木村町長所信表明(令和元年寒川町議会第2回定例会より)

更新日:2019年09月25日

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    令和元年寒川町議会第1回定例会9月第2回会議の再開にあたり、議長からお許しをいただきましたので、私の町政に対する所信の一端を申し述べ、今後の町政運営に向け、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
    まずは所信を申し上げます前に、今月、各地で甚大な被害をもたらした台風15号及び17号の暴風雨等により被災された方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。
   また、この度の町議会議員補欠選挙においてご当選なされました柳田遊議員、誠におめでとうございます。
   私も町長選挙に3期目の立候補をさせていただき、多くの町民の皆様からご支持を賜ることができ、引き続き町政をお預かりさせていただくことになりました。誠に身に余る光栄であるとともに、課せられた使命と責任の重大さを痛感し、改めて身の引き締まる思いでございます。
   これまでの2期8年間で築き上げてきた地域のつながりがより強いものとなるよう、3期目も人々の心が通い合う「あったかい町」を町民の皆様と築くことに全力を傾注する覚悟でございます。何卒、温かいご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

    さて、現在の国内経済情勢は、本年8月の内閣府の月例経済報告によりますと、「景気は、輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している。」としており、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待されております。
    しかしながら、中国経済の先行きのほか、海外経済の動向と政策に関する不確実性などに留意する必要があり、予断を許さない状況でございます。
   また、日本全体が人口減少、少子高齢化という構造的な課題を抱える中、国の第32次地方制度調査会の中間報告では、団塊ジュニア世代が高齢者となる2040年頃を見据え、「地域社会を取り巻く環境が大きく変容していく中にあっても、地方公共団体には、豊かで多様な価値観を背景とする住民の暮らしを持続可能な形で支えていくことが求められる。」とされております。
   このような状況の中、私の3期目の町政運営の基本的な考え方といたしましても、引き続き「着眼大局、着手小局」の考え方のもと、「選択と集中」の観点から限りある行政資源を効率的かつ効果的に活用するとともに、町自治基本条例の本旨である協働のまちづくりを主体とし、皆様のご指導・ご協力を賜りながらまちづくりを進めてまいる所存でございます。
   私は平成23年に町長に就任以来、総合計画に位置付けたまちの将来像「優しさと 輝きと うるおいのあるまち 湘南さむかわ」の実現に向け、平成24年度にスタートした後期基本計画に沿って施策を推進し、8年間で様々な実績を積み上げてきたところでございますが、この計画も令和2年度末で計画期間の満了を迎えます。
   計画期間としては残りわずかとなりましたが、今後につきましても、本計画に基づき、町の将来都市構造を定めた3つの拠点整備に向け、地権者の皆様とも情報を共有する中で引き続き協議を進めてまいります。
 また、重点プロジェクトに位置付けた教育や防災対策、健康寿命の延伸や産業活性化などの施策を中心に推進するほか、都市基盤整備や高齢者・障がい者福祉の充実、ごみの減量化・資源化による循環型社会の形成などにも引き続き的確に対応し、町民の皆様とも協力し合いながら、5つの基本目標の実現を図ってまいります。
 なお、町の将来都市構造をはじめ、現行の「さむかわ2020プラン」の中で重要な課題として残されたものや、令和2年6月に策定予定である、公共施設の老朽化・更新財源問題への実行プランとなる公共施設再編計画の実施内容につきましては、令和3年度以降を計画期間とする次期総合計画にしっかりと引き継いでまいりたいと考えております。
 また、人口減少に歯止めをかけ、将来にわたって活力ある地域を維持することを目的に、平成28年には町人口ビジョン及び町総合戦略を策定し、生産年齢人口の確保に向け、さがみ縦貫道路の全線開通に伴う交通利便性の向上や豊かな自然環境、ストリートスポーツにゆかりのある地といった町の強み、特性を活かし、魅力を前面に押し出しながら取り組みを進めてまいりました。
 その結果として、私が町長に就任した平成23年当時約47,600人であった人口が、直近では約48,400人ということで、計画上の目標人口を上回る状況であるとともに、減少局面 に転じると推計していた平成30年以降も順調に人口増加の傾向を見せております。
 町といたしましては、さらなる生産年齢人口を確保すべく子育て世代に向け、豊かな自然環境の中で子育てしやすいまちとして、引き続き積極的な発信を行い、移住・定住の促進を図ってまいりたいと考えております。
 なお、町総合戦略の策定において洗い出された課題につきましては、町を取り巻く喫緊の課題であることから、引き続き私の主要施策と位置付けてまいりますが、既に定めております総合計画の重点プロジェクトと方向性を一にする部分も多くあるため、計画間の整合性を図り、その課題解決に向け積極的に取り組んでまいります。

 それでは、私の主要施策とする町総合戦略の4つの方向性を中心に申し述べさせていただきます。
 まず1つ目は『地域全体で「さむかわ」の経済成長を支え、安定した「しごと」を育む』でございます。
 地域経済を活性化する産業の創出や雇用の機会を確保するため、誰もが安心して働き暮らせる地域をつくってまいります。
 具体的な方向性といたしましては、町の財政基盤を支える産業強化を図るため、都市基盤整備を進めるとともに、田端西地区における産業集積拠点のまちづくりを進め、安定した雇用を創出してまいります。
 また、地域の活性化には地元の小規模事業者の活性化が不可欠であることから、町商工会とも連携しながら町民生活に密着した商工業を支える仕組みを構築するとともに、行政と支援機関が連携し、やる気と熱意ある新たな創業者に対し、経営の安定化と新たな「しごと」の創出に向けた支援を進めてまいります。
 さらには、地域経済成長を支える人材の育成と確保に向けた支援を進めるとともに、農業と観光の融合や町内企業と地域住民との交流促進についても進めてまいります。

 次に、2つ目は『「さむかわ」を知ってもらい、新しい人の流れをつくる』でございます。
 本町の認知度を向上させ、新たな人の流れを生み出し、移住・定住の促進につなげるため、本町の価値や本質を表現した町ブランド・スローガン『「高座」のこころ。』のもと、にぎわいづくりや情報発信強化など、特色ある地域資源等を活用した魅力品質につながる取り組みを進めてまいります。
   具体的な方向性といたしましては、町が持つ強みである豊かな自然環境を活かし、民間との連携による寒川町ならではのイベントの開催のほか、ストリートスポーツの聖地化に向けた取り組みなどを通じて交流人口の増加に取り組むことで、移住・定住の促進につなげてまいります。
 また、寒川神社を核とした新たな観光拠点の創出につきましても、引き続き関係機関と連携して検討を進めてまいります。

 次に、3つ目は「子育て世代が安心して子どもを産み育てやすい環境をつくる」でございます。
 結婚から子育てまで切れ目のない支援を行うとともに、子どもたちが笑顔で暮らせ、確かな学力を身につけるための環境づくりを進めつつ、学校・家庭・地域全体で子どもを育て見守る社会の構築に引き続き取り組んでまいります。
 具体的な方向性でございますが、これまで、様々な保育ニーズへの対応や保育環境の整備による「待機児童ゼロ」に向けた取り組みや、小児医療費助成の対象者拡充による「子育て世帯の経済的負担の軽減」、子育て世代包括支援センターや母子保健コーディネーターの配置による「切れ目のない支援・相談体制の充実」、産後ケア事業による「産後不安の強い産婦等への適切な心身のケアや育児サポートの提供」といった取り組みを進めてまいりました。
 今後も引き続き、子育て世代のニーズを的確に捉えながら、「湘南地域で最も子育てがしやすいまち」と思っていただけるよう、取り組みの総合力を高めながら進めてまいります。
 さらに、学力向上と家庭教育支援の取り組みとして、児童・生徒に「確かな学力と豊かな心、健やかな体」を育むことは、保護者・町民の強い願いであり、学校教育の普遍的課題であることから、「知・徳・体」の調和の取れた生きる力を育むために、家庭・地域教育力の充実が必要です。誰もが等しく輝く未来を夢見ることができるよう、学校教育・社会教育、家庭、地域及び企業が一体となって取り組むことで、明日を担う子どもたちの健やかな育成を図ってまいります。
 また、児童・生徒の健やかな学びのためには、教育内容はもとより、教育環境も重要となってまいります。町内全ての小・中学校へ空調機を設置し、一定の教育環境の改善を図ることができましたが、学校給食センターによる小・中学校の完全給食の実施や町営プールの改修・オープンなど、引き続き教育環境の充実に取り組んでまいります。

 最後に、4つ目は『発展し続けるまち「さむかわ」をみんなでつくる』でございます。
 誰もが安心して暮らせるまちづくりとして、防犯対策の充実を図るとともに、将来に向け発展し続けるまちを実現するため、住民が積極的にまちづくりに参画できる環境を構築してまいります。
 また、誰もが快適で暮らしやすい生活環境の実現を図るため、交通環境の整備を進めてまいります。
 具体的な方向性といたしましては、誰もが安心して暮らせる環境づくりは、選ばれる町となるためにも重要な取り組みであるため、関係機関ともさらに連携を強化し、防犯対策や交通事故防止対策の充実を図り、町民の安全安心な暮らしを守ってまいります。
 また、少子高齢社会の進行や核家族化、個々のライフスタイルの変化や価値観の多様化などにより、町民同士の連帯感が希薄化する一方、活動の拠点づくりやまちづくりについて話し合える場、多世代がふれ合える場を求めるニーズが増えてきていることから、そうした場の確保に努めるとともに、町民が主体的に実施している様々なイベントについて、まちづくりの一主体としての行政の役割を明確にしながら積極的な支援を行い、町民交流を促進することで、さらなる協働のまちづくりを推進してまいります。
 さらに、生産年齢人口の確保に向け、まちづくり参画コミュニティへの支援や若者・子育て世代編のまちづくり懇談会の開催など、引き続き町政に若い世代の意見を反映させる各種取り組みを継続することで、若い世代からも選ばれる町をめざします。
   また、より快適な生活の実現に向けた交通環境の整備といたしまして、公共交通機関が果たす役割は非常に大きく、寒川町へ移住しようと考えている人からも、通勤や通学など日常生活の 基盤として、その充実が求められていることから、寒川駅南口における駅前広場の整備等や倉見駅へのエレベーター設置による利便性向上のほか、新幹線新駅誘致の推進に努めるとともに、地域と地域を結ぶ公共交通の充実を図ってまいります。

   以上が、3期目の町政を担当させていただくにあたっての、私の主要施策の概要でございます。

   冒頭にも申し上げましたとおり、人口減少や少子高齢化の進行により、地域社会を取り巻く環境や行政サービス提供への影響も将来的なリスクとして想定される中では、まちづくりのあり方も再構築すべき状況となってきております。
   こうした中、今後も、「未来につなごう、子どもたちの笑顔。」をスローガンに、地域の皆様と手と手を取り合い、「ふれあい」を通じて、「共に活動できるまちづくり」の実現に取り組むとともに、生産年齢人口の確保に向け、新幹線新駅を中心とした新たな市街地整備など町の特性を活かした魅力あるまちづくりを進め、強みを発信することで選ばれる町をめざしてまいりたいと考えております。
   私といたしましても、この3期目につきましては、こうした取り組みを町中に広げることで、町民の皆様一人ひとりの個性を結び、地域と地域をつなぎ、さらに絆を深めてまいりたいと考えており、いつまでも住み続けたい、住んでみたいと思われる町を町民の皆様とともに創造してまいりたいと切に願うものでございます。
   今後とも、議員の皆様、ならびに町民の皆様に、格別のご支援とご協力を心からお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

 

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