ドメスティック・バイオレンス
ドメスティック・バイオレンス(以下DV)は、直訳すると「家庭内暴力」という意味です。
国内ではこれまで子どもが親に振るう暴力を主に「家庭内暴力」と呼んでいましたが、これとは区別して
夫や恋人、婚約者、同棲相手、元夫、以前付きあっていた恋人など親密な関係にある男性から女性に
対して振るわれる暴力を指して主に「DV」といいます。 DVは時に命を奪う危険な行為で、最も身近で起こりうる犯罪です。
暴力の代表的な形態
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身体的暴力 |
殴る/蹴る/首を絞める/髪をもって引きずり回す/包丁で切りつける
階段から突き落とす/タバコの火を押し付ける/熱湯をかける |
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心理(精神)的暴力 |
暴言を吐く/脅かす/浮気・不貞を疑う/家から締め出す/大事なもの
を壊す/交友関係を厳しく監視する |
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性的暴力 |
性行為を強要する/ポルノを見せたり、道具のように扱う |
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経済的暴力 |
生活費を渡さない/女性が働き収入を得ることを妨げる/借金を重ねる |
暴力から逃げ出せない要因
◎暴力は、家庭内など閉じられた空間の中でいつ振るわれるかわからず、また逆らったり逃げたりすると、
さらに執拗で激しくなることへの緊張、恐怖から、女性はしだいに言動を制限し、萎縮しながら社会から
孤立していきます。
暴力環境の中で生きていると、人は自身を失い、無力感から感受性を麻痺させることで適応しようとし、
暴力を振るう男性が望むことを最優先して行動するようになります。
このため、女性の生活はますます暴力からなかなか逃げ出せなくなります。
◎一般的には、まだDVは家庭内の問題だとする無理解があります。
また、逃げようとしても「子どもには父親が必要」、「女性は家庭に」という社会通念など多くの要因が、
女性の経済的自立や離婚を難しくして女性を家庭に縛り付けています。
ドメスティック・バイオレンスの影響
◎暴力は身体的にはあざ、打ち身、切り傷、火傷、鼓膜や助骨・脊髄の損傷など多様で、後遺症が残った
り、時として死に至ることもあります。
◎暴力は、将来への不安や絶望、孤独感、男性への恐怖心さらには自責の念など女性の心を深く傷つけ
ます。
暴力が心の傷(トラウマ)となり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を引き起こすことも多く、不眠、頭痛、
動悸、下痢、胃痛などの身体的症状に表れることもあります。
さらに、傷ついた女性が自らの命を絶つことや思い余って殺人を犯すこともあります。
◎女性の意思を無視した一方的なセックスなど性的暴力は、望まない妊娠や中絶の原因にもなります。
また、暴力が妊娠中にエスカレートすることも多く、流産や死産との関連性も指摘されています。
◎暴力によるケガにより身体的・精神的影響が原因で、仕事が続けられなくなったり、人間不信で対人関係
にも悪影響が出たり、自己評価も低くなり、時として子どもへの虐待につながることもあります。
◎加害者は、しばしば我が子にも暴力を振るっていることがあり、暴力を受けた子どもは、夜泣き、うつ症状、
不安定症状などに陥ることが多く、成長しても情緒不安定で、対人関係がうまく築けず、不登校、家出、
非行の原因になっていることがあります。
さらに、適切な支援がない場合、成人してから自らが暴力を振るってしまう次世代の問題としても指摘され
ています。
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