平成20年度 施政方針

更新日:2013年04月01日

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本日ここに、平成20年寒川町議会第1回定例会の開会にあたり、当初予算案を始め関係諸議案を提出し、審議をお願いするわけでございますが、私の町政に対する基本的な考え方と施策の概要について申し述べ、議員各位ならびに町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。 

(はじめに)

私は昨年9月に、町長に就任してから5ヶ月が過ぎました。この間、マニフェストで申し上げました「クリーンで透明な町政の実現」を目指し、少しずつではございますが行政改革を進めております。
また、お母さん方が安心して子育てできる環境をつくることが大切であり、子育て支援の充実と、活力ある元気な町をめざし地域の経済振興に力を入れて取り組んでおります。
しかしながら、寒川駅前の複合施設の建設については、大変ご迷惑をおかけいたしましたが、もう一度、町民の皆さまの声をよく聴いて、真に必要な施設となるよう十分時間をかけて検討をすることとし、建設年次の延期をさせていただきました。ご理解を賜りたいと存じます。
また、行政改革を進めていく中で、職員にコスト意識を持たせることは大切です。各課の主な事業にどのくらいの税金が使われているかを、町民の皆さまにわかりやすく説明する「事業コスト」の公表をこの1月から行ってまいりました。今後も出来るところから手を付け、ムダなものは省き、変えるものは変えていくという考えで、簡素で効率的な行財政運営を図るため、行政改革を着実に推進してまいります。
さて、昨年は「偽(偽る)」という文字が社会思想を表す言葉として選ばれました。食肉などの産地の偽装や原材料の偽造といった相次ぐ食品偽装問題、年金記録や官庁の裏金工作などの政界の偽りなど、「透明性の確保」という根本的な感覚の欠如を痛感しております。そのため行政が率先して情報を提供し、透明性に向けての模範を示すことが大切であると思っております。
さて、我が国の社会経済の情勢は、戦後最長の「いざなぎ景気」を超えていると言われておりますが、その波及効果は十分ではないため、多くの国民には景気回復の実感が乏しく、また、雇用や賃金の格差も懸念されるなど将来への不透明感を払拭することができない状況にあります。
さらに、内閣府が昨年12月にまとめた内容によると、米国のサブプライムローン問題を背景とする金融資本市場の変動や、原油価格の高騰など日本経済にどのような影響を与えるか非常に不透明な状況であります。
神奈川県内の経済見通しについては、昨年下半期ではインベスト神奈川など自治体の企業誘致政策を呼び水とする大型投資の進捗が、地域の投資活動を押し上げてきましたが、建築基準法改正で非居住用建物の着工予定額が落ち込んできています。
しかし、民間のシンクタンクによると、本年は設備投資や住宅投資、個人消費が勢いを取り戻すことから民間需要が主導するかたちで自立的な回復が見込まれています。

(町政に対する基本的な考え方)

本町では昨年4月、町の最高規範としての自治基本条例を施行し、町民と町が目指す自治の基本理念を「町民と町が協働するまちづくり」としたところでございます。この自治基本条例の中にあります「8つのまちづくりの指針」に則り、町民の皆さんと町とが相互に補完し、協力し合ってまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
また、町総合計画「さむかわ2020プラン」の前期基本計画・第2次実施計画も2年目になりますが、まちづくりの理念を基調に、計画された事業を着実に推進してまいります。
さて、昨年4月、三位一体改革に続く第二期分権改革がスタートいたしました。このことは国と地方の役割分担が明確化され、地方は自主性、自立性を高め、自らの判断と責任によって行政運営を行うとともに、持続可能な財政運営が求められております。
本町も長年、不交付団体になっておりますが、財源の確保には大変厳しいものがございます。そのためには経費削減はもとより、「入(い)るを量(はか)りて、出(い)ずるを為(な)す」という財政の基本に立ち、身の丈にあった取り組みをしていかなければならないと考えております。
本町は現在、寒川駅北口地区の土地区画整理事業に重点を置いてまちづくりを進めてきておりますが、本町にはさらに、さがみ縦貫道路などの大きなポテンシャルがあり、未来の寒川を想像しながらまちづくりをしていかなければならないと考えております。
また、昨今は核家族化が進み、地域コミュニティが希薄になっていると言われております。いつくるかわからない地震や風水害に対し、被害を出来るだけ最小限に食い止めるのは、行政はもとより、地域での防災活動の充実であり、また町民皆様の一人ひとりが助け合い協力し合うことが減災につながるものと思っております。そのためには、日頃から地域の連帯やコミュニティ意識の醸成、行政との連携等の仕組みを作っておくことが必要で、本年度は町民との「協働」を進めてまいります。
このように、本町を取り巻く環境の変化や、時代の変化に対応していくためには、経営感覚を持った優れた職員を育成していく必要があります。私は就任当時から職員に、勉強する意欲のある職員はどんどん先進自治体に出向いて行って学んでくるよう話してまいりました。行政改革を実行していくにしても、厳しい財政事情の中で、少子高齢化や医療・年金など様々な行政課題をクリアしていく能力を身につけることが、これからの町職員には必要であり、今年は特に研修に力を入れてまいります。

(町の重点施策)

さて、本年春には「都市計画道路・寒川下寺尾線」が、暫定供用されることになりました。町の玄関としての寒川駅北口地区土地区画整理事業も、昨年12月末の時点では仮換地指定率76%、建物移転率70.3%と進んでおり、いよいよ総仕上げの時期に入ってまいりました。本年度も町の最優先事業として土地区画整理事業を進めてまいります。
倉見地区への東海道新幹線の新駅誘致に向けましては、JR東海が昨年4月に、東海道新幹線のバイパスである「リニア中央新幹線」の首都圏から中京圏までの営業開始目標年次を平成37年(2025年)と発表しましたが、さらに、昨年12月には、自己負担を前提に進めるという発表がありました。
これは、これまでの倉見地区への東海道新幹線の新駅誘致に向けた要望活動等におけるJR東海の回答が、「中央新幹線の開業など、東海道新幹線の輸送力に余裕が生じた場合などにおいては検討の対象となる」ということから勘案しますと、今後の新駅誘致活動に、さらに弾みがつくものと期待をするところであります。
また、昨今の地球温暖化による集中豪雨は、1時間に50ミリを超える雨が降るという異常気象もあり、昨年9月7日の台風9号は神奈川県内に多くの被害を残し、町でも相模川の増水により、一之宮五丁目にお住まいの方々に避難勧告を発令したことは記憶に新しいことでございます。本年度は、町民の皆様にはハザードマップの配布等を行うとともに、自然災害の恐ろしさを教訓として、職員の参集訓練など、万が一の災害に備えて危機管理の徹底を図ってまいります。
なお、当初予算に計上いたしておりませんが「田端スポーツ公園」の整備につきましては、町民のスポーツや憩いの場として早急な整備が求められております。この整備費用につきましては、二本松公園跡地の売却費用を充てる予定でございますので、今しばらくお待ちいただきたいと思います。
さて、保険料の問題やお医者さんへの罹(かか)り方など、様々な課題があるなかで後期高齢者医療制度が本年4月にスタートいたします。制度の運営は県内すべての市町村が加入する「神奈川県後期高齢者医療広域連合」が行うことになっておりますが、町では各種届け出の受付や保険料の徴収などの事務を行うことになっております。この制度をご理解いただくために、昨年から老人会への出前講座や広報さむかわ等でお知らせしておりますが、今後も制度の周知を図ってまいります。
行政改革につきましては、経費の削減と事業の見直しを図るため外部の有識者による委員会を立ち上げ外部評価を行ってまいります。併せて、必要な事業、不要な事業などの事業仕分けを実施し、行政改革を一歩ずつ進めていきたいと思っております。

(平成20年度予算)

昨年6月、自治体の財政破綻を早い段階でくい止める地方自治体財政健全化法が成立したことに伴い、自治体を評価する指標の一つに、特別会計や第三セクターを含めた連結ベースで財政状況を把握する「連結実質赤字比率」等の数値を本年度決算から適用し、議会に報告するとともに、町民に公表することが義務付けられました。このことは、見えにくい借金や赤字を早期に発見し、財政の健全化を図るものであります。
このようなことを踏まえ、平成20年度予算は「事業コストの意識を持ち、事業廃止を含め徹底した事務事業評価を行い、重点事業を精査し、確実な事業展開を行うこと」と基本方針を定め予算編成を行ってまいりました。
その当初予算額でありますが、歳入の根幹である町税収入は、昨年は三位一体改革に伴う税源移譲等により個人町民税の大幅な増収が見込まれましたが、本年度は増収が見込まれない状況であります。また、基幹税目の固定資産税は新築家屋の増加に伴う増収について微増としております。
法人町民税については、景気動向により業績は流動的でありますが、昨年来の石油価格の高騰による諸物価の値上がり等により、景気回復への不安材料が広がり昨年度に比べ減収の見込みであります。
この結果、町税総額は、前年度比1.2%の減となる90億6,940万4千円を見込んでおります。
また、町税収入以外の地方交付税や国庫支出金などの歳入につきましても、対象事業の減などから大幅な減額となることから財源に不足が生じましたので、本年度も財政調整基金を取り崩して一般会計に繰り入れました。
歳出につきましては、大幅な財源不足から8年振りにマイナスとなる緊縮型予算の中で、厳しく事業を見直し、取捨選択するとともに、歳出抑制・削減を強力に推し進めながら、最重要事業である寒川駅周辺整備事業を第一に、町民の安全・安心を確保するため、防災訓練や自主防災組織の充実といった防災対策事業などを優先とした予算編成を行いました。
その結果、本年度の予算規模は、一般会計で137億5,300万円となり、前年度比3.5%の減、また平成20年度から新たに加わる後期高齢者医療事業特別会計を含めた5特別会計を合わせた全会計の予算額は、 233億3,994万4千円で、前年度比7.7%の減となっています。 

(平成20年度予算の主な事業)

それでは、平成20年度予算の主な事業について、町の指針である寒川町総合計画「さむかわ2020プラン」の基本目標に沿って順次ご説明申し上げます。
なお、施策の詳細につきましては、別添の「平成20年度予算の概要」に掲載させていただきましたので、あわせて、ご覧いただきたいと存じます。
 
まちづくりの一つ目は、「快適でにぎわいのあるまちづくり」であります。
町道の整備につきましては、便利で機能的な産業活動や町民生活の快適性、利便性を確保するとともに、高齢者や子どもたちが安全に安心して生活ができるよう、人にやさしい道づくりに努めております。
本年度も引き続き道路整備を推進するとともに、歩行者の安全確保を図るため、歩道のネットワーク化の推進や老朽化した舗装の打ち換えなど道路の維持補修を順次行ってまいります。
さがみ縦貫道路につきましては、「圏央道目標宣言プロジェクト」により平成22年度を目途とした開通目標が示され、現在、国土交通省において精力的に工事が進められておりますが、引き続き早期実現に向け要望してまいります。

なお、さがみ縦貫道路の(仮称)寒川北インターチェンジへのアクセス道路として位置付けられています(仮称)湘南台寒川線につきましては、都市計画決定に向け準備を進めるとともに、整備につきましても引き続き積極的に県に要望してまいります。
また、県事業として整備が進められております都市計画道路藤沢大磯線につきましては、さがみ縦貫道路と一体で整備が進められており、茅ヶ崎市側より順次整備される見通しであります。
次に、現在、試験運転中のコミュニティバスにつきましては、多額の費用がかかっていることから、費用を削減し、高齢者や障害を持つ方々が公共施設や買い物に出かけるときの足として、町内全域を巡回するような運行にしたいと考えております。今後におきましては、平成21年度の早い時期での運行を目指し、これまでの運行内容やアンケート調査結果などを踏まえ、「コミュニティバス運行検討委員会」でご意見を伺いながら方針を決めていきたいと考えております。
次に、寒川駅北口地区土地区画整理事業につきましては、公共施設整備とともに良好な宅地整備に伴い、民間活力による土地活用が図られ、建築が盛んに行われております。
これも偏(ひとえ)に地権者の方々をはじめ、関係者ならびに町民の皆様の事業に対するご理解・ご協力の賜と心から感謝申し上げます。
東海道新幹線新駅の誘致ならびに新駅実現に向けたツインシティ倉見地区整備事業につきましては、子子孫孫に誇れる将来の寒川を実現するために不可欠な事業であると考えております。今後も地元の皆様との十分なコンセンサスを得ながら、新駅実現に向けての関連調査等を実施してまいります。
また、土地利用の適正化につきましては、無秩序な市街化を防止し計画的に市街地の形成を図るため、第6回線引き見直しの作業を引き続き進めるとともに、さがみ縦貫道路の(仮称)寒川南インターチェンジ周辺部のまちづくりについて地元の皆様と調査研究を進めてまいります。
次に、河川等の整備につきましては、近年の異常気象と思われる地域的な集中豪雨等により、全国各地で河川のはん濫や浸水被害が発生しております。
現在、相模川沿いでは「さがみ縦貫道路」整備に伴い築堤整備や堤防強化事業等が鋭意進められておりますが、その整備はまだまだ不十分な状況にあります。
このことから、引き続き相模川、小出川をはじめとする河川整備につきましては、地域住民の生命、財産を守るためにも強く、国・県へ要望してまいります。
また、快適で衛生的な生活環境、そして川や海のきれいな水など自然を保全するために整備を進めております公共下水道事業につきましては、本年度も引き続き市街化調整区域内の計画的な整備を進めてまいります。
また、公園や緑地、緑道につきましては、潤いや安らぎ、地域のネットワークづくりの場として、また、災害時の避難場所、避難路となるなど、多様な機能があります。明るく、健康で活力あるまちづくりの一環として、本年度は、さむかわ中央公園に簡単に運動が楽しめる健康遊具を設置し健康増進を図ってまいります。
 
まちづくりの二つ目は、「環境と共生したうるおいのあるまちづくり」であります。
環境につきましては、日々の生活や職場等で環境保全の意識を持って、エネルギーや資源をより適正に使用し、持続可能な社会を構築していかなければなりません。
町では昨年、環境基本計画の見直しを行いましたので、本年度も環境負荷の低減に向け、計画にある重点プロジェクトを中心に様々な施策を実施してまいります。
次に、廃棄物に関しましては、循環型社会の形成をめざし廃棄物の発生抑制とその有効利用を基本に、従来からの廃棄物処理に係わる諸事業を、「ごみになるものを絶つ(Refuse(リフューズ))」、「ごみになるもの買わない(Reduce(リデュース))」、「ごみの再使用(Reuse(リユース))」、「ごみの再生利用(Recycle(リサイクル))」のごみを減らす4Rの基本に基づき着実に実施するとともに、県ごみ処理広域化計画に基づき藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の2市1町で決定される「湘南東ブロックごみ処理広域化実施計画」によりまして、本年度は寒川町・茅ヶ崎市が共同で整備する広域リサイクルセンターの建設事業に着手いたします。
さて、町には相模川・目久尻川・越の山などの貴重な自然が残されております。この自然を次世代に引き継ぐためには、町民一人ひとりが自然の大切さを理解することが重要であります。そこで、緑豊かな都市づくりのため緑のフェスティバルや緑化フェアを、本年度も引き続き開催し、みどりの保全や活用に努めてまいります。
 
まちづくりの三つ目は、「安心で生きがいのあるまちづくり」であります。
お母さんが安心して出産し、すべての子どもが健やかに育つよう、妊娠・出産から子育てに至るまで、各種乳幼児健診や予防接種、健康教育、健康相談等、さまざまな母子保健サ-ビスを実施し、母子保健事業の充実を図ってまいります。
なかでも、妊婦健康診査ですが、昨今は、経済的理由から妊娠後に健康診断を受けず、出産間近になって初めて病院を訪れる、いわゆる「飛び込み出産」が増えております。また、母胎や胎児の健康維持、分娩のリスクを減らし、安心して健康な赤ちゃんを産み育てるためにも、妊婦健康診査を年2回から5回に拡大し、その健診に掛かる経費も全額公費負担として、妊婦の健康管理の強化を図ってまいります。
また、「さむかわ元気プラン」により、町民のライフステージに合わせた健康づくりを進めてまいりますが、昨年度に完成した「さむかわ waku waku (わくわく) 体操」の普及啓発に努めてまいります。
次に、国民健康保険事業についてですが、本年度は、従来より実施しておりました、基本健康診査が昨年度に廃止されたことにより、医療費適正化対策である生活習慣病予防を中心とした特定健康診査と保健指導が各保険者に義務化され実施することになりました。保険者である町といたしましては、実施体制の強化に向けて、町民の生活習慣病の発症を予防するなど、初期段階での改善に向けた健康管理及び医療費の削減対策に、今後も積極的に取り組んでまいります。
次に、国民年金制度につきましては、年金制度に対する理解を深め、町民の皆様が無年金者とならないよう、年金相談や啓発活動に取り組んでまいります。
次に、児童福祉につきましては、急速に少子化が進むなかで、安心して子どもを産み育てることができ、子どもが心身ともに健やかに育成できる環境の整備を図る必要があります。
先ず、小児医療費助成事業では、子育て中の保護者の経済的負担の軽減を図るため、0歳から小学校就学前までの児童が病院に通院または入院した場合など、医療費の自己負担額を一定条件のもとで助成しております。
昨年、将来への安定的かつ継続的な運営を図るため、県を中心に抜本的な制度の見直しが検討され、本年10月から4歳以上の児童につきましては一部負担金の導入が計画されております。しかし、町では子育て支援対策の充実を図るために、一部負担金の導入につきましては行わない考えであります。
さらに、子育て中の親と子どもが気軽に集い、語り合ったり、育児相談などを行っている「子育て支援センター」の利用時間を1時間延長して午後4時までとし、子育て支援の充実に努めるとともに、保育園運営事業では、クラス編成等の工夫をしながら待機児童の解消に努めてまいります。
また、本年度も引き続き、私立幼稚園に就園する3歳から5歳児までの保護者に対し経済的負担を軽減するため、就園奨励費の助成を行ってまいります。
次に、障害者福祉につきましては、平成18年4月に障害者自立支援法が施行されたことによりまして、町では障害者が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう各種支援事業の展開を図ってまいりました。
本年度は、障害者等の家族の就労支援や日常的に介護している家族の一時的な休息を目的とした日中一時支援事業の実施をはじめ、手話通訳者の設置日を週3日から週5日に拡大するなど、聴覚障害者へのコミュニケーション事業の充実に努めてまいります。
次に、高齢者福祉でありますが、町の高齢者人口は本年1月現在8,260人で、高齢化率は17.4%と昨年同時期に比べまして、人数で439人、率で0.9%増加しております。本年度は、平成21年度からスタートします「第4次寒川町高齢者保健福祉計画」の策定に取り組みますが、従来の計画を十分精査し、今後ますます高齢化する町の将来を見据えた計画づくりを行うため、町民の皆様からご意見等を頂きながら、慎重に検討してまいります。
次に、介護保険事業につきましては、高齢者ができる限り要支援・要介護状態にならないために、特定高齢者や一般高齢者を対象とした通所による運動機能の向上や認知症予防などを組み合わせた高齢者アクティビティ事業を実施し、介護予防の一層の充実に努めてまいります。
次に、防災対策につきましては、地震、大雨等の自然災害に備え、町民の生命、財産を守るため、正確・迅速な情報の収集伝達をはじめ、職員や防災機関等の初動体制の強化を充実いたします。更に、総合防災訓練や地域住民の自主防災力の強化を図り、「自助、共助、公助」を基本に、災害に強いまちづくりを進めてまいります。
本年度は、住民に正確な情報を迅速に伝える手段として有効な防災用行政無線のデジタル化整備を図ります。
また、建築基準法が改正された昭和56年5月31日以前に建築された木造住宅の所有者に対し、補助制度事業の活用についてPRに努め、耐震改修の促進を積極的に推進してまいります。
災害時の要援護者対策につきましては、移動が困難な方をはじめ医薬品や医療機器がないと生活できない方など、様々な要援護者に対して防災情報の伝達、避難所への誘導等を整理し、防災及び福祉関係部局、並びに、各自治会等との情報の共有や情報伝達体制の整備を図り、災害時の要援護者支援マニュアルのガイドラインを策定してまいります。
また、町民の広域避難所ともなる学校施設の防災対策事業につきましては、災害時に備え寒川中学校北棟の耐震補強工事の設計と北部公民館の耐震診断調査を行ってまいります。
次に、交通安全対策ですが、「交通事故ゼロ」は町民みんなの願いであります。今後も悲惨な交通事故の撲滅を目指して、関係機関・団体等との連携をより一層強め、町民一人ひとりの交通安全意識の高揚を図ってまいります。
次に、防犯対策につきましては、警察署や防犯協会等関係機関と連携を図りながら、防犯キャンペーン等を実施するとともに、防犯アドバイザーによる自治会、PTA等への防犯講演会や防犯相談を行い、「犯罪を起こさせないまちづくり」に努めてまいります。
近年、全国各地で子どもたちが被害者になる凶悪事件が多発しており、子どもたちの安全、安心を守ることが大きな課題となっております。町では、地域と連携した見守り体制の推進を図るとともに、入学する小学生への防犯ブザーの貸与、教職員を対象とした防犯講習会などを通して、子どもたちの安全確保に努めてまいります。
また、青パト(警備車両)による下校時の巡回監視時間を本年度から延長し、各小学校の通学路の監視に力を注いでまいります。
次に、消防行政につきましては、近年住宅火災による高齢者の逃げ遅れによる死亡者が増加しており、その対策として住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。そこで、町では本年度から70歳以上の一人世帯に無償で火災警報器を交付・設置し、高齢者の安全確保に努めてまいります。
また、消防職員の研修を充実させるとともに、消防分団の消防車両の更新や消防水利の設置等、消防施設の充実を図り、町民の生命・財産を守ってまいります。
なお、市町村の消防の広域化につきましては県を中心として計画の策定が進められておりますが、消防の体制整備など本年度も引き続き関係機関と検討を行ってまいります。
次に、平和推進事業ですが、町では昭和60年に「寒川町核兵器廃絶平和都市宣言」を行い、平和思想の普及啓発に努めてまいりました。本年度も「ピーストレインさむかわ」を実施し、小・中学生を被爆地(広島市)に派遣し、戦争の悲惨さや平和の大切さを学んでもらおうと考えております。
 
まちづくりの四つ目は、「豊かな心と文化をはぐくむまちづくり」であります。
昨年4月から特別支援教育がスタートするなど、我が国においては様々な教育改革が進められており、学力問題やいじめ・不登校問題など、様々な課題の解決のため、学校教育の変革が求められております。
こうした状況の中、町では、子どもたちにきめ細かな学習指導と生活指導を行い、基礎・基本の学力を向上させる事業の推進と、豊かな感性や人間性を育むための事業の推進を図ってまいります。
きめ細かな指導の充実としては、小学校1学年において少人数学級を継続するとともに、通常学級に在籍する軽度発達障害の児童に対する支援も行ってまいります。
また、心豊かな子どもたちの育成のために、あいさつ運動の推進を図るとともに、「子ども読書活動推進計画」に則り、学校や家庭における読書活動を推進してまいります。
なお、不登校問題や子どもたちの様々な心の問題に対応するため、現状の相談体制を基盤としながら心理士やスクールカウンセラー、学生によるメンタルフレンド等の一層の活用及び連携を図りながら相談指導体制を充実してまいります。
さらに、「特色ある学校づくり」を通して、子どもたちが胸躍らせて学校生活が送れるよう、また、地域に開かれた学校、信頼される学校をめざして各学校が創意工夫を生かした特色ある教育活動を推進していけるよう支援してまいります。
学校施設の改修については、昨年度に引き続き、小谷小学校管理棟のトイレ改修及び内部改修工事を行います。また、寒川中学校北棟の大規模改修工事の設計を行い、学校施設の整備を図ってまいります。
青少年の健全育成については、家庭・地域・学校・行政等が連携していくなかで、その取り組みがますます重要になっています。そこで放課後児童の健全育成を目的とした「さむかわふれあい塾」や、体験活動を通して、豊かな心や生きる力を育む「さむかわゆうゆう学園」などの一層の充実に努めてまいります。
次に、放課後児童健全育成事業としての児童クラブですが、施設の老朽化等の課題があり、小学校の余裕教室の活用などを含め多角的な視点で早期改善に努めてまいります。
生涯学習の推進につきましては、「寒川 学びプラン」に基づき、町民一人ひとりが生涯を通じて生きがいのある充実した生活を送れるよう、幼少年期から高齢期にわたる地域住民のライフステージに応じた各種講座や教室、芸術文化事業など幅広く推進してまいります。
また、公民館利用者等の安全の確保と利便性を図るため、町民センターの屋上防水工事等を実施し、施設整備の充実に努めてまいります。
寒川総合図書館ですが、開館から1年を経過したところで、図書館資料の貸出が50万点を突破し、町民1人あたり10点を超える貸出を行っております。図書館が地域文化の拠点として定着してきており、大変嬉しく思っております。本年度も、生涯学習や文化の拠点として資料の計画的な収集を行い、魅力ある蔵書構成に努め、町民の読書ニーズに応えてまいります。
次に、スポーツ・レクリエーション活動ですが、町民が生涯にわたり、いつでも、どこでも、誰でもがスポーツ等に親しめ、健康でいきいきとした生活を送ることができる環境づくりの充実に努めてまいります。
 
まちづくりの五つ目は、「魅力ある産業と活力あるまちづくり」であります。
活力あるいきいきとしたまちづくりを進めるためには、常に安定した財政基盤が必要です。そのためには、商業・工業・農業・観光といった産業のバランスの良い活性化が必要であります。
商業では、商工会やまちづくり会社と連携しながら、特に寒川駅北口地区を中心に、街路灯設置の検討などを通して商店街の活性化を進めるほか、(仮称)寒川駅前複合施設につきましては、本年度、ミニ集会などで町民の皆様のご意見を十分にお聴きしながら、より良い施設にしていきたいと考えております。また、本年度はプレミアム付き共通商品券への補助を復活させ、中・小小売店舗の活性化と商業の振興を図ってまいります。
工業につきましては、企業誘致の促進と既存企業の町内投資の促進のため、引き続き企業立地促進に関する条例、中小企業施設整備資金特別融資制度を、県のインベスト神奈川などと連携を図りながら実施してまいります。
農業につきましては、本年度は農業振興整備計画を見直し、農地の適正利用や若手農業者の育成を目指してまいります。
また、JAさがみとの連携のもとで「わいわい市」を中心とした地産地消を一層進めてまいります。
勤労者対策については、勤労者の生活コスト縮減を目的に、勤労者への住宅資金融資に対する利子補助や勤労者家庭の修学促進のため、教育資金融資に対する利子補助などを引き続き行ってまいります。
観光につきましては、昨年発足させました観光協会、商工会、町からなる三者協議会にて、商業振興に結びつく観光資源の発掘や観光の在り方の検討を進めます。特に本年度は、例年実施しております町花火大会のあり方を検討してまいります。
 
次に、「施策の推進に向けて」であります。
私は、町政運営の基本を「クリーンで透明な町政の実現」であることとし、町の情報を公開し、町民と協働のまちづくりを進めるべく、町政に携わってまいりたいと考えております。
特に昨年は、寒川町自治基本条例に基づきまして、「寒川町審議会等の委員の公募に関する規則」を定め、現在、総合計画審議会を始め15の委員会で27人の公募委員が選任され、各分野でご活躍をいただいております。また、パブリックコメント等の実施によって、町民の皆様の施策への提言や参画の機会を拡大いたしてまいりました。本年度はさらに、町民の意見をしっかりとお聴きするためのミニ集会を開催してまいります。
そして、町民参加を推進していくためには、まず行政から町民への適切な情報提供が必要です。現在、広報さむかわ、町ホームページなどを活用した広報活動の充実に努めておりますが、引き続き、町からのお知らせや話題などを紹介するとともに、災害時にはFMラジオ局「レディオ湘南」と連携し緊急放送を実施してまいります。
また、議会では、町民に身近でより親しまれる議会とするため、9月定例会から本会議インターネット中継を実施いたします。
議員各位には実施にあたり、議会改革推進委員会を設け、日々検討されてこられましたことに対しまして感謝申し上げます。
広域行政につきましては、湘南広域都市行政協議会など、近隣市町の共通の行政課題や効率的な行政運営について研究し広域的な取り組みに努めてまいります。
特に、消防の広域化や広域リサイクルセンターの建設などは、調整機能を活用して連携を進めてまいります。
次に、行政改革の推進の一つである公用車の削減については、削減対象車両の検討を行った結果、型式年数が古く、しかも修繕料等がかさむと予測できる車両については経費の削減とCO2削減のため買い替えは行わないこととしました。
また、入札制度につきましては、昨年10月、一般競争入札や電子入札の拡大など10項目にわたり大幅な改革を実施したところです。本年度も引き続き入札の電子化や事務の効率化を図るなど、入札制度の透明性や公平性・競争性の確保に努めてまいります。
以上、平成20年度の町政運営の基本的な考え方と施策の概要についてご説明申し上げました。

(終わりに)

今まさに、地方自治体は、人口減少と高齢化社会を迎えております。また、地球規模での環境問題や経済のグローバル化、情報化の急速な進展など、様々な行政課題を抱えております。こうした時代の潮流に押し流されることなく、行政運営の方向性をしっかりと見据えて、推進していくことが重要であります。
町民の皆様の声を真摯に受け止め、住民ニーズを的確に把握しながら、自らの責任と権限に基づいて、行き届いた住民サービスの提供を行い、「安心して住める明るい寒川のまちづくりの実現」を目指してまいります。
議員各位をはじめ、町民の皆様のより一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、私の平成20年度の施政方針といたします。

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