人口は年々増加の一途をたどっております。
高齢福祉事業といたしましては、第四次寒川町高齢者保健福祉計画に基づき、ニーズに即した在宅サービスを実施し、ひとり暮らし高齢者や高齢世帯を見守るための仕組みづくりの充実を図ってまいります。
また、本年度から、ねたきり老人等戸別塵芥収集事業は、自宅から指定集積所までの運搬、普段からの声掛けや安否確認など災害時の緊急対応も考慮しながら、地域による身近なサポート体制を構築して実施してまいります。
なお、老人憩の家の休館にともない、憩の家利用者が寒川総合体育館スポーツサウナを利用する際、利用料金の一部を助成してまいります。
介護保険事業につきましては、本年度から始まる第四次介護保険事業計画に基づき、引き続き介護予防事業に重点を置くとともに、地域での支え合い事業にも力を入れてまいります。また、厚生労働省の「認知症を知り地域をつくる10カ年」キャンペーンの一環として、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する認知症サポーターを養成し「認知症になっても安心して暮らせるまちづくり」に取り組んでまいります。
これまで介護保険料は、所得に応じた6段階の設定でしたが、よりきめ細かな段階数を設定することが可能となり、被保険者の負担能力に応じた9段階に設定することにいたしました。保険料基準額につきましては、認定者数の増加などの増額要因はありますが、借入金の返済が終了したことや介護報酬改定に伴う介護保険料の上昇分を抑制するための経費が国から交付されることなどから、前期(平成18年から20年)より引き下げることにいたしました。
次に、75歳以上の高齢者医療につきましては、制度開始から2年目を迎え、制度の安定運営に向けて理解を深めていただくようPRに努めてまいります。
高齢者健診事業につきましては、本年度から受診券を対象者全員に送付し、高齢者の方々の健康維持の充実を図ってまいります。
次に、防災対策につきましては、地震等の災害に備え、初動体制、情報収集の伝達体制の強化や実践的かつ効果的な防災訓練を実施するとともに、防災講演会等の開催を通じて自主防災意識の高揚を図り「自助・共助・公助」を基本とした「寒川町地域防災計画」に基づき、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
また、本年度は情報伝達の充実を図るため、防災行政無線のデジタル対応戸別受信機を地域集会所等に配備するとともに、防災資機材の計画的な備蓄に努めてまいります。
次に、交通安全対策ですが、「交通事故ゼロ」は町民みんなの願いであります。悲惨な交通事故撲滅のため、警察署や関係機関と一体となって、交通安全キャンペーンなど啓発活動の実施や自転車の正しい乗り方など交通安全教室を開催して、交通安全意識の高揚を図ってまいります。   防犯対策につきましても、被害の根絶に向け、警察署をはじめ、茅ヶ崎・寒川犯罪ゼロ推進会議などの関係機関と連携して防犯活動の充実や防犯アドバイザーによる防犯パトロール、防犯相談等の実施などにより、「犯罪のない明るいまちづくり」の推進に努めてまいります。
地震に対する一般住宅の安全性を高め、災害に強いまちづくりを推進するため、本年度も耐震相談を月1回開催するとともに、耐震診断及び耐震改修工事への補助事業を行ってまいります。
また、昨年度見直した寒川町地域福祉計画では災害時の要援護者に関わる施策を重点項目として位置づけており、障害のある方や高齢の方など、いわゆる災害弱者の避難支援を地域ぐるみで進めるため、福祉関係団体や防災組織などと協力して、災害時支援情報登録制度の導入に向けマニュアル等の整備に努めてまいります。
児童生徒の安全確保を図り、また災害時における町民の広域避難場所ともなる、学校の施設防災対策事業は本年度、一之宮小学校南棟、寒川中学校北棟及び旭が丘中学校南棟の耐震補強工事を行います。また、小谷小学校教室棟及び旭が丘中学校技術棟の耐震補強工事の設計を行い、来年度の工事実施に向けての準備を進めてまいります。
現在は子どもたちの安全、安心を守ることが大きな課題となっております。町としては、地域と連携した見守り体制の推進を図るとともに、入学する小学生への防犯ブザーの貸与、教職員を対象とした防犯講習会などを通して、児童生徒の安全確保に努めてまいります。
また、児童が安心して登下校できるよう、本年も引き続き、登校時は1時間、各小学校の正門等に監視員を配置して児童の見守り等を行い、下校時には2時間30分、各小学校の通学路を警備車輌(青パト)2台によるパトロールを行い、児童の安全確保を図ってまいります。
次に、消防行政につきましては、住宅火災による犠牲者の約6割が高齢者であることから、昨年度に引き続き一人暮らしの高齢者宅に住宅用火災警報器を設置し、住宅防火対策を図るとともに、中瀬消防分団の消防車両の更新を行います。
また、市町村の消防の広域化につきましても、神奈川県消防広域化推進計画に基づき関係市町と協議、検討を重ねてまいります。

まちづくりの四つ目は、「豊かな心と文化をはぐくむまちづくり」であります。
現在、我が国においては様々な教育改革が進行する中、学力問題や児童生徒の心の問題などの課題解決が求められております。こうした状況の中、町といたしましては、子どもたちにきめ細かな学習指導と生活指導を行い、基礎・基本の学力を向上させる事業の推進と、豊かな感性や人間性を育むための事業の推進を図ってまいります。
きめ細かな指導の充実としては、小学校1学年において少人数学級を継続して実施するとともに、特別支援教育の充実に努めてまいります。特別支援教育につきましては、新たに一之宮小学校に特別支援学級を設置するほか、通常学級に在籍する特別な配慮が必要な児童に対する支援も行ってまいります。
また、新たに小学校において外国語活動が導入されるなど、本年度から新しい学習指導要領の移行期に入ります。完全実施に備えて前倒しでAET(英語指導助手)を増員するなど、学習指導要領に対応するための条件整備を進めてまいります。
さらに、心豊かな児童・生徒の育成のために、あいさつ運動の推進を図るとともに、「子ども読書活動推進計画」に則り、学校や家庭における読書活動を推進してまいります。
なお、不登校問題や子どもたちの様々な心の問題に対応するため、現状の相談体制を基盤としながら心理士やスクールカウンセラー、子どもと親の相談員、学生相談員等の一層の活用及び連携を図りながら、相談指導体制を充実させてまいります。
さらに、「特色ある学校づくり」を通して、子どもたちが胸躍らせて学校生活が送れるよう、また、地域に開かれた学校、信頼される学校を目指して、各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を推進していけるよう支援してまいります。
児童生徒の教育環境の向上のため、学校施設の改修については、本年度は寒川中学校北棟の耐震補強工事に合わせ、トイレ改修や、技術棟の機能を北棟に移転させるなどの大規模改修工事を行います。また、小谷小学校教室棟の大規模改修工事の設計を行い、学校施設の整備を図ってまいります。
青少年の健全育成については、家庭・地域・学校・行政等が連携していくなかでの取り組みがますます重要になっています。そこで放課後児童の健全育成を目的とした「さむかわふれあい塾」や、体験活動を通して、豊かな心や生きる力を育む「さむかわゆうゆう学園」などの一層の充実に努めてまいります。
生涯学習の推進につきましては、「寒川 学びプラン」に基づき、町民一人ひとりが生涯を通じて生きがいのある充実した生活を送れるよう、幼少年期から高齢期にわたる地域住民のライフステージに応じた各種講座や教室、芸術文化事業など幅広く推進してまいります。
また、公民館利用者などの安全性と利便性を確保するため、施設維持補修と町民センターホール等の手すり設置工事を実施し、施設整備の充実に努めてまいります。
寒川総合図書館はオープンして丸2年を経過したところですが、来館者は依然として1日平均で延べ千人を超え、図書館が地域の文化活動の拠点として定着してきているように思うと同時に、町民の皆様が図書館に寄せる大きな期待を実感しております。本年度も計画的な資料の収集と、サービス体制の充実を図りながら、町民に親しまれ魅力ある図書館にしてまいります。
寒川文書館は寒川のことなら何でも調べられる施設、町の説明責任を果たす機関として、歴史的公文書をはじめとする資料の収集・保存・利用促進に努めてまいります。
町民が、いつでも、どこでも、誰でもが生涯にわたり自由にスポーツを楽しむことができる環境づくりの充実につきましては、昨年度から田端スポーツ公園の整備事業に着手し、野球場や300mトラックのある多目的運動場の新設、既存の野球場の改修、多目的広場の整備など、平成22年3月には完成いたしますので、ご期待いただきたいと存じます。

まちづくりの五つ目は、「魅力ある産業と活力あるまちづくり」であります。
活力あるいきいきとしたまちづくりを進めるためには、商業・工業・農業・観光といった産業のそれぞれの活性化とともに相互の連携を図る必要があります。
商業では、特に寒川駅北口地区の活性化が急がれるわけですが、現在、地元の商店会が街路灯を新設する計画があり、町としても明るく活気のある駅前を目指して、「商工会」や「まちづくり会社」と連携を図りながら、最大限の支援をしてまいります。
工業につきましては、企業の新規進出と新規投資を促進するための企業立地促進に関する優遇策、そして、県のインベスト神奈川と連動させた融資制度・利子補助制度を本年度も継続してまいります。
農業につきましては、「農業振興地域整備計画」の見直しや「担い手育成支援協議会」の活用、「わいわい市」との連携などにより、適正な農地の利用や特に若手の育成を目指してまいります。また、農業委員会や生産組合、県などとも連携を図りながら不耕作地の解消に努めてまいります。
観光は、本町の情報発信の、また商業や農業といった他の分野との連携を図り、魅力あるまちづくりには欠かせない役割を担うものです。本年度は、観光協会、商工会、町からなる三者協議会にて、本町の観光のあり方や観光資源の発掘、新規イベントの研究、さらには商業や農業との連携の具体策などを検討してまいります。また、小出川沿いに寒川・藤沢・茅ヶ崎の地域の住民の方々が中心になって進めています彼岸花の植栽事業を拡大・定着させてまいります。
また、昨年来の世界的経済不況の影響が本格化する中、本町としましても適切な経済対策をとる必要があります。
そこで、この2月・3月で緊急経済対策として実施しました、勤労者生活資金融資の対象者・融資限度額の拡大や小規模事業者向けの小口短期資金融資制度の貸し付け条件の緩和、中小企業信用保証料の補助限度額の拡大、就労支援策として実施した湘南就職面接会など本年度も引き続き実施してまいります。
さらに、本年度からの追加策として、勤労者の教育資金融資制度の対象者や融資枠の拡大や、中小企業の事業資金の融資枠の拡大のほか、昨年度、商業活性化策として商工会に対して助成した「プレミア付き共通商品券」に対する補助を、本年度も早期の前倒しを条件として実施いたします。また、農業支援としまして、種苗購入や防疫対策に対する補助金の補助率を引き上げてまいります。

次に、「施策の推進に向けて」であります。
私は、町政運営の基本を「クリーンで透明な町政の実現」であることとし、町の情報を公開し、町民と協働のまちづくりを進めるべく、町政に携わってまいりたいと考えております。
町民の皆様の様々な公益的活動に対して、町はどのような形で協働が図れるのか、町民はどのような支援を求めているのか、などについて、まちづくり推進会議において議論をいただきながら、検討してまいります。
町民参加を推進し、町民、企業、行政等が一体となって町づくりを進めるためには、適切な情報提供が大切です。
 「広報さむかわ」、「町ホームページ」、「ケーブルテレビの広報番組 輝けさむかわ」、「FMラジオ放送 きらめき さむかわ」などを効果的に活用しながら町の情報を積極的に発信してまいります。
広域行政につきましては、湘南広域都市行政協議会などで、近隣市町の共通の行政課題や効率的な行政運営について研究し、特に、地球温暖化防止対策や(仮称)広域リサイクルセンターの建設などは、調整機能を活用して連携を図ってまいります。
次に、入札制度につきましては、一般競争入札や電子入札の拡大など、本年度も引き続き入札事務の効率化を図るなど、入札制度の透明性や公平性・競争性の確保に努めてまいります。
また、昨年度は第4次行政改革大綱及び実施計画の第2次改定を実施し、本年度もこれに基づき各事業の見直し等を実施してまいりますが、本大綱は平成21年度で終了するため、平成22年度からの行政改革の取り組み方針となる第5次寒川町行政改革大綱とこれを具体化する実施計画を策定するための研究、検討を進めてまいります。
さらに、休日の役場窓口の開庁の実施に向けて研究、検討を進めてまいります。
なお、昨年度実施する予定でおりました外部の有識者による行政の外部評価につきましては、実施に至りませんでしたが、本年度は実施してまいります。
以上、平成21年度の町政運営の基本的な考え方と施策の概要についてご説明申し上げました。

(おわりに)

今、時代の潮流は絶え間なく変化し続けております。そして、かつてない難局に直面している社会経済情勢の中で町民の皆様が、将来にわたり、安全で、安心して、快適に、生きがいと誇りをもって住み続けられる寒川町にするために、今後とも、時代の変化を的確に読み取り、絶えず変化し、進化し続け、寒川町のさらなる飛躍を町民の皆様と共に進めてまいりたいと考えております。
 「寒川をもっと変えよう 寒川町はもっと変われる」という決意を胸に、全職員一丸となって責任ある町政運営に取り組んでまいります。
 議員各位をはじめ、町民の皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の平成21年度の施政方針といたします。

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